ジャンプ週間第3戦 タンデ連勝、僅差のストッフと最終戦へ
2017年1月4日(水) インスブルック(AUT)HS130/K120
11th World Cup Competition
① ダニエル-アンドレ・タンデ(NOR) 125.7pt(128.5m)⇔コルニロフ
② ロベルト・ヨハンソン(NOR) 123.1pt(133.0m)⇔葛西
③ エフゲニー・クリモフ(RUS) 119.1pt(127.0m)⇔グランネル
10 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) 114.3pt(125.5m)⇔ヨハンソン
31 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部) 99.3pt(114.5m)⇔ドメン・プレヴツ
45 竹内 択(北野建設スキー部) 83.8pt(105.0m)⇔アイゼンビヒラー
予選不通過 小林 陵侑(土屋ホームスキー部)
予選不通過 作山 憲斗(北野建設スキー部)
最高のコンディションで開催されたドイツでの2戦の後には、最悪のコンディションでのオーストリアの初戦が待っていた。
でたらめな風が吹き荒れ、レッドも頻発。
1時間半かけてなんとか1本目を成立させ、2本目はキャンセルとなった。
ほとんどの選手がまともなパフォーマンスを発揮できない中で、そしてWFによる補正に適正が求められないような条件下で、わずかに散らばっていた幸運がごく少数の選手にのみもたらされた。
最も大きな幸運を手にしたのはヨハンソン。
スタートナンバー3番の彼は強い向かい風を受け最長不倒となるヒルサイズオーバーの133.0m。42番目のタンデに抜かれるまでトップに君臨し続けた。
数値上は大きな向かい風ではあったけれど、空中では右腕で必死にバランスをとっている様子がうかがえ、四方から風を受けていたであろう中でうまく飛んだと思う。
今まで13位が最高位だったヨハンソンにとっては初の表彰台。
3位クリモフも幸運を得た一人と言っていいだろうね。
今季は10戦中8戦でポイント獲得し総合15位。
ここまでの最高位は12位なれど、いつトップ10入りしてもおかしくないとは思っていけど、まさか表彰台とは。
ロシア勢にとっては、2011年ガルミッシューパルテンキルヘン以来6年ぶりとなる表彰台。
ジャンプ週間のリーダーとしてオーストリアに乗り込んだストッフはまたも予選回避。
そして、本戦直前のトライアルで転倒して左肩を強打。
着地の瞬間に左足のビンディングが外れているように見えるので、技術的な問題ではなくマテリアルの問題だったのかも。
なんとか出場できて4位に入ったのはさすがだけと、4HTリーダーの座をタンデに奪われてしまった。
そのタンデは2連勝で4HT総合3位からトップに躍り出た。
2位ストッフの差は1.7pt。飛距離にして1mの差。
これは極上の最終戦が期待できそう。
ちなみに、タンデはWC総合でもドメン・プレヴツを抜いてトップに立った。
一方、同部屋のハイベックが風邪にかかり、自身も風邪がうつり本調子ではなかったクラフトは18位に沈んでしまった。
4HT総合で一つ順位を落とし3位に。
リーダーのタンデとは16.6pt差。飛距離にして9mの差。
これはちょっと・・・
4HT総合順位(第3戦終了時点) | ||||
Rank | Name | Pt | ||
1 | ダニエル-アンドレ・タンデ | 710.3 | 2↑ | |
2 | カミル・ストッフ | 708.6 | 1.7 | 1↓ |
3 | シュテファン・クラフト | 693.7 | 16.6 | 1↓ |
4 | ピオトル・ジワ | 686.7 | 23.6 | 1↑ |
5 | マニュエル・フェットナー | 671.1 | 39.2 | 2↑ |
最後に葛西紀明。
ヨハンソンの次に飛び、幸運のおこぼれをいただいた感じの比較的良い条件で飛び、ラッキールーザーながら今季初のトップ10入り。
葛西はこの試合がジャンプ週間100試合目。
試合後にセレモニーが行われたけど、そういう試合で結果を出すあたりはさすがに千両役者。
葛西の4HT初出場は89/90シーズンの4戦で、ちなみにその時は26位-15位-16位-30位だったみたい。
4HTは年4試合しかないから100試合出場達成には少なくとも25年はかかることになる。
葛西がこの記録達成に費やした月日は足掛け29年。
すごいなぁ。