小林陵侑 勢いそのまま 岩佐明香 逆転で連勝
2019年7月28日(日) 名寄市 名寄ビヤシリシャンツェ HS100/K90
女子組(ゲート1本目26、2本目27)
1 | 岩佐 明香(大林組スキー部) | 222.5pt |
2 | 茂野 美咲(CHINTAIスキークラブ) | 219.5pt |
3 | 勢藤 理桜(下川商業高校) | 205.5pt |
4 | 五十嵐 彩佳(札幌大学) | 198.5pt |
5 | 渡邉 陽(東海大学) | 186.0pt |
6 | 宮嶋 林湖(白馬高校) | 183.5pt |
=7 | 松橋 亜希(ドリームリンク) | 181.0pt |
=7 | 久保田 真知子(飯山高校) | 181.0pt |
男子組(ゲート1本目14、2本目14)
1 | 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) | 235.5pt |
2 | 伊藤 将充(土屋ホームスキー部) | 231.5pt |
3 | 原田 侑武(雪印メグミルクスキー部) | 229.0pt |
4 | 西森 海翔(東海大学) | 225.5pt |
5 | 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部) | 224.0pt |
6 | 渡部 弘晃(東京美装グループスキー部) | 223.0pt |
7 | 清水 礼留飛(雪印メグミルクスキー部) | 222.5pt |
8 | 山田 勇也(ガーデン鈴木) | 219.5pt |
9 | 内藤 智文(古河市スキー協会) | 219.0pt |
10 | 竹花 大松(東海大学付属札幌高校) | 215.5pt |
雨の朝日三望台での試合から一夜明けた名寄ピヤシリシャンツェ。
幸いにして雨は降らなかったが風があった。
観ている側にとっては涼しくて良かったが、向きも強さも定まらず選手たちにとっては何とも厄介。
女子組2本目は、最後の数人でやや強めの向かい風。
茂野美咲と岩佐明香がしっかりとこの風を掴んで最長不倒の94.5mまで飛距離を伸ばしたのに対し、ラストの五十嵐彩佳は危険を感じたか空中で大きく手を広げてしまった。
93.0mまで伸ばしたはいいが着地で転倒し飛型点を大きく失った。
茂野、岩佐との経験の差が出たか。
男子組はとにかく風のアタリハズレがひどい。
1本目と2本目の順位が大きく異なる選手が散見されるが、アンラッキーだった者もいればラッキーだった者もいる。
1本目で15位だったが2本目で最長不倒となる93.5mを飛び1位で、結果として5位入賞となった伊東大貴は果たして前者か、それとも後者か。
個人的にはこの日のMVPは伊東大貴だ。
今年3月のWC最終戦プラニツァにて「自分としては限界かなと思っている。所属先と話す」と引退を示唆するコメントを発したことから去就が注目されていたが現役を続行。
その初戦でいきなり好結果を出した。
もちろん、風のアタリハズレもあったので、この試合だけで今後を占うことなどできはしない。でも今季の大貴には大いに期待したい。一度引退を口にした男。失うものは何も無いはずだ。
波乱も期待された男子組だが、小林陵侑にはまさに”どこ吹く風”
「去年の勢いのままくらいの、いいジャンプができている」とのことで、風向風速の影響など微塵も感じさせず、当たり前のように表彰台の中央に上った。
その陵侑と1本目で同点1位となったのが伊藤将充。
最長不倒となった1本目に対し、2本目は飛距離を伸ばせなかったがしっかりと2位を守った。
オーストリア人のリヒャルト・シャラート新コーチは筋力強化の方針らしく、陵侑は太ももが一回り太くなったらしく、将充も一回りカラダが大きくなったような気がする。
土屋ホームとしては初戦でワンツー。シャラ―トも一安心といったところか。
女子組
① 岩佐 明香(大林組スキー部)
② 茂野 美咲(CHINTAIスキークラブ)
③ 勢藤 理桜(下川商業高校)
4 五十嵐 彩佳(札幌大学)
5 渡邉 陽(東海大学)
6 宮嶋 林湖(白馬高校)
=7 松橋 亜希(ドリームリンク)
=7 久保田 真知子(飯山高校)
男子組
① 小林 陵侑(土屋ホームスキー部)
② 伊藤 将充(土屋ホームスキー部)
③ 原田 侑武(雪印メグミルクスキー部)
4 西森 海翔(東海大学)
5 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部)
6 渡部 弘晃(東京美装グループスキー部)
7 清水 礼留飛(雪印メグミルクスキー部)
8 山田 勇也(ガーデン鈴木)
9 内藤 智文(古河市スキー協会)
10 竹花 大松(東海大学付属札幌高校)
表彰式
女子組
女子組
女子組
女子組最長不倒賞 茂野 美咲・岩佐 明香(94.5m)
男子組
男子組
男子組
男子組最長不倒賞 伊東 大貴・伊藤 将充(93.5m)
風の影響があったのかなかったのかよくわからないのが葛西紀明。
1本目は85.5mで24位。2本目は73.0mで29位。結果は28位。
7月中旬の合宿中、プラニツァLHの着地で”プチギックリ腰”を起こしてしまい、この日も痛み止めを飲んでの出場。けっして本調子ではなかったらしい。
ランディングバーン横で観戦していると、着地と同時に選手が漏らす声を聴くことは珍しいことではない。
そのほとんどが「よっしゃ-!」という喜びの声ではなく「あぁ…」という落胆の声。でも、まさか葛西紀明からそんな声が聞こえてこようとは…
WCで不調だった時代も国内戦では強かったので、少なくとも私は葛西のこんな声を聴くのは初めてだ。
金曜の札幌市長杯では2本とも、土曜のUHB杯でも1本目ではっきりと落胆の声が聞かれた。
3日目。この日はもう聞えてこない。落胆を通り越して諦めの境地か。
これ、昨年11月の記事。
今日の名寄でも葛西は2本とも着地で「うわぁぁ~」と声を上げた。
本調子ではなかったとはいえ、らしくないよね。
2本目だけ「うわぁぁ~」と声を上げたのは竹内択。
6月に北野建設から退社することが発表されたときは心底驚かされたけれど、その後すぐに自らチームを立ち上げたことにも驚かされた。
この日の2本目は68.0m。落とされたというより自ら降りた感じ。
まぁ完全に悪い風に当たっちゃったからであり、29位という成績ではあるが1本目が10位というまずまずのパフォーマンスだったことから「内容は悪くない」とサバサバした感じ。
29 竹内 択(team taku)
小林陵侑の国内戦の出場は、昨年11月のNHK杯以来のこと。
その時はまだ、WC未勝利の選手であり表彰台にすら上ったことがなかった。
その2週間後にWC初表彰台、3週間後にWC初優勝、2ヵ月後に史上3人目のジャンプ週間全勝優勝、4ヵ月後には日本人初のWC総合優勝と、次々と偉業を成し遂げることなど誰が予想できただろうか。
WC総合優勝者として最初の国内試合となったこの日、マスコミが大挙押し寄せごった返すものだとばかり思っていたら意外とそうでもなかった。
観客もいつもと同じか、むしろ少ないぐらいかも。
ちょっと拍子抜け。