ガイガー開幕戦を制する 小林陵侑2位 中村直幹4位
2021年11月20日(土) ニジニ・タギル(RUS)HS134/K120
1st World Cup Competition
1 | カール・ガイガー(GER) | 252.4pt |
2 | 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) | 243.7pt |
3 | ハルヴォア-エグナー・グランネル(NOR) | 239.7pt |
4 | 中村 直幹(Flying Laboratory SC) | 230.2pt |
10 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部) | 213.4pt |
11 | 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部) | 209.6pt |
15 | 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部) | 201.3pt |
29 | 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) | 173.1pt |
2021/22シーズンの男子ワールドカップがニジニ・タギルで開幕した。
過去4シーズンに渡って開幕戦を担ってきたのはヴィスワだったが、この時期は降雪が少なく、人工雪が盛られたバーンは荒れがち。
それゆえ転倒も多く、2017/18には伊東大貴が引退に追い込まれるかもしれないほどの重傷を右肩に負うこととなったことも記憶に新しい。
こうした事態を回避するためかどうかは知らないが、新たに開幕の地に選ばれたニジニ・タギルはこの時期でも雪が豊富。
また、開幕戦が団体戦ではなく個人戦なのは2016/17ルカ以来5シーズンぶり。
過去15シーズン程を見ても団体戦ばかりなので個人戦での開幕は新鮮だし、WCはやはり個人タイトル争いがメインなので、むしろこの方がしっくりくる。
開幕戦を制したのはガイガー。
風が安定しない試合ではあったが、それも味方につけ力強く安定したジャンプを2本揃えた。
なお、ガイガーはシーズンを跨いでの3連勝。
2位の小林陵侑と3位のグランネルは、わずかではあるがまだ改善が必要であろう姿をみせた。
陵侑はサッツのバランスが悪いのか空中でスキーがローリングし、グランネルは見事な1本目に対して2本目では大きく踏み外したように見えた。
開幕戦では何らかのサプライズが見られることも多いが、順当と言える表彰台の顔ぶれに対し中村直幹がそれに続いたことは、やはり大きな驚きだろう。
2本とも条件が良かったが、 直幹にはこういう引きの良さが時々見られ、そしてそれをしっかりとモノにする能力があると感じられる。
陵侑と直幹だけでなく、日本勢は総じて良いパフォーマンスを見せた。
まだ、1試合しかやっていないとはいえ、ネイションズでトップに立ったことは気分が良い。
ただし、これは6分の5を巡る熾烈な五輪代表争いの幕開けでもある。
選考対象となるジャンプ週間最終戦まで、この日のような高い次元で争いが続いていくことに期待したい。
好調なスタートを見せた者たちとは裏腹に、クラフトがまさかの予選落ち。その予選でトップだったストッフが1本目で20位に沈んだ。
今日好調だった物が明日もそうだとは限らない。そういった怖ろしさも垣間見えた開幕戦。
コロナの影響も未だ残るが、無事にシーズンが進んでいくことを心から願いたい。