ストッフ盤石の3連勝 フライタークは転倒で万事休す
2018年1月4日(木) インスブルック(AUT)HS130/K120
13th World Cup Competition
1 | カミル・ストッフ(POL) | 270.1pt | 130.0m | 128.5m | vsシッフナー |
2 | ダニエル-アンドレ・タンデ(NOR) | 255.6pt | 129.5m | 125.0m | vsラックナー |
3 | アンドレアス・ヴェリンガー(GER) | 253.5pt | 133.0m | 126.0m | vs小林陵 |
6 | 小林 潤志郎(雪印メグミルク) | 239.4pt | 123.0m | 121.5m | vsデシュバンデン |
18 | 葛西 紀明(土屋ホーム) | 220.1pt | 125.0m | 112.5m | vsコット |
21 | 竹内 択(北野建設) | 215.1pt | 113.5m | 118.0m | vsフーバー |
31 | 小林 陵侑(土屋ホーム) | 110.9pt | 119.0m | vsヴェリンガー | |
作山 憲斗(北野建設) | 予選落ち | 57位 |
恨むべきは雨か、それとも…
ドイツでの2戦を終え、11.8pt差の2位につけていたリヒャルト・フライターク。
2連勝でトップに立つストッフとは距離にして6.5m差。仮に残り4本で1.5mずつ詰めてもまだ追いつけないわけで、今のストッフに対しては厳しい差であることには間違いない。
その差を埋めるべく見事なサッツで飛び出したフライタークの1本目。
今季ここまで見せてきたライバルたちよりも一段高いフライトでグングンと飛距離を伸ばし130.0mに着地。
と思いきや、テールが交差しバランスを崩すとそのまま前のめりに派手に転倒。
雨が降り続けランディングバーンがかなり荒れていたのだろう。
事実、続くストッフも着地でバーンに足を取られた。
ただ、後に飛んだ分ストッフに有利に働いた。フライタークの転倒を見てかコーチリクエストでゲートを1段下げた。予選で0.4pt差で1つ上に立てたことがここで活きた。
さらに、このリクエストはホルンガッハーからの“無理をするな”というメッセージのようにも思えた。逆転に向けて無理をしなければいけなかったフライタークに対して、ポーランド陣営の冷静さが際立った。
ストッフはジャンプ週間3連勝。これでグランドスラムに王手をかけた。
フライタークは33.0ptの飛型点ながらもKOラウンドを勝ち抜けてはいた。
でも膝に痛みがあったようで2本目は棄権。差は36.2ptにまで開いており戦える精神状態になかったのかもしれない。実際、転倒後の救護班に対する態度にも明らかにイラついている様子が見られたし。
でも、昨季のタンデとは違ってフライタークの場合は自身のミスだと思うので、恨むべきは自分自身なのかも。
失意を味わった男がもう一人。
シュテファン・クラフトはKOラウンドに勝ちはしたものの、23位という結果に対戦相手との握手もそこそこに憮然とした表情。直後にスタンドで発煙筒が焚かれる画が流れたけど、ふがいない姿に対する地元ファンの抗議だったのか?
オーストリアはハイベックの10位が最高位。2本目に残ったのは29位のライトナーを合わせて3人だけで、8人がKOされた。
一方ドイツは、バットマンのようなヘルメットのヴェリンガー、アイゼンビヒラー、シュミットをはじめ6人が2本目に進み、KOされたのはパシュケのみ。
観客も少ないし、今一つ会場の盛り上がりにも欠けるし、ドイツの放送がいろいろとカメラワークに工夫を凝らしていたのに比べるとこちらは平常放送。
予選1位の小林潤志郎は表彰台争いには絡めなかったけれどまたもシングル。
ジャンプ週間総合3位に浮上。2位ヴェリンガーとの差は僅か3.0ptだけど、16.0pt差の4位タンデが不気味。
さて、最終戦の最大の注目はストッフのグランドスラム。
3連勝で完全優勝に王手をかけたのは1971/72笠谷幸生(国内の五輪選考試合を優先して第4戦を欠場)、1997/98船木和喜らに続く9人目。
実際に4連勝を達成したのは65回の歴史の中で2001/02スヴェン・ハンナバルトのみ。
ストッフ曰く「今すべきことは4連勝を狙うことではなくて自分のジャンプに集中すること」
4ヒルズ・トーナメント 総合順位 | ||||||
Rank | Name | Nation | Total | 1 | 2 | 3 |
1 | カミル・ストッフ | POL | 833.2 | 279.7 | 283.4 | 270.1 |
1 | 1 | 1 | ||||
2 | アンドレアス・ヴェリンガー | GER | 768.7 | 254.0 | 261.2 | 253.5 |
10 | 11 | 3 | ||||
3 | 小林 潤志郎 | JPN | 765.7 | 257.1 | 269.2 | 239.4 |
6 | 4 | 6 | ||||
4 | ダニエル-アンドレ・タンデ | NOR | 749.7 | 237.7 | 256.4 | 255.6 |
20 | 15 | 2 | ||||
4 | ダヴィド・クバツキ | POL | 749.7 | 270.1 | 260.7 | 218.9 |
3 | 12 | 20 |