アルトハウスが歓喜の初金メダル 伊藤有希6位、丸山希8位
2023年2月23日(木)プラニツァ(SLO)HS102/K95
Women Normal Hill Individual
金 | カタリナ・アルトハウス(GER) | 249.1pt |
銀 | エバ・ピンケルニッヒ(AUT) | 246.9pt |
銅 | アンナ-オディヌ・ストローム(NOR) | 246.0pt |
6 | 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) | 229.3pt |
8 | 丸山 希(北野建設SC) | 227.0pt |
20 | 高梨 沙羅(クラレ) | 210.9pt |
27 | 勢藤 優花(YAMAtune) | 201.4pt |
これまで何度も2位となっているが頂点に届いたことがなかったアルトハウスが初の金メダルに輝いた。
1本目2位からの逆転。勝利が決まると喜びで泣き崩れた。
2018平昌オリンピック NH | 銀 | 金-ルンビ |
2017/18ワールドカップ | 総合2位 | 総合優勝-ルンビ |
2019ゼーフェルト世界選手権 NH | 銀 | 金-ルンビ |
2018/19ワールドカップ | 総合2位 | 総合優勝-ルンビ |
2022北京オリンピック NH | 銀 | 金-ボガタイ |
追い風に手こずりなかなかK点を越えられない印象があった序盤。
それでもさすがに上位陣はK点を超えてくる。ストロームが100.0mを飛びトップに。それをアルトハウス、ピンケルニッヒ、フライターク、ビョルセットが追う展開。伊藤有希も6位につけた。
ただ、ストロームとアルトハウスは4.7ptの差があり、追い風であまり飛距離が出ない状況にあっては決して小さくない差に思えた。
2本目。
追い風が弱まりビョルセット、フライタークがメダルに向けて猛追を見せる。
ピンケルニッヒは数値上の向かい風を受けて100.0mを飛びトップに。まずはメダルを確定させ何度も何度も咆哮を響かせた。
続くアルトハウスは97.0mでピンケルニッヒを2.2pt上回り2位以上が確定。ラストのストロームを待つ。
今度も2位か、それとも初の栄冠かー
ストロームはさすがに緊張が勝ってしまっただろうか。決して悪いジャンプではなかったと思うけど、着地にバランスを欠き飛型点を大きく削られてしまった。
逆転を許し3位に。この瞬間にアルトハウスの金メダルが決まった。
終わってみればワールドカップ総合上位3名が実力通りにメダルを獲得。大きな番狂わせは起こらなかった。
とはいえ、なかなかにスリリングな好ゲームだったと思うし、何よりも感情を爆発させたアルトハウスやピンケルニッヒ、19位に終わり失意の涙を見せた前回金のクリネツらの姿に、この試合がいかに大きなものを賭けた戦いであるのかを改めて思い知らされたように思う。
日本勢は伊藤有希が2本目は伸ばせなかったものの6位を守り、丸山希は2019ゼーフェルトの17位、2021オーベルストドルフの18位から大きくジャンプアップしての8位と共に好成績をあげた。
対照的に高梨沙羅と勢藤優花はあまりうまくいかなかった。
特に高梨は、これまでオリンピックと世界選手権を通じてワーストは6位だっただけに、この順位はやはり衝撃的ではある。
でも幸いにしてまだ3つの種目が残っている。巻き返しに期待したい。
ところで、これまでアルトハウスの頂点獲りの妨げとなっていたマーレン・ルンビ。
今季はここまで8試合しか出場がなく最上位は12位。この世界選手権に焦点を絞っての満を持しての登場だったが見事に7位。この調整力は素晴らしい。
女子個人ノーマルヒル歴代メダリスト
金 | 銀 | 銅 | |
2009 | L.バン | U.グレッスラー | A.サーゲン |
2011 | D.イラシュコ | E.ルンガルディエール | C.マテル |
2013 | S.ヘンドリクソン | 高梨 沙羅 | J.ザイフリーズベルガー |
2015 | C.フォークト | 伊藤 有希 | D.イラシュコ-シュトルツ |
2017 | C.フォークト | 伊藤 有希 | 高梨 沙羅 |
2019 | M.ルンビ | K.アルトハウス | D.イラシュコ-シュトルツ |
2021 | E.クリネツ | M.ルンビ | 高梨 沙羅 |
NEW | K.アルトハウス | E.ピンケルニッヒ | A-O.ストローム |