小林陵侑 金メダル 日本ジャンプ勢24年ぶりの快挙
2022年2月6日(日) 北京(CHN)HS106/K95
Men’s Normal Hill Individual
金 | 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) | 275.0pt |
銀 | マニュエル・フェットナー(AUT) | 270.8pt |
銅 | ダヴィド・クバツキ(POL) | 265.9pt |
4 | ペテル・プレヴツ(SLO) | 265.4pt |
5 | エフゲニー・クリモフ(ROC) | 261.5pt |
6 | カミル・ストッフ(POL) | 260.9pt |
7 | マリウス・リンビーク(NOR) | 260.7pt |
8 | ダニール・サドレーフ(ROC) | 259.4pt |
27 | 小林 潤志郎(雪印メグミルクスキー部) | 234.0pt |
32 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部) | 118.1pt |
38 | 中村 直幹(Flying Laboratory SC) | 114.5pt |
小林陵侑が見事に金メダルを獲得。
ジャンプ個人種目としては1998年長野大会ラージヒルでの船木和喜以来24年ぶりの快挙。
1972年札幌大会の笠谷幸生さんから数えて3つ目の金。
北京での男子ジャンプ4種目(うち一つは混合団体)の初戦は、少し不思議な試合ではあった。
ガイガー、リンビーク、グランネル、アイゼンビヒラー…といったメダル候補の強豪たちが1本目で軒並み撃沈。
風の影響によるものだが、数値上はそれほど強弱が大きく表れているわけではないのだが、影響を受けやすい台なのかもしれない。
そんな中で小林陵侑は次元の違う姿を見せた。
同じく追い風が吹く状況でありながら軽々と104.5mまで飛距離を伸ばし、しかも今季のWCでも強力な武器となっている完璧なテレマークを入れて見せた。
本来ここで戦うはずだったライバルたちとは違う面々との争いとなった2本目。
さすがに緊張したか少し踏切が遅れたように見え飛距離は99.5mとやや控えめではあったが、テレマークも決まり勝ち切った。
小林陵侑は、2015/16ザコパネでいきなり7位という衝撃のWCデビューを飾るも、翌2016/17シーズンは全試合(ただし最終戦を除く)にエントリーしながら1ptも取れないという屈辱を味わった。
ところが、2018/19開幕戦で初表彰台を獲得するやいなや、次戦ルカで初優勝。
その勢いのままジャンプ週間で史上3人目となる全勝優勝。そして遂に日本人初のWC総合優勝を果たす。
あれよあれよと数々の歴史を塗り替えた”宇宙人”。
今季は2度目のジャンプ週間総合優勝も果たした。
そして今、その輝かしい実績にオリンピックの金メダルが加わった。
名実ともに、日本スキージャンプ史上最強のジャンパーだと言えよう。
銀のフェットナーは36歳。長らく強豪オーストリアの一角を担ってきており、特に団体戦で活躍をしてきたがWCでは未勝利の選手。
2018/19を最後にしばらくWCチームには召集されていなかったが、2020/21にコロナでWCチームが壊滅状態となりその代替という形でWCに復帰した。
そのシーズンは目立った成績は残せなかったものの、今シーズンは開幕メンバー入り。
コンスタントにポイントを積み重ね、平昌に続く自身2度目の五輪出場を射止め見事に銀メダルに輝いた。
銅のクバツキは、2019ゼーフェルト世界選手権NHで金、2019/20ジャンプ週間で総合優勝など輝かしい実績を誇る選手。
ストッフと並び強豪ポーランドを牽引する選手だが、そのポーランドは今シーズン絶不調。
クバツキ自身も飛び方を忘れてしまったかのように、高く強いジャンプは見る影もなくなってしまっていた。
今季は出場した14試合中7試合でしかポイントが獲れておらず自己最高位は13位。フェットナーの銀もサプライズではあるが、今季の成績からしてみるとクバツキの銅こそサプライズ。
小林陵侑以外の日本勢は一様に低調だった。
平昌に続く2度目の出場となった小林潤志郎は、前回のNHは31位で惜しくも進むことのなかった2本目に進むことができた。
初出場の佐藤幸椰と中村直幹は、ともに緊張はなかったようだが本来の力を見せることはできなかった。
でも、まだ混合団体とラージヒル個人・団体がある。
最後まで悔いなく戦ってほしい。
小林陵侑の金メダルを記念して写真をいくつか紹介。
日本に、こんなに凄いアスリートがいることを、今まで知らなかった日本の方たちにこそ知ってもらいたい。