ガイガーがクラフトの牙城を崩す 小林陵侑は今季初表彰台
Official Results
1 | カール・ガイガー(GER) | 274.7pt |
2 | シュテファン・クラフト(AUT) | 273.5pt |
3 | 小林 陵侑(TEAM ROY) | 270.7pt |
21 | 二階堂 蓮(日本ビールスキー部) | 215.3pt |
25 | 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部) | 203.9pt |
38 | 内藤 智文(山形県スポーツ協会) | 78.5pt |
中村 直幹(Flying Laboratory SC) | 予選57位 |
開幕4連勝のクラフトの牙城がついに崩れた。
風穴を開けたのは好調ドイツ勢にあって4番手に身を置いていたガイガー。
1本目で4位のクラフトを尻目にトップに立つと、2本目はそのクラフトの猛追を受けるも、緑のライン上の僅差の勝負で逃げ切った。
大観衆の地鳴りのような喝さいを浴びたガイガーは、2021/22ティティゼー=ノイシュタット以来となる通算14勝目。そのシーズンは4勝を挙げ小林陵侑と最終戦まで総合優勝争いを演じたが、翌2022/23は未勝利に終わっていた。
前戦までの総合7位から、クラフト、ヴェリンガーに次ぐ3位に浮上。復活のシーズンとなるか-
連勝を4で止められたとはいえ、クラフトは1本目4位から最後はガイガーを1.2pt差まで追いつめた。
表彰台は通算103回目。アホネンの持つ108回という記録にあと5回に迫った。
この記録が更新されるのを見るのに、そう多くの時間を待つことにはならないだろう。
今季予選で初戦の9位以降は4位→3位→2位と確実に1つずつ順位を上げてきていた小林陵侑は、更に1つ上げて遂に予選トップ。
そして、その勢いのまま今季初表彰台に。
今季、オーストリアとドイツ以外の選手が表彰台に立つのは陵侑が初めて。
ならば次は、その2ヵ国以外の選手で表彰台の頂点に立つ最初の選手となってもらおう。
日本勢としては、二階堂蓮が21位、小林潤志郎が25位で、表彰台の陵侑を含めて今季初めて1試合で3人の選手がポイントを獲得した。
一方、中村直幹は予選で転倒。3戦連続4度目の予選不通過となってしまい失意のうちにチームを離れた模様。心配だ。
また、開幕から5試合連続で見事に予選を突破している内藤智文。
でも1ptがなんと遠いことか。
次こそはと期待を込めて応援するのみ。
冬のコンチネンタルカップも始まった。
今週のリレハンメルと次週のルカの計4試合に、夏のGPと10月の全日本選手権の成績により選考された坂野旭飛、竹内択、佐藤慧一、池田龍生の4名が参戦する。
この4試合の成績如何によって、ジャンプ週間以降のWCへのエントリーの道が開ける。
佐藤慧一は1本目27位で2本目進出となったがスーツ違反により失格。
他の3選手は2本目に進めなかった。
12/9 FISコンチネンタルカップ第1戦リレハンメル(NOR)
伊藤義郎さんが亡くなられた。
伊藤組土建の取締役会長で、北海道商工会議所連合会会頭や札幌商工会議所会頭などを歴任するなど、北海道ではその名を知らない者がいない「北海道経済界のドン」と呼ばれた人だ。
冬季スポーツの振興にも力を注ぎ、SAJの会長やFISの副会長も務めた。
スキー界との関わりは、30歳で伊藤組土建の3代目社長となった際に、地元経済界で作る宮様大会の後援会に入ったことがきっかけらしい。
その後、海外留学の経験を活かし1972年の札幌冬季オリンピックの招致活動に尽力された。
オリンピック後はスキー界から離れる予定だったが、日の丸飛行隊の快挙を見てオリンピックでの活躍は人々を元気にすると気付きを得て翻意。
以降、競技場整備を主導し、テレビ局杯の拡充、伊藤杯の創設などスキージャンプの発展に寄与してきた。
また、移動負担の重さから欧州各国では開催に難色を示す声が多かった札幌でのワールドカップを招致し定着させることに尽力。そのために相当な私財を投入したと言われているらしい。
私たちが今こうしてスキージャンプ競技を楽しんで観戦できているのも伊藤義郎さんがあってのこと。
その数々の功績に感謝せずにはいられない。
享年96歳。謹んでお悔やみを申し上げます。