小林陵侑が逆転で3勝目 パイエル失意の2戦連続4位
2021年12月19日(日) エンゲルベルク(SUI)HS140/K125
10th World Cup Competition
1 | 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) | 306.0pt |
2 | カール・ガイガー(GER) | 293.8pt |
3 | マリウス・リンビーク(NOR) | 293.5pt |
22 | 中村 直幹(Flying Laboratory SC) | 251.6pt |
23 | 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部) | 248.2pt |
37 | 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部) | 113.3pt |
51 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部) | 予選落ち |
63 | 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) | 予選落ち |
前日は1本目を3位で折り返し自国での表彰台の期待がかかったが、結局は4位に終わったパイエル。
この日は予選で小林陵侑に次ぐ2位。その勢いのままに本戦1本目でトップに。
自国での表彰台どころか、初優勝を自国で遂げる可能性をぐっと引き寄せた。
でも2本目に向けて、2位陵侑との差はわずか0.2pt。3位ガイカーとの差も0.8ptしかない。
しかも、最後のジャンパーとして登場したパイエルの目前で陵侑がスーパージャンプを見せた。緑のラインが遠ざかる。
地元の大声援を受けて全身全霊をかけて挑んだであろう最後のジャンプ。
しかし、緑のラインには届かない。勝利を逃したことを知り悔しそうなしぐさを見せた。
でも、まだ表彰台の望みはある。が、無情にも前日と同じく4位。表彰台すら失ったことを知ると能面のように凍り付いた表情でトラックを後にした。
いつもカメラに向かって笑顔で手を振るパイエルが、初めて見せた表情だった。
強い追い風が吹く難しい試合だった。
2本の順位に乖離が見られる選手も目立った。
そんな中で上位4名の対応力は傑出していたように思う。
中でも小林陵侑は違いを見せつけた。
1本目は前後の順位とも僅差の2位だったが、2本目は宮平コーチも「完璧」と称したジャンプ。
最終的には2位ガイガーに12.2pt差をつけて突き放した。
今季3勝目。通算22勝。表彰台登壇回数を39回に伸ばし、船木和喜を抜いて日本歴代単独2位に浮上した。
ガイガーは前日同様、やや着地の安定を欠いているように見えたがしっかりと表彰台を確保。
1本目にあったパイエルとの3.9ptの差をひっくり返して表彰台を射止めたリンビークは、2本目の着地さえ決まればガイガーの上に立っていた。
驚きと言っては失礼だが、5位にはエフゲニー・クリモフがきた。
クリモフのトップ5以内は2018/19オーベルストドルフFHでの2位以来3シーズンぶり。
今夏のチャイコフスキーで2位になったりはしたが、サドレーフら若手の台頭もありやや精彩を欠いている感があった。これが良いきっかけとなるか。
接戦となりとても見ごたえがあったエンゲルベルクの2試合が終わった。
ここでピリオドが区切られ、束の間のクリスマス休暇を挟んでツアーはジャンプ週間に向かう。
これまでの日本チームの成績は以下の通り。
Name | Rank | Point | Best |
---|---|---|---|
小林 陵侑 | 2 | 496 | 3勝 |
中村 直幹 | 18 | 136 | 4位 |
佐藤 幸椰 | 23 | 100 | 10位 |
小林 潤志郎 | 24 | 93 | 9位 |
伊東 大貴 | 32 | 44 | 14位 |
佐藤 慧一 | 43 | 10 | 23位 |
2021/22国際主要大会参戦基準によると、次期ピリオドのWC派遣選手は、COCの次戦エンゲルベルク(12/27・12/28)の結果を待って正式に決まるものと読み取れる。
降格の可能性を残して今ピリオドを終えることとなってしまった佐藤慧一にとっては、まんじりともしないクリスマス休暇になるのかも。