2020/21 FISスキージャンプワールドカップ女子個人第10戦ニジニ・タギル

高梨沙羅 2位で総合首位浮上 クラマー今季4勝目

2021年3月20日(土)ニジニ・タギル(RUS)HS97/K90

12th World Cup Competition

1  マリタ・クラマー(AUT) 232.1pt
2  高梨 沙羅(クラレ) 224.1pt
3  ニカ・クリジュナル(SLO) 218.1pt
 
6  丸山 希(明治大学) 209.8pt
8  伊藤 有希(土屋ホーム) 207.4pt
19  勢藤 優花(北海道ハイテクAC) 180.4pt
   岩渕 香里(北野建設) スーツ失格

予選リザルト オフィシャル リザルト

世界選手権から2週間が過ぎ、女子ワールドカップは最終盤のBLUE BIRDツアーが開幕した。

初戦を収めたのはクラマー。
今季開幕から4戦3勝と見事なスタートダッシュを見せたが、第5戦以降の5試合では失格1試合とコロナによる欠場が2試合で、後の2試合はいずれも4位。さらには期待された世界選手権でもNH・LHともに4位。勝利はおろか表彰台にも上がれない状態が続いていた。

しかし、ここにきて再び強さを見せつけた。
2本ともトップのスコアで完勝。唯一の欠点はテレマークが決まらなかったことか。
今季4勝目。通算5勝目。総合順位を1つ上げ3位に浮上した。

2位の高梨沙羅は、1本目4位から3位のクリジュナルを逆転。
これにより、クリジュナルからイエロービブを奪取。
沙羅のイエロービブはいつ以来だろうか。

今季の沙羅を見ていると、空中でスキーが上下する場面が多いように感じられる。この試合もそうだった。
もちろん風の影響を受けてのことではあるけれど、クラマーにはそれが見られない

助走から踏切へのスムーズさ。そして完了の速さと正確さ。
2本とも空中で少しスキーが乱れたが、直線的に前にグイグイ進むので多少スキーが乱れてもそれほど影響を受けていないように見える。また、直線的な飛行曲線はランディングのし易さにも繋がっていてテレマークも難なく入る。

2020/21 FISスキージャンプワールドカップ女子個人第7戦ヒンツェンバッハ

数年かけて見直しをしてきたアプローチと踏切りが良くなったので、空中で多少乱れても飛距離を出せてはいる。
でも、最後まで空中でスキーを平行に保ち続けているクラマーに比べるとやはりロスが出ているようにも感じられる。
アンドロイドと言われ無双していたころの沙羅は、空中でこのようにスキーを乱すことはなかったように記憶しているのだが…

最終盤で大混戦の様相を呈している今季の女子WC。
沙羅自身が試合後に語ったように「少しのミスも許されない」状況だ。

ワールドカップ暫定順位

1 高梨沙羅686pt1↑
2 N.クリジュナル-151↓
3 M.クラマー-1261↑
4 S.オプセット-1591↓
5 E.クリネツ-256

WC暫定総合順位