2020/21 FISスキージャンプワールドカップ男子個人第14戦ザコパネ

リンビーク今季初優勝 小林陵侑 今季最高の6位

2021年1月17日(日)ザコパネ(POL)HS140/K125

16th World Cup Competition

1  マリウス・リンビーク(NOR) 296.5pt
2  アンツェ・ラニセク(SLO) 294.2pt
3  ロベルト・ヨハンソン(NOR) 292.9pt
 
6  小林 陵侑(土屋ホーム) 282.4pt
7  佐藤 幸椰(雪印メグミルク) 279.8pt
18  小林 潤志郎(雪印メグミルク) 269.9pt
21  佐藤 慧一(雪印メグミルク) 266.9pt
47  岩佐 勇研(東京美装グループ) 97.4pt

予選リザルト オフィシャル リザルト


雪と風に見舞われた前日の団体戦に比べると穏やかで、この台に付き物の不条理感はなかったように思える。

ただし、1本目では46番スタート以降のラスト5人はいずれも10位以下。
彼らには不条理な何かが起こっただろうか。

  1. ガイガー 20位
  2. クバツキ 17位
  3. ストッフ 14位
  4. アイゼンビヒラー 11位
  5. グランネル 10位

ただし、これが不条理な条件のせいばかりによるものだったかというとそうでもない。
団体戦同様にグランネルは1kmほどもスビートが遅いし、ガイガーはまたも踏み外しているし、ストッフにもなんだか切れがない。
この総合上位5人の中で最終的にトップ10に入ったのは、かろうじて8位のアイザイただ一人。ストッフ(11位)とクバツキ(15位)は多少なりとも順位を上げたが、グランネル(23位)とガイガー(25位)は無残な結果に終わった。

一方で、ビブ38番から45番の選手たちが1本目で上位を占め、そのまま最終リザルトでも上位に残った。
1本目の順位と2本目の順位に乖離がないことを見れば極めて公平な試合だったように見えるが、総合上位5人に1本目の条件面で何かが起こっていたのだとしたら、彼らにとっては不条理な試合だったのかもしれない。

ただ、試合自体は135mを超えるジャンプが続発しとても楽しかった。
2本目に残った30人の計60本飛躍中でk点に届かなかったのは僅かに3本のみ。
見た目の面白さもさることながら、点差が付きにくいスリリングな展開にワクワクさせられた。

リンビークは今季初優勝。
開幕からの数戦は散々な成績で、昨年のジャンプ週間で2勝を挙げブレイクしたことがフロックだったのではないかと疑念すら持ちかけたけど、第5戦ニジニ・タギルで表彰台に立って以降は急激に復調してきた。
通算3勝目。またすぐに勝ちそうな勢いを感じる。

1本目のトップからリンビークに逆転を許したラニセク。
ヒルサイズをはるかに超える145.5mでカレントリーダーになったリンビークに対して、負けじと143.5mで応戦。
際どい勝負だったが、本人は勝利を確信したか派手に喜びを表した。しかし、あと2.3ptが足りない

着地でつんのめるように姿勢が乱れたが、あれが無かったらどうだったか。
それにしてもラニセクのこういうシーンを見るのは何度目か。
今季はインスブルックに次ぐ2度目の2位。通算5度目の表彰台。
しかし、なかなか頂点に立てない。

日本勢は、小林陵侑が今季最高位となる6位。今季はこれまで3度の7位があったが、ようやくその殻を破った。
金曜の予選でトップだった佐藤幸椰は、今季9度目のシングル順位となる7位。
なお、ともに2戦連続でシングル。

コンチネンタルカップに移った中村直幹に代わり、昨年2月以来のWC参戦となった岩佐勇研。
昨季は初の海外WC派遣としてをエンゲルベルクとルシュノフを戦い、2016/17以来2度目となる札幌大会の開催国枠にも選ばれた。

計6戦の全てで予選通過しルシュノフ以外の4戦でポイントをゲット。
しかし、初の海外遠征はいずれもAチームとの総入れ替えによるBチームとしての参戦だった。

でも今回は堂々のAチーム入り。
予選で51位となったときは慌てたがジワの失格により繰り上がり本戦出場。
47位でポイントゲットとはならなかったが次に期待。

総合順位