2019/20 FISスキージャンプワールドカップ男子個人第7戦エンゲルベルク

小林陵侑 今季2勝目で再び総合トップに

2019年12月22日(日)エンゲルベルク(SUI)HS140/K125

10th World Cup Competition

1  小林 陵侑(土屋ホームスキー部) 272.0pt
2  ぺテル・プレヴツ(SLO) 263.1pt
3  ヤン・ヘール(AUT) 262.0pt
 
21  佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) 235.7pt
23  岩佐 勇研(東京美装グループスキー部) 231.2pt
50  竹内 択(team taku) 94.0pt
51  栃本 翔平(雪印メグミルクスキー部) 93.4pt
55  伊藤 謙司郎(雪印メグミルクスキー部) 89.7pt

オフィシャル リザルト


 

小林陵侑が今季2勝目を挙げた。

 

穏やかだった前日から一変。
エンゲルベルクは強い風と雨に見舞われ、まずは予選がキャンセル。
エントリーしていた63人全員が本選に出場した。

 

その本戦も状況は変わらず。
ゲート変更は何度か行われたものの、風とジュリーのイタチごっこで為す術なし。
アタリハズレの差が激しすぎて、何人かの選手にとってはあまりにも可哀想な結果となってしまった。

 

1本目トップだったヨハンソンは2本目でハズレを引き8位まで後退。
5位だったストッフも2本目でハズレを引き9位まで後退。
4位だったクラフトに至っては転倒という要らないオマケまでついて18位にまで後退し、たった1戦でイエロービブを手放すこととなってしまった。

 

それでも彼らはまだ良かったほう。
50位:竹内択、57位:ザイツ、58位:タンデ、61位:フライターク、63位:アマンらは、スタートゲートでハズレくじを手渡されたかのような状況下で飛ばされてしまった。
これでは泣くに泣けない。

 

それでもトップ10の顔ぶれを見ると力のある者たちが揃った。
小林陵侑は1本目7位から捲っての逆転勝ち。
今季2勝目。クラフトが18位に終わったこともあって、クリンゲンタールで手にしたイエロービブをすぐに取り返した。
この2試合で得たポイントは150pt。帰国してテレビ観戦していては決して手にすることができなかったポイントだ。

 

なお、この勝利により陵侑はWC通算15勝目となり、船木和喜と並び日本歴代2位となった。
葛西紀明が持つ17勝の最多記録を超えるのも時間の問題だろう。

 

プレヴツは、ルカで幻となった表彰台を今度は正真正銘に射止めて2位。
ヘールは、ルカで得た自身初のシングル9位を更新し初表彰台。

 


 

さて、次戦はいよいよジャンプ週間。
陵侑は昨季と同じくイエロービブを纏ってこれに挑むことになる。
昨季のジャンプ週間で陵侑が成し遂げたことは次の通り。

  • 日本人として4人目の勝利(笠谷、船木、葛西に次ぐ)
  • 日本人として18季ぶりの勝利
  • 日本人として二人目の総合優勝(1997/98の船木以来)
  • 史上3人目の全勝優勝(ハンナバルト、ストッフに次ぐ)

 

史上初の2年連続グランドスラムなんてことになったらどうしましょうだ。
陵侑の場合はあり得ない話でもなさそうな気がしてくる。
でも、ストッフ、クラフト、プレヴツら歴代総合優勝者たちも調子を上げてきたし、ガイガーもドイツの面目を保つに十分な勢いだ。

 

今季もまた絶対に面白いものが見られるはず。
ジャンプ週間は28日(土)にオーベルストドルフで開幕する。

 

過去5シーズンのジャンプ週間総合優勝者
2014/15 シュテファン・クラフト
2015/16 ペテル・プレヴツ
2016/17 カミル・ストッフ
2017/18 カミル・ストッフ
2018/19 小林 陵侑