2016/17 FISスキージャンプワールドカップ男子団体第5戦ヴィケルスン

ノルウェーが今季団体初優勝 クラフト世界記録樹立

2017年3月18日(土) ヴィケルスン(NOR)HS225/K200 

29th World Cup Competition 

① ノルウェー 1572.6pt(818.1pt 1位 754.5pt 1位)
タンデ(194.0pt 3位 150.6pt 4位)
ヨハンソン(213.9pt 1位 196.9pt 1位)
フォルファン(202.9pt 4位 189.3pt 2位)
ストエルネン(207.3pt 4位 217.7pt 3位)

 

② ポーランド 1538.6pt(817.6pt 2位 721.0pt 3位)
ジワ(199.8pt 2位 160.3pt 3位)
クバツキ(180.6pt 3位 152.0pt 4位)
コット(213.1pt 2位 190.7pt 1位)
ストッフ(224.1pt 2位 218.0pt 2位)

 

③ オーストリア 1465.4pt(779.0pt 3位 686.4pt 4位)
ハイベック(204.4pt 1位 173.2pt 1位)
フェットナー(211.2pt 2位 133.6pt 5位)
シュリーレンツァウアー(132.9pt 7位 158.7pt 5位)
クラフト(230.5pt 1位 220.9pt 1位)

 

 スロベニア 1424.0pt

 ドイツ 1305.2pt

 日 本 1241.2pt(668.1pt 5位 573.1pt 6位)
小林 陵侑(土屋ホームスキー部)(101.3pt 6位 85.3pt 8位)
竹内 択(北野建設スキー部)(167.1pt 6位 123.2pt 8位)
伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部)(208.3pt 3位 176.3pt 4位)
葛西 紀明(土屋ホームスキー部)(191.4pt 8位 188.3pt 6位)

 チェコ 1128.4pt

 スイス 1041.9pt

 

オフィシャル リザルト

 


 

以前にも書いたことがあるが(こちら)、特にシーズンも終盤に入ってくると、個人総合タイトル争いに気持ちが持っていかれちゃうので、団体戦をどういうモチベーションで観ていいのかわからない。「WCに団体戦って要らないかも?」とさえ思えてきてしまう。

 

そんな不埒な疑問に対する一つの回答がRAW AIRなのかもしれないと、このトーナメントの構想を最初に知った時から期待してはいた。
団体戦の結果も個人ランキングに反映される仕組みなので、団体戦でありながら同時に個人戦でもある。
そのことにより、今までとは違うモチベーションでシーズン終盤の団体戦を観ることができるのではないかと。

 

しかし、個人ランキングに反映されるのはあくまでもRAW AIRのランキングの話であって、WCスタンディングに反映されるわけではない。
なので、個人総合タイトル争いに気持ちが持っていかれちゃっている状況下にあっては、やはりどういうモチベーションで観ていいのかわからない。
う~ん・・・ やはり私の不埒な疑問は当分続きそう。

 

さて、試合の方は、1本目と2本目で、まるで異なる別の試合を見ているかのようだった。
強めの向かい風に対し強気のゲート設定で、これぞフライングな大ジャンプが連発したスペクタクルな1本目。
一転して強めの追い風傾向になったのに対し、ゲートを目まぐるしく変え条件を揃えようとした玄人好みの2本目。

 

ど素人の私には、圧倒的に1本目が面白かった。
ヨハンソンが252.0mで、ファンネメルの持つ251.5mの世界記録(こちら)を2年ぶりに更新。
しかし、すかさずクラフトが253.5mで更新。
着地で尻もちついたかに見え、ヨハンソンを世界記録保持者のままにしたかったのかノルウェーのジャッジだけが転倒とみなし12.0ptをつけたが、何度リプレイで見ても尻はついていないように見える。

 

ノルウェーが、昨年のプラニツァ(こちら)以来の団体戦優勝。
試合前のチーム紹介では、ストッフではなくマリシュの姿があったポーランドが2位。
前戦オスロで3年ぶりの優勝を果たしたオーストリアが3位。
日本は大貴が2本揃えて見せたし、葛西も2本目はなかなかのパフォーマンスだった。特に、二人とも着地が素晴らしい。

 

序盤の赤い風で、11人飛んだところで長い中断が入り、結局最初からやり直しとなったりもしたけれど、そんなことをすべて帳消しにしてくれるほど楽しかった。
誰だよ、団体戦をどういうモチベーションで観ていいのかわからないとか言ってたのは。

 

なお、17日の予選は、ストッフが216.9ptでトップ。ヴェリンガー、ペーター、ハイベック、アイゼンビヒラーが続いた。
クラフトは10番手の184.8ptに沈み、この時点でRAW AIRトーナメントはヴェリンガーが再びトップに。
クラフトは、トロンハイムに続き予選に失敗してヴェリンガーに首位を奪われたことになる。結局クラフトは、RAW AIRのプロローグ(予選)で一度もトップに立ったいない。
なお、日本勢は、葛西6位、大貴13位、竹内45位、陵侑50位、作山54位、潤志郎56位。

予選リザルト

 

世界記録を樹立したクラフトは差を詰め、首位ヴェリンガーとはわずかに6.2p差。
RAW AIRのタイトルはこの二人に絞られた。
次戦はいよいよ最終ラウンド。

 

 RAW AIR トーナメント 総合順位      (全順位
1  アンドレアス・ヴェリンガー 1879.5
2  シュテファン・クラフト 1873.3
3  カミル・ストッフ 1806.0
4  アンドレアス・ストエルネン 1805.7
5  ペテル・プレヴツ 1757.3

※ 第9ラウンド終了時点