2017/18 FISスキージャンプワールドカップ女子個人第7戦蔵王

ルンビ 異次元ジャンプで4連勝

2018年1月19日(金) 蔵王(JPN)HS102/K95 

10th World Cup Competition 

 マーレン・ルンビ(NOR)  260.9pt  101.5m  100.0m
 キアラ・ヘルツル(AUT)  219.3pt  94.5m  94.0m
 イリーナ・アバクモワ(RUS)  216.8pt  93.0m  93.5m
 
 高梨 沙羅(クラレ) 216.0pt 93.5m 93.0m
 伊藤 有希(土屋ホームスキー部)  214.2pt  92.0m  92.0m
 勢藤 優花(北海道ハイテクアスリートクラブ)  206.6pt  91.5m  91.0m
12  岩渕 香里(北野建設スキークラブ)  192.6pt  90.5m  86.0m
21  茂野 美咲(CHINTAIスキークラブ) 180.7pt 81.0m  88.5m
27  岩佐 明香(日本大学)  164.2pt 81.0m  82.0m
39  瀬川 芙美佳(下川商業高校)  57.1pt  75.0m  
   大井 栞(札幌日本大学高校) 予選落ち 42位  
   鴨田 鮎華(下川商業高校) 予選落ち 46位  
   小林 諭果(CHINTAIスキークラブ) 予選落ち 51位  
   御家瀬 恋(下川商業高校) 予選落ち 52位  
   丸山 希(明治大学) 予選落ち 53位  

予選リザルト
オフィシャル リザルト


 

ルンビが驚異的な異次元ジャンプで圧巻怒涛の4連勝。
100.0mを超えたのは唯一ルンビだけで、それを2本揃えた。しかも2本とも追い風を受けたのもルンビだけ。更に2本目は上位陣の中で唯一一段低いゲートが設定された。
2位ヘルツルとの差は41.6pt。距離にして20m。ここまでの大差はちょっと記憶になく、歴史的大勝と言っていい。

 

前戦札幌第2戦でついに2強の一角を崩した高梨沙羅は、ルンビに44.9pt差をつけられ4戦続いていた表彰台すら失った。
細かいミスはあったとはいえ、ここまで差がつくのはやはりショックだ。しかも、アルトハウスの不在によりルンビVS沙羅の一騎打ちが期待されたのに、まさかアバクモワ・ヘルツルの後塵を拝すことになろうとは。

 

冒頭に書いた、”驚異的”、”異次元”、”圧巻”、”怒涛” これらの言葉は今までは沙羅に対して使ってきた言葉。それが今季はルンビのための枕詞となってしまっている。
のへ氏の解説にもあったが、技術的にもマテリアル的にも揃っていて付け入るスキがない。
イラシュコをしてアンドロイドと言わしめた2015/16シーズンの高梨沙羅と同じか、マテリアルの分だけそれ以上とも思えるのが今のルンビの姿だ。

 

伊藤有希もアルトハウスの不在を活かせなかった。
今季5度目の5位。すっかり定位置になってしまった感があるが、アルトハウスのいない蔵王は久々の台乗りのチャンスでもあった。
でも、今季初めてヘルツルに上に立たれ背後にはクリネツに忍び寄られた。

 

今季初表彰台となったアバクモワとヘルツル。
個人的には最も好きな海外選手の二人が表彰台に立てたことがうれしい。2位と3位の立ち位置が逆だったのはご愛敬。
今季序盤から好調だったアバクモワに対して、ヘルツルは徐々に調子を上げており4戦連続のシングル。

 

頭一つ抜けているルンビに対し2位以下は混沌としてきた。
アバクモワ、ヘルツルに加えて、スロベニアのボガタイ、クリネツなども上位に絡んでくるようになった。
もちろんここに、アルトハウス、フォークトも絡んでくる。
五輪のメダル争いも本当に判らなくなってきた。そしてホントに面白くなってきた。
これら海外の精鋭たちに沙羅と有希が如何に挑んでいくのか。
ソチ五輪前よりもはるかにワクワクしている自分がいる。

 

日本勢では、勢藤優花が今季最高位の8位。
1本目で9位につけた岩渕香里は、2本目で沈み12位。
切れのあるサッツを見せた茂野美咲は21位。
本来の力を発揮できなかった岩佐明香は27位。
そして、瀬川芙美佳は見事予選を突破しWC初出場を果たした。