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スキージャンプFISワールドカップ2022/23女子個人第17戦ヴィリンゲン

伊藤、丸山、高梨 日本女子初の表彰台独占の快挙

2023年2月5日(日) ヴィリンゲン(GER)HS147/K130

20th World Cup Competition

1 伊藤 有希(土屋ホームスキー部)233.3pt
2 丸山 希(北野建設SC)229.0pt
3 高梨 沙羅(クラレ)222.6pt
 
10 勢藤 優花(YAMAtune)182.7pt

リザルト 総合順位


伊藤有希、丸山希、高梨沙羅が快挙を成し遂げた。
2011/12シーズンに始まった女子ワールドカップにおいて初となる日本勢による表彰台独占。これまで200戦ほど行われてきたWC個人戦においてドイツスロベニアが1度ずつしか達成していない大偉業だ。

それだけでも喜ばしいことなのに、そこにもう二つの大きな喜びが加わった。

まず一つは伊藤有希の勝利。
2017/18最終戦オスロ以来となる実に6シーズンぶりの勝利だ。

予感はあった。金曜のプロローグで3位。混合団体では転倒扱いになったとはいえ154.5mの驚愕の大ジャンプを披露した。そして土曜の個人戦では4位。
とにかく台との相性がよく、本人も勢いを感じていたようだ。

この日は1本目で137.0mを飛びトップで折り返すと、2本目は絶好の条件を引き当て135.5mまで伸ばした。
そして、この日はバーンが荒れているのかランディングに苦労する選手が多い中、いつも通りに見事なテレマークを決めて見せた。

リーダーボードの前に立つのは丸山。
どちらが勝つかの際どい勝負にも見えたがポイントメーターは丸山を4.3pt突き抜けた。
こうして歓喜の瞬間を迎えることとなった。

伊藤有希のワールドカップでの勝利

12017.01.14札幌 HS100
22017.01.20蔵王 HS103
32017.01.21蔵王 HS103
42017.02.15平昌 HS109
52017.03.12オスロ HS134
62023.02.05ヴィリンゲン HS147

1本目で4位だった丸山は、2本目でまずはカレントリーダーとなり、続くストレイトの得点が下回った瞬間に初表彰台を決めていた。
続く高梨の得点も下回ったことで2位以上が確定。その状態で伊藤のジャンプを見守ったが、優勝したのと変わらない喜びがあったのではないか。

2021年10月の全日本選手権LHで転倒し大怪我を負って1シーズンとオリンピックを棒に振った。
WCに復帰したの今季3試合目。そうして這い上がってきた末につかんだ初の表彰台だ。

前日に今季初の表彰台となる3位だった高梨も好調を維持。2戦連続の3位となりこの偉業の1ピースをしっかりと担った。
そして、勢藤優花も10位。今季初めて全員がトップ10内でフィニッシュすることとなった。

表彰台独占という快挙の中央に伊藤有希がいることが何よりも感慨深い。
チームメートを思う気持ち、日本のスキージャンプ界を思う気持ちを誰よりも強く持ち日本女子ジャンプ界を支え続けてきた。
そうした思いと行いが報われてほしいと心から願っていたので、この勝利は今まで見てきたどの選手の勝利よりも格別のものに感じられる。