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2019 FISノルディックスキー世界選手権ゼーフェルト 男子個人LH

アイゼンビヒラー 金メダルの咆哮 パイエル 歓喜の銅

2019年2月23日(土) インスブルック(AUT)HS130/K120

Men Large Hill Individual

 マルクス・アイゼンビヒラー(GER) 279.4pt 131.5m 133.5m
 カール・ガイガー(GER) 267.3pt 131.0m 130.5m
 キリアン・パイエル(SUI) 266.1pt 131.0m 129.5m
 
4 小林 陵侑(土屋ホーム) 262.0pt 135.5m 126.5m
17 小林 潤志郎(雪印メグミルク) 230.0pt 116.0m 132.0m
20 伊東 大貴(雪印メグミルク) 225.7pt 119.0m126.0m
21 佐藤 幸椰(雪印メグミルク) 221.4pt 120.0m124.0m

予選リザルト オフィシャル リザルト


 

まるで金メダリストが同時に二人誕生したかのような光景だった。
歓喜の輪が大きく二つ生じたから。
一つはマルクス・アイゼンビヒラーの周りに。もう一つはキリアン・バイエルの周りに。

 

アイゼンビヒラーは何度も何度も雄叫びを上げた。
今季WCで2位4回。常に上には小林陵侑がいた。どうしても勝てなかった。
しかし、ついに頂点に立った。それも世界選手権という大舞台で。

 

HSオーバーを2本揃えた。
2位で折り返した2本目はスタートゲートで陵侑がトップに立てなかったのを見届けた。最も高く分厚い障壁が目の前から消え去った。後は思い切り飛ぶだけ。ゆるい追い風ではあったがそれをものともせず最長不倒となる圧巻の135.5mを見せた。
同じくHSオーバーを2本揃えたチームメートのガイガーに12.1ptの差をつけリーダーボードを譲り受けると、興奮冷めやらぬ様子で最後の一人のジャンプに見入った。

 

最後の一人。
パイエルは、最終ジャンパーとしてスタートすることを「これまで経験したことがなかったから、とても特別なことだった」と試合後に振り返った。
両親が見守る中129.5mを繰り出したがto beetラインには3mほど届いていなかった。
呆然とした表情を見せるパイエル。アイゼンビヒラーを超えられないことはスタートゲート上で分かっていたであろうが、まさか表彰台までも失ってしまうのか?

 

この時3位には陵侑がいた。銅メダルは陵侑かパイエルか。両のスキーで顔を覆い恐る恐る得点を待つ。
3位だ! その瞬間パイエルは我を忘れて駆け出した。そして、自分のことのようにうれしそうなアマンらチームメートたちの祝福のタックルを見舞われ、折り重なるように倒れこみ揉みくちゃにされた。
昨夏のGPで2度表彰台に立ち総合6位となり頭角を現してきたパイエル。今季WCでも好調を維持しているとはいえ、自己最高位は7位の選手。この結果には確かに驚くが、それ以上に祝福の気持ちが勝る。

 

パイエルを1.2pt差で上回り銀メダルを獲得したガイガーは、他の二人のメダリストに比べると落ち着いた喜びを表した。
今季WCで初優勝を含む2勝を挙げており平昌五輪団体の銀メダルメンバーでもある。実績はアイザイよりも上なのだが、キャラクター的にちょっと地味で、人の良さそうな風貌が損をしてしまっているような気がする。まぁ、逆にそれが魅力なのかもしれないけれど。
この日も人のよさそうな風貌でアイザイの勝利を自分のことのように喜んだ。魅力全開ということになるのか。

 

パイエルの最後のジャンプを見届けて勝利を確信したアイゼンビヒラーは、次々と祝福に訪れる選手たちと抱擁を交わしていた。その眼には光るものがあった。
陵侑が歩み寄り抱擁を交わした。今季WCで4度してもらってきたことを初めてお返しする場面。今季の二人の戦いを見続けてきた者であればきっと言うだろう。「これが見たかった!」

 

陵侑は1本目をトップと2.6pt差の3位で折り返したところまでは、金メダルへ向けて何ら不安のない展開だった。
ところが2本目で狂いが生じた。踏切の膝の角度が156度と表示されたが、これはタイミングがかなり早いことを示している。
ジャンプ週間でここインスブルックを飛んだ時に神懸かっているかのような完璧さを見てしまっているだけに、その再現がならなかったことは残念ではある。

 

少しおセンチになっていたアイザイは表彰台でまたも咆哮した。そして自らガイガーとパイエルを自分の台に招き上げた。
ここにはストッフもクラフトも陵侑もいない。ても、この3人でホントに良かったと思える。心から祝福したくなる3人だ。

 

個人的に今一つ試合に入り込めないでいたのだが、2本目ラスト4人で一気に引きずり込まれた。
アイザイはホントに勝てて良かった。パイエルもホントに良かった。
この二人の歓喜の姿に何故だか泣けて泣けてしょうがなかった。
素晴らしい戦いをありがとう。

 


 

 世界選手権 男子個人LH 歴代メダリスト
 
2007シモン・アマンハリ・オリロアル・ヨケルソイ
2009アンドレアス・キュッテルマルティン・シュミットアンデシュ・ヤコブセン
2011グレゴア・シュリーレンツァウアートーマス・モルゲンシュテルンシモン・アマン
2013カミル・ストッフぺテル・プレヴツアンデシュ・ヤコブセン
2015セヴェリン・フロイントグレゴア・シュリーレンツァウアールネ・ベルタ
2017シュテファン・クラフトアンドレアス・ヴェリンガーピオトル・ジラ
2019マルクス・アイゼンビヒラーカール・ガイガーキリアン・パイエル

 

 

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