岩佐勇研が143mの大ジャンプで圧勝 小林諭果は逆転で今季3勝目
2022年1月29日(土)札幌市 大倉山ジャンプ競技場 HS137/K123
女子組(基本ゲート1本目31、2本目32)
1 | 小林 諭果(CHINTAIスキークラブ) | 202.5pt |
2 | 宮嶋 林湖(長野白馬高校) | 201.8pt |
3 | 葛西 春香(東海大学付属札幌高校) | 186.9pt |
男子組(基本ゲート1本目22、2本目20)
1 | 岩佐 勇研(東京美装グループスキー部) | 285.7pt |
2 | 二階堂 蓮(NSC札幌) | 261.9pt |
3 | 渡部 弘晃(東京美装グループスキー部) | 260.9pt |
4 | 清水 礼留飛(雪印メグミルクスキー部) | 259.8pt |
5 | 栃本 翔平(雪印メグミルクスキー部) | 256.5pt |
6 | 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) | 255.8pt |
今季の大倉山は、いつも通りの強めの向かい風が吹く日と、ここが大倉山であることが信じられない程に穏やかな日に極端に分かれる。
この日は後者。ただし、あくまでも “大倉山にしては” というだけであって1.0m/sぐらいの向かい風は普通に吹いている。
また、終始サラサラと乾いた雪が降り続けたためアプローチにも多少影響はあっただろうか。
よって、男子は約90km、女子は93kmを超えるような高速設定での試合となった。
この設定は、嘘のように穏やかだった1週間前のSTVカップとほぼ同じ。いや、女子はより高速に。
女子組は、小林諭果が1本目2位からの逆転優勝。
STVカップに続く連勝で今季国内6試合で3勝目。
6試合全てで表彰台に乗り続けている女子では唯一の選手だ。
2位の宮嶋林湖は高校3年生。
1本目は条件も良く127.5mまで飛距離を伸ばしトップ。
今季開幕戦の名寄ピヤシリ以来となるシニア4勝目も視野に入ったが、最後は0.7pt差の僅差で逆転を食らってしまった。
WC開幕メンバー入りを果たし、年末年始のリュブノ大会まで五輪代表入りを目指して欧州を転戦していた岩佐明香は帰国後の最初の国内大会。
1本目は3位につけたが、2本目は風に煽られて飛距離を伸ばせず最終4位。
報道によると「気持ちがコントロールできず、力が発揮できなかった」とのこと。
女子組
男子組では、1本目で大倉山では初めてという143.0mを繰り出した岩佐勇研が優勝。
HTBカップで内藤智文に、STVカップでは二階堂蓮に敗れいずれも2位。これに危機感を覚え、敢えて助走スピードの出ない宮の森に通って飛距離を出す練習に打ち込んだらしい。
特筆すべきはHSを6.0mも超えたにもかかわらずしっかりとテレマークを入れたこと。
STVカップの優勝インタビューで二階堂蓮が言っていたが、WCはもちろんCOCであってもこれができて当たり。
高校時代から常に海外を転戦しており、同世代ではだれにも負けないぐらいの海外経験を積んできた勇研。世界レベルは肌で知っているはずだ。
2年前に社会人初優勝を遂げたTVh杯での2度目の勝利は今季3勝目。
6試合全てに表彰台に乗り続けている男子では唯一の選手だ。
男子組
表彰式
高橋剛流の所属先は浅野板金。
彼は有限会社浅野板金工作所で板金職人として働きながら競技を続けている。
この会社の社長は讃良貴志さん。
2016/17シーズンをもって引退した元ジャンパー。
引退後もコーチなどを続け国内の大会でもたまにお見掛けしていたが、遂に自分のチームを作ったということらしい。
讃良さんは個人的にちょっと思い入れのある選手だったので、是非とも応援させていただきたい。
この試合もYoutubeで生配信があった。
1本目だけが生配信され、テレビ中継後に全編が配信された模様。
現地音声だけで実況も解説もつかないが、これで十分。