ヘールがワールドカップ初優勝 グランネルは2本目に進めず
2021年12月5日(日) ヴィスワ(POL)HS134/K120
6th World Cup Competition
1 | ヤン・ヘール(AUT) | 261.9pt |
2 | マリウス・リンビーク(NOR) | 255.2pt |
3 | シュテファン・クラフト(AUT) | 253.6pt |
15 | 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部) | 233.0pt |
19 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部) | 229.8pt |
20 | 中村 直幹(Flying Laboratory SC) | 229.4pt |
23 | 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) | 222.9pt |
56 | 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部) | 予選落ち |
ヤン・ヘールがワールドカップ初優勝。
2018/19インスブルックでWCデビューを果たし、その後は強豪オーストリアのAチームに定着。しかし、ここまで表彰台は2019/20エンゲルベルクでの3位のみ。
時折大ジャンプを見せるもののどうしても2本揃えられない印象があり、今シーズンだけ見てもご覧の通り。
- 開幕戦は1本目で7位。でも2本目は29番手で結果は23位。
- 第2戦は1本目で2位。でも2本目は30番手で結果は24位。
- 第3戦は1本目で6位。でも2本目は23番手で結果は17位。
- 第4戦は予選で2位。でも本戦は上手くいかず29位。
しかし、今度は違った。
予選でトップ。1本目でトップ。2本目でトップのパーフェクトな勝利。
実は試合前の試技では転倒したらしいのだが、その影響は全く感じさせなかった。
前日の団体戦と比較して驚くほど穏やかなこの日のヴィスワ。
終始緩い追い風だったが、気まぐれな向かい風を警戒してかゲートが渋め。
1本目でK点を超えたのは僅かに5人。2本目では多少増えたが最長不倒は129.0m。
結局、誰一人として130.0mを超えることはなかった。
では面白くない試合だったかというとそうではない。
大ジャンプはなかったが逆に失敗ジャンプもなかった。
皆、測ったように緑のラインの近辺に着地する。風の影響を受けない分、選手の実力が如実に結果に表れた試合だったように思う。
それだけにヘールの勝利は価値がある。
一方で、グランネルの状態が深刻だ。
実力勝負のこの状況で、両手を回す無様なジャンプを見せ102.5mに落ちた。
結果は48位。2本目に進めなかった。予選も32位。
今季は開幕戦で3位、第2戦で優勝と好スタートを切り、てっきり昨季に続いて無双するものだと思いきや、第3戦と4戦で予選落ち。そしてこの日のこの有様。
ポーランドは、地元の観客の盛り上がりを最高潮に導くことはできなかった。
団体戦では逆転で表彰台を失い、この日の最高位はカミル・ストッフの11位。
オーストリアが団体と個人で連勝、しかも個人戦はクラフトも表彰台に上がっただけに、一層ポーランドの不振が浮き彫りになってしまったように感じられる。
日本勢では小林潤志郎が1本目で6位。
潤志郎にとってヴィスワは2017/18に勝利を飾った思い出の地。
2本目は23番手で結果は2試合連続の15位。
なんとかシングルに残ってほしかったが、でも日本チームの中にあって今一番調子が良さそうなので次に期待。
さて、個人戦は5試合が終わったが、ここまではすべて勝者が異なる。
ガイガー、グランネル、小林陵侑、ラニセク、ヘール
このうち初優勝が二人。
ガイガーがイエロービブをキープし続けているが、混沌として本命なき戦いが続いていると感じられる。
ここから抜け出して主導権を握るのは誰か―