RAW AIRが無観客で開幕 ノルウェー圧勝 日本は5位
2020年3月7日(土)オスロ(NOR)HS134/K120
32nd World Cup Competition
1 | ノルウェー | 997.4pt | ||
フォルファン、ヨハンソン、タンデ、リンビーク | ||||
2 | ドイツ | 960.9pt | ||
シュミット、パシュケ、ライエ、ガイガー | ||||
3 | スロベニア | 954.2pt | ||
イエラル、ザイツ、ラニセク、プレヴツ | ||||
4 | ポーランド | |||
5 | 日本 | 947.0pt | ||
佐藤慧一、小林潤志郎、佐藤幸椰、小林陵侑 | ||||
6 | オーストリア | |||
7 | スイス | |||
8 | ロシア |
4年目を迎えるRAW AIRが開幕。
過酷な10日間の戦いは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大のあおりを受けて無観客試合としてスタートすることとなった。
その第1ラウンドとなるオスロ予選は、2週間前のルシュノフで初表彰台を射止めたばかりのコンスタンティン・シュミットがトップ。
0.2pt差の2位には前戦で突如表彰台に返り咲いたミハエル・ハイベック。
その0.3pt差の3位に、今季20戦を過ぎてからAチーム入りした伸長著しいジガ・イエラル。
波乱を予感させる今季のRAW AIR。
シュトックルは団体戦のメンバー構成を割と固定しない。
今季ここまでの団体戦4試合で4番手を務めたのは、1戦目(2位)、2戦目(4位)こそヨハンソンだったが、3戦目(2位)はフォルファン、4戦目(4位)はタンデだった。
それをこの試合で初めて4番手にリンビークを起用。そしてフォルファンを1番手に起用したのも今季初めて。この二人が効いた。
結果はノルウェーの圧勝。
自国の観客と一緒に勝利を祝えなくてホントに残念だろう。
なお、ノルウェーの団体戦優勝は昨季のオスロ以来となる丸1年ぶり。
優勝候補の筆頭と目されていたオーストリアは、1番手のハイベックが同巡でただ一人追い風に当たってしまい大きく出遅れてしまった。
ただ、このくらいの借金を背負っても完済するに十分なメンツが揃っているはずなのに差は広がるばかり。
最後にクラフトが一矢報いたけれど、おそらくこの時点でクラフトの頭にはこの日の結果よりもRAW AIR総合のことしかなかったのではないか。飛び終えて一瞬ガッツポーズが出かけたけどすぐに思いとどまったようにも見え、喜んでいいのかどうか微妙な雰囲気だった。
もう一人微妙に見えたのがガイガー。
彼の2本目は同巡で6位の決していいジャンプではなかったが、それでもその時点で2位以上を決めたジャンプでもあった。ガイガーが飛ぶ前からノルウェーを逆転することはさすがに難しいことはわかっていたはずなので、2位を決めるジャンプができたことはこの時できる最良の結果だったはず。
でも、ガイガーは悔しさを隠そうともせず、笑顔で出迎えたチームメートもちょっとどうしてよいのかわからないような様子に見えた。
ガイガーの頭の中にも、RAW AIR総合のことしかなかったのではないか。
小林陵侑が2本目で見せたガッツポーズもそんな感じに見えた。
RAW AIR総合で6位ながらトップとの差は7.0pt。全然余裕でトップ争いの集団の中にいる。
陵侑のガッツポーズはこれに対するもののように思えた。
ちなみにクラフトはトップと3.4pt差の4位。ガイガーは17.1pt差の12位。前述のようなリアクションになったのはこれに対してであって、やはり団体戦の結果に対するものではないと思えてしまう。
それがいいのか悪いのか。
RAW AIRのタイトルは団体戦の成績も含めて争われるので、団体戦を戦う選手たちは同時に個人戦を戦っているので、このように微妙な場面が時に垣間見える。
個人的にはRAW AIRは素直にすべて個人戦で競わせた方がすっきりするような気がする。
というか、そもそもWCに団体戦は要らないというのが私の持論。特にシーズン終盤のオーバーオール争いの中での団体戦は、どういうモチベーションで見ていいのかホントにわからない。
RAW AIRトーナメント総合順位 第2ラウンド終了時点 | ||
---|---|---|
1 | コンスタンティン・シュミット(GER) | 380.4 |
2 | マリウス・リンビーク(NOR) | 379.5 |
3 | ジガ・イエラル(SLO) | 378.9 |
4 | シュテファン・クラフト(AUT) | 377.0 |
5 | ヨハン-アンドレ・フォルファン(NOR) | 376.1 |