クラマーがアルトハウスの追撃を振り切る 高梨沙羅 8位
2021年12月5日(日) リレハンメル(NOR)HS140/K123
4th World Cup Competition
1 | マリタ・クラマー(AUT) | 268.9pt |
2 | カタリナ・アルトハウス(GER) | 259.8pt |
3 | シリエ・オプセット(NOR) | 253.2pt |
8 | 高梨 沙羅(クラレ) | 242.4pt |
12 | 岩渕 香里(北野建設) | 199.2pt |
27 | 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) | 152.0pt |
31 | 勢藤 優花(北海道ハイテクAC) | 72.5pt |
45 | 岩佐 明香(大林組スキー部) | 予選落ち |
高梨沙羅がもがいている。
平昌五輪後から始まったゼロからの作り直しは、昨シーズンにアプローチと踏み切りをほぼ完成させた。3勝を挙げ総合2位と結果にもはっきりと表れた。
夏のGPでも1勝を挙げ、秋の国内戦も3戦全勝。あとは空中姿勢を固めるだけの状態に仕上がっていた。
ところが、開幕してみると完成させたはずのアプローチが決まらない。
重心が少し後ろにズレているようでスビートが出ない。
そのズレは踏み切りに影響し、結果として空中にも着地にも影響を及ぼす。
今シーズン最初のラージヒルであるこの試合が、それを変えるきっかけになるかとも思われた。
しかし、結果は今季ワーストの8位。
本人的にはだいぶ改善されてきたと感じているようだし、悪いなりに上位にはつけている。
それでも、結果に結びついていないだけにやはり心配だ。
勝ったクラマーは開幕戦で見せたような圧倒的な強さではなかった。
本人も少し首をかしげているような感じでもあり、まだまだ本調子とは自身も思っていないのだろう。
それでも勝ててしまう。本調子となったらすごいことになりそうだ。
むしろ完成度の高さは2位のアルトハウスに感じられた。
鋭い踏切で空中もぶれなく進む。ややバタつく感じのクラマーとは好対照。
これで3戦連続の表彰台。良い状態でクリンゲンタールに向かうこととなった。
ルンビ不在のノルウェーチームの屋台骨を支えるオプセットは、ルンビ並みに空中でバタバタしてしまった。そこはマネしなくていい。
これが10回目の表彰台。今季はクリネツが初優勝を果たしたが、次に初優勝を遂げるのはこの人であってほしい。
ところでルンビと言えば、この日は会場に姿を見せていた。
今年10月に体重管理の問題から北京五輪および今季のWC欠場を涙ながらに表明した。
長くキャリアを続けたいとは語っていたが、個人的にはスキージャンプと距離を取りたがっているようにも少し感じられた。
それだけに、こうして姿を見せてくれたことはすごくうれしかった。