スキージャンプFISワールドカップ2021/22女子個人第11戦ヴィリンゲン

クリジュナルが攻めた151mで今季2勝目 クストワは150mで初表彰台

2022年1月30日(日) ヴィリンゲン(GER)HS147/K130

16th World Cup Competition

1  ニカ・クリジュナル(SLO) 131.6pt
2  カタリナ・アルトハウス(GER) 126.0pt
3  アレクサンドラ・クストワ(RUS) 115.8pt
 
8  伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 85.8pt
10  岩渕 香里(北野建設) 74.6pt

オフィシャル リザルト


激震が走った。
1月29日の検査により、現在WC総合首位で五輪金メダルの最有力候補のマリタ・クラマー(AUT)にコロナ陽性反応が出てしまった。
これによりオーストリアチーム全員が濃厚接触者として30日の試合を欠場。
クラマーに症状はなく、今後の検査の結果次第では五輪に出場できる可能性を残しているが…

前日から引き続き大荒れのヴィリンケン。
スタートディレイが宣告され、試合が始まったのはなんと2時間半後。
結局この日も2本目はキャンセルとなり、1本目の結果で試合が成立した。

クリジュナルは今季2勝目。この台特有のK点を超えてからバーンを這うように低く伸びるジャンプを披露。彼女の持ち味である深い前傾での攻撃的なスタイルと相まって151.0mまで飛距離を伸ばした。
2位のアルトハウスは145.0mを飛び、いつも通りにきれいなテレマークを入れて見せた。

驚愕は3位のクストワ。
これまで、トップ10は3回のみで自己最高位は5位。この日のビブは8番。
そんな選手が150.0mの大ジャンプ。空中でかなりスキーが暴れたが、まったく怖がるそぶりも見せずに気持ちよさそうに飛距離を伸ばした。そして満面の笑顔。
自身にとってもジャンプファンにとっても、非常に印象に残る初表彰台となったのではないだろうか。

ヴィリンゲンはHS147のラージヒルとして最大級の台。女子がこの台を使うのはWC・GPを通じて初。北京五輪直前であることからスキップした選手も多く、エントリーは僅かに28人。期せずして、失格にならない限りは全員にポイントが付くボーナスステージとなった。
事実、パニエは自己最高位をそれまでの7位から6位→4位と更新したし、ヴェストマンは初のトップ10入りを果たし、翌日には7位と自己最高位を更新した。

もし、試合がキャンセルとなっていれば、それこそ骨折り損のくたびれ儲け。スキップしておけば良かったということになりかねない。
2日とも悪天候1本勝負ではあったけれど試合は成立。この台に果敢に挑んだ選手達が報われて本当に良かった。
2時間半待ってでも試合を行った運営側に、28人の選手たちに報いる気持ちがあったかかどうかは知らないが。

WC総合順位


2月1日。オーストリアスキー連盟により、クラマーの北京五輪欠場が正式に発表された。
29日の検査の後で行われた検査でも陽性反応が出てしまったという。

クラマーは昨シーズンのWCでも、最多の7勝を挙げながらもコロナ陽性の疑いにより2試合の欠場を余儀なくされ、結果的にタイトルを逃すことになってしまっている。
まさか、またもコロナにより希望を打ち砕かれることになろうとは。

自身のインスタグラムで「言葉にならない。何も感じられない。ただ虚しいだけ。この世はこんなに不公平なものなのか」「たった1日で私の夢は消えてしまった」と心境を吐露。
その嘆きはあまりに悲痛だ。