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2016/17 FISスキージャンプワールドカップ男子個人第24戦ビケルスン

クラフト RAW AIRを制する ストッフ7勝目 葛西2位

2017年3月19日(日) ビケルスン(NOR)HS225/K200 

30th World Cup Competition 

① カミル・ストッフ(POL) 466.6pt(238.5m 237.0m)
② 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) 448.0pt(239.5m 241.5m)
③ ミハエル・ハイベック(AUT) 430.4pt(241.5m 222.5m)

 

12 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部) 394.0pt(243.0m 220.5m)

予選不通過 竹内 択(北野建設スキー部)
予選不通過 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) 
予選不通過 作山 憲斗(北野建設スキー部)
予選不通過 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部)

 

オフィシャル リザルト

 


 

衝撃的な結末ではあった。
第9ラウンドまででトーナメント首位はヴェリンガー、6.2pt差の2位にクラフト、その67.3pt後方に3位ストッフという構図だった。

 

1本目は242.0mのヴェリンガーがトップ、2位は238.5mのストッフ、3位は237.5mのクラフト。
この時点でトーナメントは、ヴェリンガー2108.4pt、クラフト2100.2pt、ストッフ2034.3pt。
ヴェリンガーとクラフトの差は6.2ptから8.2ptに開いていた。
僅かな差ではあるが、クラフトはこの試合でヴェリンガーの上に立つことが絶対条件。

 

運命の2本目。
クラフトは、踏切直後に風にあおられたかバランスを崩した。超人的な技術で立て直し何事もなかったかのように着地したが2本目だけで見れば11位。万事休す・・・

 

続くストッフは237.0m。1本目同様に完璧すぎる着地も決めてカレントリーダーに。
この時点でストッフのRAW AIR総合優勝はなくなったが、ストッフにとっての現実的な目標はWC総合優勝に向けてクラフトとの差を詰めること。それにはまんまと成功した。

 

そして、最後のヴェリンガー。
いったい何が起こったのか。ふらふらと空中をさまよい、166.0mにすうっと落ちた。
確かに条件は悪かった。クラフトで8番までゲートを下げたが、ヴェリンガーの時は風がやんでいたのでそのまま飛ばすのは公平ではなかったかもしれない。
シュスターはこの点についてかなりお冠のようで、曰く「最終ジャンパーにはもっと時間をかけるべきだった」

 

ヴェリンガーはこの試合を18位で終え、RAW AIRのタイトルを失うばかりが、ストッフに抜かれ3位にまで落ちてしまった。
こうしてクラフトはRAW AIRの初代王者に輝いた。

 

シーズン終盤のWC総合王者争いの真っ最中に、別のタイトル争いをぶち込んできたことで、双方ともにやや焦点がぼけてしまったような気もする点がやや気になるが、RAW AIRは非常に面白いチャレンジだったと思う。
多少の改善は必要かもしれないが、また見たいと思わせてくれる魅力があった。

 

 

 RAW AIR トーナメント 総合順位         (全順位
1 シュテファン・クラフトAUT2298.1
2 カミル・ストッフPOL2272.6
3 アンドレアス・ヴェリンガーGER2251.3
4 アンドレアス・ストエルネンNOR2210.1
5 ぺテル・プレヴツSLO2180.4
6 ヨハン-アンドレ・フォルファングNOR2160.4
7 マチェイ・コットPOL2102.9
8 葛西 紀明JPN2099.0
9 ロベルト・ヨハンソンNOR2090.7
10 伊東 大貴JPN2082.2
25 竹内 択JPN1308.5
39 小林 陵侑JPN939.4
54 小林 潤志郎JPN626.9
66 作山 憲斗JPN433.6

 

 

この試合のもう一人の主役は葛西紀明。
クラフト、ヴェリンガー、アイゼンビヒラーらが脱落していく中、しっかりと240m級を2本揃えて見せた。着地も完ぺき。
2本目の241.5mは、2016年クルムのフライング選手権(こちら)で出した240.5mを1.0m更新するパーソナルベスト。
葛西の表彰台は、2016年3月ヴィスワ(こちら)以来となる1年ぶり。
44歳9か月での最年長表彰台記録とパーソナルベストの更新。いやはや凄すぎる。

 

元康氏がJスポ平昌で解説していたこと(こちら)によると、葛西は踏切でテーブルに上手く力を伝えられず後ろにずるっとスリップしてしまう現象に悩まされていて、クラウチングを浅めに組み40~50%の力で踏み切ることでこれを回避しているという。
これによりスリップ現象は防げるが、強い踏切ができないので飛距離が出ないと。
ここのところの復調を見ると、このスリップ現象が改善されたということか?
あるいは、低い踏切となってしまったことが、低い飛行曲線を生み、それが怪我の功名でここビケルスンにはマッチしていて距離を伸ばせたということか?

 

さらに伊東大貴も素晴らしかった。
1本目で243.0mを飛び、2012年ビケルスンのフライング選手権で出した240.0mのパーソナルベスト3.0mも更新。そしてこれは日本新記録。
フライト後半に下からの風で2度、3度と持ち上げられる、これぞフライング!の目の覚めるようなジャンプだった。

 

さて、ここからは一気にシーズン最終盤。
WC総合ではストッフがクラフトとの差を86ptから31ptに詰めた。
残り2戦でタンデ以下は2連勝してもクラフトには追い付けないので、総合優勝争いはクラフトとストッフに絞られた。
さて、どうなる?

 

 2016/17 ワールドカップ 総合順位       (全順位
1 シュテファン・クラフト1465 
2 カミル・ストッフ143431
3 ダニエル-アンドレ・タンデ1181253
4 アンドレアス・ヴェリンガー1001180
5 マチェイ・コット94556

※ 個人第24戦終了時点