大成建設チャレンジカップ2023大倉山サマージャンプ大会

小林陵侑ヒルレコード更新の圧巻 西田蓮太郎3連勝 伊藤有希は敵なしの5連勝

2023年8月6日(日)札幌市 大倉山ジャンプ競技場 HS137/K123

女子組(基本ゲート1本目26、2本目27)

1  伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 224.5pt
2  勢藤 優花(YAMAtune) 202.0pt
3  葛西 春香(早稲田大学) 194.6pt

リザルト

少年組(基本ゲート1本目18、2本目17)

1  西田 蓮太郎(下川商業高校) 225.8pt
2  坂野 旭飛(下川商業高校) 210.3pt
3  三上 託摩(積丹美国中学校) 162.7pt

リザルト

成年組(基本ゲート1本目18、2本目17)

1  小林 陵侑(TEAM ROY) 260.3pt
2  中村 直幹(Flying Laboratory SC) 229.2pt
3  岩佐 勇研(東京美装グループスキー部) 232.8pt

リザルト 男子総合リザルト


公式練習の時からパラパラとではあるが、雨具が必要なほどの雨が降っていた。
上の方ではガスがかかり、白いモヤの中から選手が現れてくる感じ。
一時、足元に水たまりができるほどの強い雨が降ったが、ちょうどインターバルの時間だったので競技進行には影響はなかった。

この3連戦は天気が悪かった。
天気予報にも雨マークがついていて、いつ降り出すかわからない状態だった。
やれるうちにやってしまおうという思惑があったのか、3連戦ともかなりテンポよく試合が進んだ。

金曜と土曜は風が凪いでいる時間帯が多く、追い風傾向の試合だったのでそれでもよかった。
けど、この日はいつもの大倉山ほどではないにしても常に1m/s前後の向かい風が吹いていた。
風には強弱もあったが、それでも試合はテンポよく進む。

そして、その時が訪れた。
小林陵侑の1本目。ジュリー判断によりゲートは3段下げられ15番に。
それでも89.4Km/hが出ているので、0.77m/sの向かい風にはややオーバースピードだったろうか…

145.5mまで距離を伸ばし、大倉山の夏のヒルレコードを2.0m更新の大ジャンプ。
報道に「死ぬかと思った」と”笑顔を見せていた”とある通り、そんなに危険な感じのジャンプではなかったし、あとで映像を確認した陵侑自身が、もう少し飛距離を伸ばせそうな感覚があったという。

なので、運営が責められるようなものではなかったと思う。
見ていて本当に陵侑が「死ぬかと思った」のは、盛岡中央高校時の2013大倉山サマーと、2018TVh杯の試技。
特にTVhは運営が責められても仕方がなかったように思う。

女子組

1 伊藤 有希(土屋ホームスキー部)
2 勢藤 優花(YAMAtune)
3 葛西 春香(早稲田大学)
4 佐藤 柚月(札幌日大高校)
5 齋藤 優(下川商業高校)
6 日野森 琥珀(余市紅志高校)


女子でK点を超えたのは伊藤有希だけ。しかも2本揃えた。
国内開幕から無傷の5連勝。現状では敵なしの状態だ。

8月19日にサマー蔵王大会があるが、これには高梨沙羅、丸山希が参戦予定。
無敵の伊藤有希を倒せる者がいるとすればこの二人だろう。
個人的には蔵王大会の一番の注目ポイントがこれだ。

少年組

1 西田 蓮太郎(下川商業高校)
2 坂野 旭飛(下川商業高校)
3 三上 託摩(積丹美国中学校)
4 佐々木 星語(札幌日大中学校)
5 杉山 律太(下川商業高校)
6 森 恢晟(東海大付属札幌高校)

西田蓮太郎が3連勝。
男子総合でも12位で折り返した2本目で131.0mを飛び、宮の森と同様に運営にゲート変更を余儀なくさせた。
後続の大人たちの何人かはこれに苦しみ蓮太郎は4つポジションアップに成功。男子総合で8位となった。

北海道シリーズ全勝の上川小学校6年の西田蓮太郎くんがテストジャンパーを務めた。
5年前の夏に工藤漱太が注目を集めたように、蓮太郎くんもまた多くの歓声を浴びた。
全然問題なくNHを飛んでしまう。しかもそこそこの飛距離を。それもきれいな飛型で。
スゴイぞこの子!

2018年 第36回札幌市長杯宮の森サマージャンプ大会

あの時の少年が、今こうして大倉山を沸かせている。
この夏は蓮太郎の夏だった。
でも坂野旭飛が輝きを失ったわけでは決してない。旭飛の昨夏は朝日大会も加えて4連勝だった。

彼らスーパー高校生の下には、三上託摩、佐々木星語、西澤希陸ら中学生たちも控えている。
日本の未来は明るいと思える。

成年組

1 小林 陵侑(TEAM ROY)
2 中村 直幹(Flying Laboratory SC)
3 岩佐 勇研(東京美装グループスキー部)
4 佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部)
5 山元 豪(ダイチ)
6 小林 朔太郎(慶応義塾大学)

表彰式

女子組
少年組
成年組

チャレンジカップは、大倉山と宮の森の管理運営を行っている株式会社札幌振興公社の設立60周年を記念して2017年に誕生した大会。
毎年、札幌振興公社から男女優勝者には賞金が、少年組の3位までの選手には図書券が贈呈される。
今年は大会の協賛として大成建設が冠スポンサーについたが、賞金額は増えたのだろうか。

なお、大成建設の創業者は大倉財閥の設立者でもある大倉喜八郎。
秩父宮が提唱した大ジャンプ場の建設に巨額の私財を提供したのが息子の喜七郎。
これに敬意を表して、このジャンプ場を大倉シャンツェと命名したことで、建設地である標高307mの丘陵地は大倉山と呼ばれるようになった。

女子組賞金授与
少年組図書券授与
成年組賞金授与

【女子】サマー大会トップ3

大会 1位 2位 3位
サマー朝日 伊藤 有希 佐藤 柚月 日野森 琥珀
サンピラー記念 伊藤 有希 葛西 春香 佐藤 柚月
札幌市長杯NH 伊藤 有希 葛西 春香 勢藤 優花
札幌市長杯LH 伊藤 有希 勢藤 優花 葛西 春香
チャレンジ杯 伊藤 有希 勢藤 優花 葛西 春香

【少年】サマー大会トップ3

大会 1位 2位 3位
サマー朝日 坂野 旭飛 西田 蓮太郎 西澤 希陸
サンピラー記念 (渡部 弘晃) (馬淵 源) (山元 豪)
札幌市長杯NH 西田 蓮太郎 坂野 旭飛 佐々木 星語
札幌市長杯LH 西田 蓮太郎 坂野 旭飛 杉山 律太
チャレンジ杯 西田 蓮太郎 坂野 旭飛 三上 託摩

【成年】サマー大会トップ3

大会 1位 2位 3位
サマー朝日 佐藤 幸椰 清水 礼留飛 渡部 弘晃
サンピラー記念 渡部 弘晃 馬淵 源 山元 豪
札幌市長杯NH 小林 陵侑 岩佐 勇研 中村 直幹
札幌市長杯LH 中村 直幹 小林 朔太郎 佐藤 幸椰
チャレンジ杯 小林 陵侑 中村 直幹 岩佐 勇研