ニカ・プレヴツが初のワールドカップ総合優勝 クバンダルは女子WC初のフライングを制しRAW AIRを獲る
Official Results
1 | エイリン‐マリア・クバンダル(NOR) | 431.2pt |
2 | シリエ・オプセット(NOR) | 425.2pt |
3 | エマ・クリネツ(SLO) | 375.9pt |
5 | 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) | 348.1pt |
6 | 高梨 沙羅(クラレ) | 344.5pt |
14 | 丸山 希(北野建設SC) | 288.0pt |
女子ワールドカップ史上初のフライング戦。
昨シーズンはRAW AIRのうちの一試合としての実施ではあったのでFISの公式戦ではあったものの、WCにはカウントされない試合だった。
出場するのはトロンハイム終了時点のWC総合15位までの選手。
これにトロンハイム終了時点のRAW AIR総合15位の中で最大5選手が加えられる。
全17名が参戦することとなったが、第1戦は悪天候でキャンセル。代替試合は用意されず、選手たちが待ち望んだ試合は、この日の一試合だけが実施されることとなった。
歴史的一戦は、試技で236.0mを飛ぶも転倒し顔中血だらけになったオプセットと、飛距離を出すことに関しては当代随一のクバンダルの一騎打ち。
1本目にコーチリクエストで加点を得てトップに立ったクバンダルに対して、オプセットは2本目でワールドレコードとなる230.5mで追いつめたが、3段低いゲートで飛んだクバンダルが追撃を振り切った。
クバンダルは今季3勝目となったが、これらは全てRAW AIRで挙げたもの。
RAW AIRの残る2試合も2位と3位。4回あった予選はいずれもトップ。
圧倒的強さの当然の結果としてRAW AIR総合優勝のタイトルに輝いた。
日本勢は伊藤有希、高梨沙羅、丸山希が参戦。
初のフライング戦となった高梨沙羅は「一個の夢がかなって感動でいっぱい」
同じく初参戦の丸山希は「シーズン初めはここに来られるとは思っていなかった」
昨年の主役であった伊藤有希は「ワールドレコードだけを狙っていたので、すごく悔しい」
昨年の覇者クリネツは3位。
なお、この日2位となったオプセットは、RAW AIR総合において7位から一気に2位を射止めた。フライングのポイントのウェイトはやはり大きいので、最後に一発逆転が狙えるのは面白いところではある。
RAW AIR 総合順位
1 | エイリン‐マリア・クバンダル(NOR) | 1790.4 |
2 | シリエ・オプセット(NOR) | -152.0 |
3 | エバ・ピンケルニッヒ(AUT) | -155.5 |
4 | カタリナ・シュミット(GER) | -190.8 |
5 | ニカ・プレヴツ(SLO) | -211.4 |
8 | 高梨 沙羅(JPN) | -255.6 |
11 | 伊藤有希(JPN) | -344.5 |
13 | 丸山希(JPN) | -399.6 |
19 | 勢藤優花(JPN) | -762.5 |
32 | 岩佐明香(JPN) | -1048.2 |
42 | 一戸くる実(JPN) | -1371.7 |
クバンダルのRAW AIRタイトル決定に湧く中、ニカ・プレヴツの総合優勝がひっそりと決まった。
この日を含めて残り2試合で2位ピンケルニッヒとの差は194ptあった。
よって、プレヴツは失格にでもならない限り九分九厘タイトルを手中に収めている状態ではあった。
それでも現地からの映像などは、もう少し何とかならないものか。
現地映像では、総合優勝決定は、ほぼほぼスルーされてしまっている。
ずっと言い続けていることなのだが、RAW AIRは開催時期がどうにも気に入らない。
シーズン終盤のWC総合優勝争いの真っ最中に別のタイトル争いをぶち込んできたことで、双方ともに焦点がぼやけてしまう。
というか、RAW AIRが幅を利かせすぎていてWC総合優勝が霞んでしまっている。
あの時もそうだったし、この時もそうだった。
今回はNHKが中継の中でフォローしてくれたので、まだ良かったけれど…
ワールドカップ 総合順位(暫定)
1 | ニカ・プレヴツ(SLO) | 1394 |
2 | エバ・ピンケルニッヒ(AUT) | -189 |
3 | 伊藤 有希(JPN) | -408 |
4 | アレクサンドリア・ルティト(CAN) | -444 |
5 | ジャクリーン・ザイフリーズベルガー(AUT) | -499 |
さて、今シーズンも残すところあと1戦。
伊藤有希は総合3位が見えている。4位との差は36pt。大丈夫と思う。
なお、高梨沙羅は総合10位以内を既に決めている。