2015/16 FISスキージャンプワールドカップ男子個人第26戦ティティゼーーノイシュタット

フォルファングがヒルサイズオーバーを2本揃えて初優勝

2016年3月12日(土) ティティゼーーノイシュタット(GER)HS142/K125

① ヨハン・アンドレ・フォルファング(NOR) 265.9t(144.0m 143.0m)
② ぺテル・プレヴツ(SLO) 261.2pt(139.0m 138.5m)
③ ケネス・ガングネス(NOR) 235.4pt(126.0m 140.0m)

12 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) 213.2pt(133.0m 125.0m)
14 竹内 択(北野建設スキー部) 210.6pt(123.0m 131.0m)
18 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部) 206.3pt(130.5m 123.5m)

38 作山 憲斗(北野建設スキー部) 79.4pt(118.0m)
44 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) 73.5pt(114.5m)
45 栃本 翔平(雪印メグミルクスキー部) 71.2pt(109.0m)

 


 

終始赤い風が吹く。
数値上は向かい風でも数値には表れない横風や追い風もあるようで、フライト中に板が上下に揺れる選手が目立った。
運営側は1本目で基本ゲート7を8→9と上げ、2本目で基本9を10→11と上げて対応したけれど、かなり当たり外れの要素の強い試合ではあった。

 

ヒルサイズオーバーを2本揃えて初優勝となったフォルファング。
特に2本目は明らかに他者より高い飛行曲線から143.0mまで飛距離を伸ばし、かつ、しっかりと着地も決めて見せた。
直後に飛んだプレブツは数値上はほぼ同条件ながら138.5mどまり。
両者の間で1本目の条件が違いすぎた―数値上はフォルファングの方が1mほども余計にいい風を貰っている―のが公平性の意味ではどうだったのかというのはあるにせよ、それがこの競技の宿命。
最後の二人の対決は見ごたえがあったし、ここは素直にフォルファングを讃えたい。

 

ノルウェーは今季、開幕戦クリンゲンタール(こちら)でのタンデ、第3戦リレハンメル(こちら)でのガングネスに続いて、3人目の初優勝者を出したことになる。

 

500戦まであと一つと迫った葛西は、1本目6位につけた。
こういう荒れた試合は何があるかわからないので表彰台の期待もかかったけど、2本目には悪い方に転んじゃった。
試合直後の生電話インタビューで、「表彰台を狙える位置だっただけに残念な結果。明日は記念日なので優勝を狙いたい」と。
まぁ、リップサービスはあるとしてもホントにやってくれそうな雰囲気がこの男にはある。

 

それにしてもドイツ開催なのに会場にはノイマイヤー引退を感じさせるものは何一つなし。
Jスポでも一切触れられなかったのが残念。

 

もう一つ残念だったのは、ヤン・マトゥラが1本目5位で久々に輝いたのに2本目に大失速で15位に沈んだこと。 葛西も含めて、1本目でこのあたりの順位だった人たちが最も2本目の条件に泣かされちゃったんだよね。 
マトゥラのシングルは何と2014年札幌大会での8位と7位が最後。
2013年札幌大会で初優勝を遂げたことで、個人的に思い入れのある選手。
特に2連勝となった2戦目(こちら)は大貴がゲートから転げ落ちたことでマトゥラに勝利が転がり込んだ試合なだけに余計に思い出深い。

 

がんばってほしいなぁ。

 

ヤン・マトゥラ

2013.1.20 WC札幌大会で2連勝した時のマトゥラ