ストッフがハイレベルな戦いを制する 伊東大貴8位
2017年2月12日(日) 札幌(JPN)HS137/K123
22nd World Cup Competition
① カミル・ストッフ(POL) 262.7pt(137.5m 140.0m)
② アンドレアス・ヴェリンガー(GER) 255.3pt(140.5m 132.0m)
③ シュテファン・クラフト(AUT) 249.6pt(132.0m 144.0m)
8 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部) 216.7pt(128.0m 128.0m)
13 竹内 択(北野建設スキー部) 205.0pt(127.0m 124.0m)
17 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部) 189.0pt(131.0m 110.0m)
31 作山 憲斗(北野建設スキー部) 84.5pt(116.5m)
37 岩佐 勇研(札幌日本大学高校) 79.0pt(114.0m)
46 中村 直幹(東海大学) 54.1pt(99.5m)
50 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) 5.2pt(81.0m)
予選不通過 佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部)
予選不通過 小林 陵侑(土屋ホームスキー部)
予選不通過 伊藤 謙司郎(雪印メグミルクスキー部)
予選不通過 伊藤 将充(土屋ホームスキー部)
1本目2本目ともに基本ゲートは前日より1段低い9番というかなり低めの設定。
前日のWFによる補正の最小は-0.4pt(ごく弱めの向かい風)、最大で-23.3pt(かなり強めの向かい風)だったのに対して、この日は最小+1.2pt(ごく弱めの追い風)、最大-25.9pt(かなり強めの向かい風)
実際は、相当巻いているようで、風車も吹き流しもぐるぐると向きを変えるのに忙しい。
いずれにしても、前日以上に難しい条件での試合となった。
土曜日 | 日曜日 | |||
1st | 2nd | 1st | 2nd | |
2011 | 12 | 12 | 8 | 9 |
2012 | 8 | 8 | 8 | 11 |
2013 | 14 | 14 | 17 | 17 |
2014 | 19 | 19 | 16 | 15 |
2015 | 16 | 15 | 16 | 12 |
2016 | 15 | 16 | 8 | 7 |
2017 | 10 | 10 | 9 | 9 |
表はWF/GFが採用された2011年以降の札幌大会の基本ゲート。
こうして見ると、やはり夜(土曜)の方が、向かい風は収まる傾向にあるようだ。
今年は2試合とも一切ゲート変更を行わずに試合は進んだけれど、ここでは変更し始めると切りがないので、アタリはずれの補正はWFだけに任せた運営の判断は良かったと思う。
それでも結局強いやつらはどんな条件でも結果を出す。
前日18位に終わったストッフは、完璧ともいえるジャンプを2本揃えて今季6勝目。
元々テレマークの上手な選手だけれど、2本ともオール19点台を出した鬼気迫るランディングには惚れ惚れする。
さらには、予選で144.0mを飛びWCヒルレコードを更新したコット、2本目にそれに並んだクラフト、140mオーバーで魅せたヴェリンガーとタンデ、HSオーバーのプレヴツには圧倒されて言葉も出ないって感じ。
いや~ホント、今年もまた凄まじいものを見させてもらって、心の底から堪能できた。
こんな異次元のトップ6に迫った伊東大貴も素晴らしかったと思う。
本人も言っている通り、表彰台を狙うならあと10m飛距離が必要なんだけれど、国内調整を決意したザコパネまでの14戦で6戦も2本目進出が叶わなかった状態からよくぞここまで立て直してきたと思う。
① カミル・ストッフ(POL)
② アンドレアス・ヴェリンガー(GER)
③ シュテファン・クラフト(AUT)
4 マチェイ・コット(POL)
5 ダニエル-アンドレ・タンデ(NOR)
6 ぺテル・プレヴツ(SLO)
7 ロベルト・ヨハンソン(NOR)
8 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部)
9 マルクス・アイゼンビヒラー(GER)
10 ヴァンサン・デコム‐セヴォア(FRA)
13 竹内 択(北野建設スキー部)
17 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部)
31 作山 憲斗(北野建設スキー部)
37 岩佐 勇研(札幌日本大学高校)
46 中村 直幹(東海大学)
50 葛西 紀明(土屋ホームスキー部)
葛西のこの写真を載せるかどうかは最後まで悩んだけれど載せることにした。
これが事実だしね。
確かに強烈な横風に当たったんだとは思う。
でも、映像を見ると、なんだかアプローチからしておかしくないかい?
滑りだしてすぐに、しっくりこなかったのか重心を乗せ換えるような動きがあったように見えたんだけど・・・
で、そのままうまくスキーに乗れず腰高のまま踏切り。当然遅れるし弱い。
弱くおかしなバランスで飛び出してしまったところに横風が当たる。
いつも通りのサッツであれば、いなすことができた横風も、こんな弱くバランスを失った状態では成す術なし。
素人目にはそんな風に見えた。
この日もっとも感銘を受けたのはストエルネン。
低い軌道で、そのまま100mより手前で落ちると思いきや、重力に抗いながら粘って粘って130mまで持ってくる。
軽飛行機のようなドメン・プレヴツの滑空とは全く違う重爆撃機のようなエネルギッシュさがそこにあった。
あまりいないタイプの選手なのでもっと活躍してほしいなぁ。昨シーズン、好調ノルウェー勢の中で勝利に届かなかったことが悔やまれるね。
5年前のコンチ(こちら)で見た時の、あの頼りなさげな兄ちゃんからは想像できないようなワイルドな風貌となったストエルネンをはじめとして、遠い遠いSapporoまではるばるやってきてくれた選手たちに敬意を表し、下手な写真ではありますが好きな選手を中心にピックアップしてみました。
11 アンドレアス・ストエルネン(NOR)
12 ピオトル・ジワ(POL)
14 シモン・アマン(SUI)
15 マニュエル・フェットナー(AUT)
16 カール・ガイガー(GER)
20 ドメン・プレヴツ(SLO)
30 ヤクブ・ヤンダ(CZE)
35 ダヴィド・クバツキ(POL)
39 ヤン・ジオブロ(POL)
42 エフゲニー・クリモフ(RUS)
43 トーマス・ヴァンクラ(CZE)
今年は、スロベニアの応援団、ポーランドの応援団、ノルウェーの3人組などのおかげもあって、非常に盛り上がった。
やっぱり、本場の応援団は盛り上げ上手だね。
コンバインドWCと重なったことで、両方見たい人にとっては一気に観れるまたとないチャンスだった。
そのことが動員の後押しとなっただろうし、「さっぽろ雪まつり」とぶつかったことでいつも以上に観光客も多かったのかな。
それでもまだ観客は全然少ないけどね。
カミル・ストッフの笑顔を見ているとアイルトン・セナが想い出されるなぁ。