スキージャンプFISワールドカップ2022/23男子個人第12戦ビショフスホーヘン

グランネルが史上最高得点でジャンプ週間総合優勝

2023年1月6日(金)ビショフスホーヘン(AUT)HS142/K125

13th World Cup Competition

1  ハルヴォア-エグナー・グランネル(NOR) 313.4pt ミュラー
2  アンツェ・ラニセク(SLO) 305.5pt モアート
3  ダヴィド・クバツキ(POL) 303.7pt ハブダス
 
17  小林 陵侑(土屋ホームスキー部) 273.9pt フラ
37  二階堂 蓮(日本ビールスキー部) 121.9pt アイグナー
47  中村 直幹(Flying Laboratory SC) 115.2pt ヴェリンガー
   佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部) ブーツ失格 イエラル
   小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部) 予選敗退  
   佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) 予選敗退  

予選 マッチアップ リザルト


第71回ジャンプ週間のゴールデンイーグルはグランネルが手中に収めた。

初戦と第2戦を圧倒的な強さで連勝したグランネル。
そのままグランドスラムも達成してしまう勢いで、この時点で2位クバツキとの間には26.8ptの差が開いていた。

しかし第3戦の1本目で6位となり、1位だったクバツキとの差は一気に14ptまで縮まった。
グランドスラムはおろか総合優勝にも黄色信号が灯りかける。しかし、2本目でスーパージャンプを見せ2位に。
グランドスラムこそ逃したが、クバツキの詰め寄りを3.5ptしか許さず、23.3ptの差を持って最終戦に臨めたのは大きかった。

最終戦の1本目は2位ラニセクと1.1ptの僅差の1位で1本目を終えたが、総合2位のクバツキとは4.9pt開いた。この時点での総合差は28.2pt。
余程のことが起こらない限りはセーフティーリードといえるが、余程のことが起こってしまうのがジャンプ週間。2016/17最終戦では第3戦までトップだったタンデが最後の1本で空中でビンディングが外れるというアクシデントでタイトルを逃している。

その光景がヘッドコーチのシュトックルの脳裏をよぎったかどうかは知らないが、ラストジャンプはコーチリクエストによりゲートを1段下げた。
その状況でヒルサイズを1.5m超えてくるグランネルの凄まじさ。
しっかりとこの試合を勝利しジャンプ週間総合優勝も決めた。
文句なしのゴールデンイーグルだ。

2020/21シーズンを圧倒的な強さで総合優勝を果たしたグランネル。
しかし、これまでジャンプ週間での勝利がなかった。
今季は4戦3勝。総合1191.2ptはジャンプ週間史上最高得点だ。

総合2位はクバツキ。2019/20ジャンプ週間の総合王者だが2度目のタイトルとはならなかった。
3位はラニセク。優勝こそなかったが3度表彰台に上がった。ジャンプ週間としては初の表彰台。総合3位はこれまでの16位から大きくアップした自己最高位。

グランネルvsクバツキvsラニセクの構図だった今季のジャンプ週間。表彰台はこの3人が占め、他には初戦でジワが登壇しただけ。
そしてこれは、ほぼ今シーズンの構図そのもの。これからのシーズンもこの3人が席巻するのか。新たな選手が台頭してくるのか。

ぜひ台頭してきてほしい日本勢。ジャンプ週間は最後まで苦しかった。
昨季のジャンプ週間総合王者であり2018/19にグランドスラムを達成している小林陵侑は総合18に終わった。優勝や表彰台はおろかトップ10にも一度も入れず、第3戦では2本目にすら進めなかった。

ここにきてマテリアルで後れを取っているであろう発言がチームからも聞かれるようになった。
そんな中にあって日本勢は皆、今できる限りの精いっぱいのパフォーマンスを必死に行っていたように思う。

チームは次戦のザコバネをスキップ。帰国して調整に充てるらしい。
そして大勢のファンが待つ札幌大会に臨む。

4ヒルズ・トーナメント最終順位

1  ハルヴォア-エグナー・グランネル(NOR) 1191.2pt
2  ダヴィド・クバツキ(POL) -33.0
3  アンツェ・ラニセク(SLO) -62.2
4  ピオトル・ジワ(POL) -101.2
5  カミル・ストッフ(POL) -103.3
18  小林 陵侑(JPN) -312.1 1↑
35  中村 直幹(JPN) -656.4
47  二階堂 蓮(JPN) -896.7 5↑
50  佐藤 幸椰(JPN) -911.2 5↓
55  小林 潤志郎(JPN) -1006.5 5↓
62  佐藤 慧一(JPN) -1111.3 5↓

4HT総合順位

WC総合順位