FISスキーフライング世界選手権2018オーベルストドルフ 個人後半

タンデ 初のビッグタイトル獲得

2018年1月20日(土) オーベルストドルフ(GER)HS235/K200 

Official Results 

 ダニエル-アンドレ・タンデ(NOR)  651.9pt  212.0m  227.0m  200.0m
 カミル・ストッフ(POL)  638.6pt  230.0m  219.0m  211.5m
 リヒャルト・フライターク(GER)  627.6pt  228.0m  225.0m  190.5m
 
16  小林 陵侑(土屋ホーム)  528.4pt  207.5m  205.5m  165.5m
25  葛西 紀明(土屋ホーム)  493.6pt  218.6m  123.5m  209.0m
29  小林 潤志郎(雪印メグミルク)  408.7pt  171.5m  169.0m  165.0m

オフィシャル リザルト


 

ダニエル-アンドレ・タンデが見事に金メダルを獲得。
3rdラウンドに続き開始されたファイナルラウンドは、荒れた風向風速の為に長いシグナルレッドで全く進まず、小林潤志郎を含む3人が飛んだだけで結局キャンセル。
その瞬間に3rdラウンドを終えてトップに立っていたタンデの優勝が決まった。

 

彼が優勝を知ったのは待機していたスタートハウスの中。
まずフォルファングが抱きつき-ひょっとするとタンデは、なぜフォルファングがいきなり抱き着いてきたのか、その意味が一瞬判らなかったのかも-次に、横に座ってそれまで談笑していたフライタークと抱擁。続いてストエルネン、クラフトから祝福を受けると、彼らに背中を向け椅子に突っ伏すように顔を伏せた。
感極まって涙したのであろう。その空気を読まずに抱き起すお茶目なヴェリンガー。やがてストッフも近寄り抱擁を交わした。

 

初日を暫定トップで終えたタンデ。2位にフライターク、3位にストッフがつづく。
3rdラウンドとなるこの日の1本目ではトップを守ったものの、逆転でストッフが2位に上がってきた。タイトルの獲り方を知っている男が背後に迫る。タンデにとってはフライタークよりもずっと嫌な相手だろう。
タンデは、昨季の4HTでタイトルまであと一歩と迫りながら、最後の1本でフライト中にビンディングが外れるという悲劇に見舞われた。指先に掛かっていたゴールデンイーグルはストッフの元へ。
ファイナルラウンドを待つタンデの脳裏にはそんな記憶が蘇っていたかもしれない。
最後の1本を飛ばずにタイトルが決まって、タンデにしてみれば正直ホッとしたことだろう。

 

ノルウェーは3大会連続で2位が続いていた。(2012ヴィケルスンのベルタ、2014ハラホフのバーダル、2016バートミッテルンドルフのガングネス)
金メダルは、2006バートミッテルンドルフのヨケルソイ以来でノルウェー人としては3人目。

 

日本勢は、陵侑の初日11位は立派だし、葛西も1本目は6位で3本目は10位と全然悪くなかった。ただ、葛西は2本目、陵侑は3本目にハズレの風に当たってしまった。
潤志郎は、結局はキャンセルとなった4本目で、長いことシグナルで待たされる間にインランに異物を見つけ、スタッフにそれを除去させたシーンが唯一の印象に残る場面だったかな。まぁ、それすら直後に映ったアルトハウスとヴュルトの姿に持っていかれちゃった感があるけれど。