2020/21 FISスキージャンプワールドカップ男子個人第5戦ニジニ・タギル

グランネル3連勝 ノルウェーが表彰台独占

2020年12月6日(日)ニジニ・タギル(RUS)HS134/K120

6th World Cup Competition

1  ハルヴォア-エグナー・グランネル(NOR) 241.5pt
2  ロベルト・ヨハンソン(NOR) 240.7pt
3  マリウス・リンビーク(NOR) 240.6pt
 
5  佐藤 慧一(雪印メグミルク) 219.8pt
15  小林 陵侑(土屋ホーム) 202.6pt
28  小林 潤志郎(雪印メグミルク) 160.6pt
30  佐藤 幸椰(雪印メグミルク) 157.2pt
37  中村 直幹(東海大学札幌SC) 73.8pt
38  伊東 大貴(雪印メグミルク) 73.5pt

予選リザルト オフィシャル リザルト


今季は-いや、先季もそうだったけど-、ヴィスワ、ルカ、ニジニ・タギルと、風の定まらない試合が続いている。
この日も、基本は強めの向かい風ながら、強さも向きもコロコロ変わり、アタリ・ハズレは避けられなかった。

イエロービブのグランネルと共に5試合連続シングルを続けてきた佐藤幸椰も、避けようのない悪条件に当たってしまい、なんと30位。
まぁ、2本目の風などは、誰に当たってもどうしようもないような条件。運が悪かったとあきらめるしかない。

勝ったのはグランネル。
2本ともトップスコアではなかったものの、安定したパフォーマンスでチームメイトふたりに僅差で競り勝った。
これで3連勝。ここまで全戦シングルを続けている唯一の選手だ。

グランネルに敗れたとはいえ、チームメイトふたり-ヨハンソンとリンビーク-も条件次第では勝利も普通にあり得た。
表彰台を独占したノルウェーは、前日も1位と3位。この2日間で6つの席の5つを占める好調ぶりだ。

同一国の選手が表彰台を独占するのは2017/18ヴィケルスンでのノルウェー(ヨハンソン、ストエルネン、タンデ)以来のはず。
ノルウェーってチーム全体で調子が上がったり下がったりする傾向にあるように思うのだけれど、気のせいだろうか?

前日は風に泣いたアイゼンビヒラー。
この日の1本目はやや突っ込みすぎなように見えたが、2本目はトップスコアで4位に食い下がった。
総合ではグランネルに遅れること67pt差の2位。下からはヨハンソンが3位に浮上してきている。

日本勢では、佐藤慧一が自己最高位となる5位と大健闘。
1本目は10位で、初シングルを賭けて2本目に臨んだわけだが、「爆風だったので、そっちの方が気になった」とのことで、むしろ重圧や緊張を感じる余裕がなかったらしい。

この日の朝行われた検査で、フーバー、ヘール、フェットナー、ラックナーの4人に陽性反応が出てしまった為に、他の選手も含めてオーストリアはこの日の参戦を見合わせた。

オーストリアは、開幕戦後にチームに陽性者が出たために、次のルカ大会からBチームが代替出場していたが、結局そのBチームにも陽性者が出てしまったわけで、ついに壊滅状態に。
開幕戦後に自らも陽性になったアシスタントコーチが、責任取らされてクビになったという話もあるようだけど…

更には、今夏からレース・ディレクターの任に就いたサンドロ・ペルティエも陽性。
木曜日にはプラニツァでフライング世界選手権が開幕するが、アシスタントが代わりを務めることになるらしい。

さて、そのフライング世界選手権。
本来は、昨シーズンを締めくくるイベントとして3月に開催されるはずだったが、コロナの影響でキャンセルとなりこの時期に開催されることとなった。

コロナの影響が避けられない状況は続いてはいるが、開催されることをまずは喜びたい。
実は、フライング選手権は2012ヴィケルスン2014ハラホフ2016クルム2018オーベルストドルフと、4大会連続で天候により4本全部を飛べていない。
今回は、9ヵ月近く待たされたわけだし、コロナ禍の暗い雰囲気を打ち破る意味でも、好条件で4本丸ごと楽しめる試合を期待したい。

ただ、一つ不安なのは、今回のフラインク選手権は珍しくJスポで中継があるということ。
「Jスポ中継試合はキャンセルが多いの法則」が発動しなければよいが…