2020/21 FISスキージャンプワールドカップ男子団体第2戦ザコパネ

オーストリア逆転で2連勝 ポーランドは魔物に屈す

2021年1月16日(土)ザコパネ(POL)HS140/K125

15th World Cup Competition

1 オーストリア 991.2pt
ハイベック、ヘール、アシェンバルド、フーバー
2 ポーランド 982.3pt
ジワ、ストッフ、ステカラ、クバツキ
3 ノルウェー 974.8pt
タンデ、グランネル、リンビーク、ヨハンソン
 
4 スロベニア 936.9pt
5 日本 925.1pt
小林陵侑、小林潤志郎、佐藤慧一、佐藤幸椰
6 ドイツ 870.3pt
7 フィンランド 801.9pt
8 スイス 700.5pt

リザルト


大粒の雪と乱れる風。
大方の予想を裏切って地元ポーランドがオーストリアに逆転を食らってしまった。

開幕戦ヴィスワではムランカを起用したが、ここではポーランド第4の男として今季躍進中のステカラを使った。
そのステカラがこの台に時折現れる魔物に憑かれてしまった。
2本目はふらふらと空中をさまよい115.5mに落ちた。これによりオーストリアに逆転を許してしまったのだ。

最終的にオーストリアとの差は8.9pt。飛距離にして5m。
結果論ではあるが、1本目に137.0mの大ジャンプを見せたステカラではあったが、2本目はそこまでの飛距離は必要なく、K点の2~3m手前でも十分勝てていたことになる。

もっともステカラだけを責めることはできない。
ポーランドはクバツキをアンカーに置きストッフを2番手に据えた。
2巡目で大量リードを奪う作戦だったのかもしれないが、その2本目ではヘールにわずかな差ではあるが敗れてしまった。
またクバツキに至っては一度もトップを獲れず、4巡目を制したのは2本ともフーバーだった。

オーストリアはエースの腰痛で大事を取ったクラフトを欠きながらも、こうしてじりじりとポーランドの優位を崩し絶対的な制空権を渡さなかった。
その意味では見事な逆転勝利だったように思う。
オーストリアは開幕戦に続き今季2勝目。

3位のノルウェーもまた、エースのグランネルを2番手に起用した。
しかし、これが大ブレーキ。
今季、ここまでしっくりこないグランネルを見るのは初めてのような気がする。
とにかくスピードが出ず、彼だけが2本とも1km以上も遅い。大粒の雪が影響したとも考えられなくはないが、それが彼にだけ、しかも2度も起こるとはちょっと考えにくい。

日本は開幕戦と同じ5位。
1本目終了時点で3位まで3.6pt差の4位と表彰台も視野に入っていたが、佐藤幸椰がブレーキとなってしまった。
前日の予選でトップ。公式練習2本もトップ。しかし、この日はまるで別人のよう。
これもまたこの台に巣くう魔物の手によるものなのか。