2017 FISノルディックスキー世界選手権ラハティ 男子個人LH

クラフト歓喜の絶叫 史上5人目の2冠達成

2017年3月2日(木) ラハティ(FIN)HS130/K116 

Men Large Hill Individual 

金 シュテファン・クラフト(AUT) 279.3pt(127.5m 127.5m)
銀 アンドレアス・ヴェリンガー(GER) 278.0pt(127.5m 129.0m)
銅 ピオトル・ジワ(POL) 276.7pt(127.5m 131.0m)

 

15 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部) 248.7pt(122.0m 120.0m) 
17 竹内 択(北野建設スキー部) 244.8pt(122.0m 121.0m)

32 葛西 紀明(土屋ホームスキー部)  108.1pt(114.0m)
50 作山 憲斗(北野建設スキー部) 81.9pt(102.0m) 

 

オフィシャル リザルト

 


 

これまたしびれる試合だった。
NHもしびれる面白さだったけれど、この試合も面白い。
軸となったのはNHと同じくやはりクラフトvsヴェリンガーだったが、そこにジワとストエルネンが絶妙に絡んできたことが、NHとは違った混戦模様を生み面白さを増してくれた。

 

世界選手権の一大会でNHとLHの両方を制したのは、2003年大会のアダム・マリシュ以来7大会ぶりで、クラフトが歴代5人目。
クラフトはこの二つの勝利を、いずれも圧勝ではなく僅差で逃げ切って手に入れた。
圧勝劇ではなかったことは、決してこの勝利の価値を下げるものではない。
ヴェリンガーをはじめとした好敵手を得て、彼らに競り勝ったことがむしろこの二つの勝利の価値を高めているような気がする。

 

この日メダリストとなったクラフト、ヴェリンガー、ジワ。
3人は奇しくも1本目で同じく127.5mを飛んだ。
最終的に3人はわずか2.6ポイントの間にひしめき合った。4位のストエルネンを加えても3.2ポイント差。
ノーマルヒル並みのこの僅差は、この台の特性と比較的イコールだった条件と選手のレベルの高さが入り混じったことの相乗効果。

 

またも金に届かなかったヴェリンガーは試合後に、2本目の飛型点がクラフトに2点の差がついたことに多少不満の色を見せたようだけれど、確かにこれが勝敗を分けたと言ってもいい。
まぁ、私にはヴェリンガーの55.5ptもクラフトの57.5ptも妥当な点に見えたけれどね。

 

日本勢では、伊東大貴の15位が最高位。葛西は2本目に進めなかった。
やはり葛西のあの助走姿勢では厳しいだろうなぁ。
札幌と平昌の時よりは多少クラウチングが深くなったようにも見えるけど、それでもまだ腰高な感じにみえる。

 

 

 世界選手権 男子個人LH 歴代メダリスト
 
2007 シモン・アマン ハリ・オリ ロアル・ヨケルソイ
2009 アンドレアス・キュッテル マルティン・シュミット アンデシュ・ヤコブセン
2011 グレゴア・シュリーレンツァウアー トーマス・モルゲンシュテルン シモン・アマン
2013 カミル・ストッフ ぺテル・プレヴツ アンデシュ・ヤコブセン
2015 セヴェリン・フロイント グレゴア・シュリーレンツァウアー ルネ・ベルタ