西田蓮太郎が敵なしの圧勝 二階堂蓮は非公認ヒルレコードでV
2022年2月13日(日)札幌市 宮の森ジャンプ競技場 HS100/K90

ジュニア女子組(基本ゲート1本目22、2本目24)
1 | 日野森 琥珀(小樽西陵中3年) | 178.7pt |
2 | 櫻井 羽奈(余市西中2年) | 120.3pt |
3 | 三上 琳加(積丹美国中3年) | 110.7pt |
ジュニア男子組(基本ゲート1本目16、2本目17)
1 | 西田 蓮太郎(下川中3年) | 237.6pt |
2 | 中井 來輝(余市東中2年) | 186.7pt |
3 | 三上 託摩(積丹美国中1年) | 164.7pt |
女子組(基本ゲート1本目15、2本目16)
1 | 中山 和(下川商業高校) | 209.5pt |
2 | 一戸 くる実(N高等学校) | 199.3pt |
3 | 小林 諭果(CHINTAIスキークラブ) | 183.7pt |
男子組(基本ゲート1本目8、2本目8)
1 | 二階堂 蓮(NSC札幌) | 243.8pt |
2 | 清水 礼留飛(雪印メグミルクスキー部) | 243.0pt |
3 | 岩佐 勇研(東京美装グループスキー部) | 237.0pt |
カツゲンカップは、新型コロナの影響で多くの大会が中止となった昨シーズンに、雪印メグミルクが実践の場を設けようと急遽作られた大会。
今シーズンも依然として新型コロナが猛威を振るい、男女WC札幌大会が中止になったりしたこともあってか、後からスケジュール表に組み込まれた。
ちなみにカツゲンとは、道外の方にはなじみが薄いのかもしれないが、北海道では知らない人がいない雪印メグミルクの乳酸菌飲料のこと。
五輪に出場した選手はもちろん、TV解説を務める葛西紀明、船木和喜、竹内択、五輪のテストジャンパーとして急遽現地に飛んだ茂野美咲、平山友梨香、鴨田鮎華、鈴木翔、安澤翔一、日下瑠基、負傷療養中の渡部弘晃などが欠場。
A級公認試合でないこともあってか他にも棄権した選手がチラホラとあって少し寂しい陣容となった。
この日の宮の森は、3m/sを超える強めの向かい風が吹いたかと思うと急に凪ぐ。
ジュニア組の設定があるため、この日が宮の森デビューとなった中学生も何人かいたが、なんとも難しいデビュー戦となってしまった。
ジュニア女子組は、今月2日の全中で優勝した佐藤柚月と2位の藤元彩子が不在。全中では3位だったが1月の全道大会では佐藤柚月を破って優勝していた日野森琥珀が実力どうりに力の差を見せ勝利した。
ジュニア男子組の優勝は全中覇者の西田蓮太郎。
昨年は坂野旭飛がジュリー判断で1本目に3段、2本目で5段ゲートが下がったにもかかわらず他を圧倒したが、今年は蓮太郎が2本とも3段下げても敵なしの強さを発揮した。
卒業後は旭飛のいる下川商高に進むのだろうか。それもまた楽しみでならない。
ジュニア女子組



ジュニア男子組



女子組は、ただ一人K点オーバーを飛んだ中山和が、一戸くる実との同学年対決を制し優勝。
3位の小林諭果は、この冬の全8試合ですべて表彰台に上がっている。
なお、2015年に20数年ぶりに復活した旭川ジャンプ少年団の復活後最初の団員の一人である小森野々花(下川商業高校)が宮の森デビュー。
下記のリンクは、中学生の時に朝日三望台のミディアムヒルにデビューした際の記事。
今は、下川商高で一からジャンプを学んでいるのだそうだ。
女子組



男子組は、1本目でトップに立った清水礼留飛を0.8pt差で逆転した二階堂蓮が優勝。
勝利を決めたジャンプは条件の良さもあって105.0mまで飛距離を伸ばし、2012年雪印メグミルク杯で栃本翔平が6年ぶりに更新したヒルレコードを10年ぶりに更新したかに思われた。
しかし、カツゲンカップは公認試合ではないため記録更新はならず。残念。
男子組



男子組の1本目で、条件の良さも手伝って98.0mまで伸ばし4位で折り返した小林龍尚。
社会人として初の表彰台も見えたが、2本目は伸ばせず7位。
それでも上々の成績だ。

龍尚は高校生の時に出場した2019年の国内大会で、兄でありWC総合王者である小林陵侑に勝ちそうになったことがある。
その時も舞台は宮の森。
空中で左に開くような形で身体がねじれる癖があり、そのせいで揚力も推進力もかなりロスをしているように見える。
ノーマルヒルになるとそのあたりの影響が少なくなるのだろうか。
そもそも潤志郎や陵侑よりもパワーがありそうなので、ノーマルヒルは得意なのかも。
昨年のカツゲンカップと同じく竹田歩佳さんが今年も飛型審判員を務めた。
今年のHTBカップでも運営に携わっている姿が見られたが、2018年3月の伊藤杯ファイナルをもって引退してからも、こうしてジャンプ界に関わっていらっしゃることをとてもうれしく思う。

試合終了後に、希望する選手は1~2本飛んで、それに対して雪印メグミルクのコーチ陣がアドバイスを送るという特別企画が行われた模様。
たくさんの選手たちがリフトで上がっていったけど、私は所要の為それも表彰式も見ずに退散。
200戦以上を現地で観戦してきたけれど、表彰式を見ないで帰ったのは初めてかも。
