クバンダルが3季ぶりの勝利でRAW AIRをリード プレヴツが僅差の2位
Official Results
1 | エイリン‐マリア・クバンダル(NOR) | 242.2pt |
2 | ニカ・プレヴツ(SLO) | 240.0pt |
3 | エバ・ピンケルニッヒ(AUT) | 231.4pt |
10 | 高梨 沙羅(クラレ) | 211.7pt |
17 | 丸山 希(北野建設SC) | 193.7pt |
20 | 勢藤 優花(北海道エネルギースキー部) | 184.7pt |
22 | 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) | 181.9pt |
28 | 岩佐 明香(大林組スキー部) | 170.0pt |
一戸 くる実(CHINTAIスキークラブ) | 予選49位 |
クバンダルが2020/21リュブノでのWC出場2試合目にしての驚愕の初優勝以来となる通算2勝目を挙げた。
ただ、この勝利が一部でやや物議を醸しているようだ。
クバンダルは着地に難があり、初優勝後に膝を壊し長期離脱を余儀なくされた。
急激に飛距離を出す力を身に着けたけれど着地の技術が追い付いていなかったのだろう。
復帰後はコーチリクエストによりゲートを下げて飛ぶことが通例となっていた。
このRAW AIRでも金曜の予選、土曜の本戦、この日の予選そして本戦1本目までの計4本で全てリクエストによりゲートを下げてきていた。
コーチリクエストでゲートを下げた場合はHSの95%(オスロでは127.0m)に達しないと加点が得られないが、ここまでの4本で加点が得られたのは金曜予選の1本だけ。
しかし、これはクバンダルにとって、というよりノルウェー陣営にとってあまり大きな問題ではないのだと想像する。
クバンダルのコーチリクエストは勝負の上での駆け引きとか戦略的なものではなく、とにかく膝への負担を減らし安全に着地させることのみが目的となっているのではないかと思える。
よって、加点が得られないからといってリクエストが失敗ということではなく、安全に着地できたのならそのリクエストは成功と捉えているのではないか。加点が得られればラッキーぐらいの感覚で。
で、問題のシーンはこの日の2本目だ。
ここでもゲートは2段下げられた。が、しかし、これはリクエストではなくジュリー判断によるもの。
125.0mだったので95%に届いていないがジュリー判断の場合は飛距離に関係なく加点されるので、9.6ptの加点を得たクバンダルはニカ・プレヴツを2.2pt上回り結果として勝利した。
次はラストジャンパーのシュミットだったが、運営はゲートを元に戻した。
つまり、運営はクバンダルの場面だけゲートを下げたわけだが、この判断がフェアなものであったのかどうかというのが問題となっているようだ。
クバンダルの前に飛んだ数人を見ても、最も飛距離を出したのはプレヴツの127.5m。風向風速は数値上は向かい風ではあるものの比較的安定していた。
前の選手がHSオーバーを出したというような場面でもないのに、ここで運営がゲートを下げるのはたしかにやや不可解だ。
たしかにクバンダルは飛距離を出す選手であり、オスロの気まぐれな風で飛び過ぎてしまう危険性がなかったわけではない。
しかし、このリスクに対応してゲートを下げるのだとしたら、少なくともこの場面ではそれはコーチリクエストで行われるべきことのように思える。
ましてや飛び過ぎでしまうリスクは、条件がほぼ同じだったシュミットにだってあったはずなのに、ゲートを元に戻したのもセオリーに反している。
NHKの実況では、コーチリクエストが一度出されたが、結局は運営により下げられたというようなことを言っていた。
いつも通りコーチリクエストをすると思ったら、しないので、怪我でもされたら困るので仕方なく運営が下げざるを得なくなったとか…?
いずれにしても、クバンダルは飛距離に関係なく加点が得られた。
これがリクエストだったなら加点はされずにプレヴツが勝っていた。
ひょっとして、ノルウェー陣営は運営との間で高度な心理戦を行ったのではないか-
まぁ、憶測にすぎないので戯言はここまでにしておく。
RAW AIR 総合順位(暫定)
1 | エイリン‐マリア・クバンダル(NOR) | 588.7 |
2 | カタリナ・シュミット(GER) | -29.3 |
3 | エバ・ピンケルニッヒ(AUT) | -30.4 |
4 | シリエ・オプセット(NOR) | -39.4 |
5 | ニカ・プレヴツ(SLO) | -44.1 |
ワールドカップ 総合順位(暫定)
1 | ニカ・プレヴツ(SLO) | 1225 |
2 | エバ・ピンケルニッヒ(AUT) | -189 |
3 | 伊藤 有希(JPN) | -322 |
4 | アレクサンドリア・ルティト(CAN) | -402 |
5 | ジャクリーン・ザイフリーズベルガー(AUT) | -430 |