2018/19 FISスキージャンプワールドカップ男子個人第17戦オーベルストドルフ

ザイツ WC初優勝 小林陵侑は14位に沈む 

2019年2月1日(金) オーベルストドルフ(GER)HS235/K200

21th World Cup Competition 

 ティミ・ザイツ(SLO)  430.1pt  220.0m  233.5m
 ダヴィド・クバツキ(POL)  424.8pt  221.5m  218.0m
 マルクス・アイゼンビヒラー(GER)  423.3pt  224.5m  222.5m
 
14  小林 陵侑(土屋ホーム)  385.5pt  205.5m  210.0m
21  小林 潤志郎(雪印メグミルク)  374.3pt  205.5m 208.0m
29  葛西 紀明(土屋ホーム)  338.8pt  194.5m 181.0m
34  佐藤 幸椰(雪印メグミルク)   166.7pt  189.0m  
38  中村 直幹(東海大学)  159.9pt  182.0m   
   伊東 大貴(雪印メグミルク)  予選棄権     

予選リザルト オフィシャル リザルト


 

雪不足によりキャンセルされた12月9日ティティゼー-ノイシュタットの代替試合で、今季初のフライング。
金曜開催ということもあり、オーベルストドルフにしては観客は少なめでちょっと盛り上がりに欠けるようにも見えた。

 

そんな中、勝ったのはティミ・ザイツ。
札幌大会第2戦で初表彰台に立ったばかりの18歳が、そこから一週間と経たないうちにWC初優勝を遂げた。しかも初参戦となるフライングで。
1本目6位からの逆転勝利。基本は追い風だが強弱にかなり差があり、1本目の上位4人ストッフ、ジワ、クラフト、フォルファングは2本目で不運な風に当たってしまった。ザイツはこれに助けられた感はあるが、それでもこのこの日の最長不倒となった233.5mは見事だった。

 

そこそこ上背はありそうだけどアプローチは限りなく低く、足首が柔らかいのか空中でのスキー操作も上手だなぁと感じられる。
札幌大会での初表彰台の際に、”壊滅状態に近いスロベニアの中にあって実質的にエース的な存在となりつつある”と書いたが、既に実質的なエースだ。

 

小林陵侑は今季ワーストの14位。初めてトップ10内に入れなかった。
ストッフやクラフトが2本目で伸ばせなかったのは風によるところが大きかったが、陵侑はどうだろう。
2本ともサッツでスキーが立ちすぎているように見え、乱れたバランスのまま空中を移行。全体にバタバタとした印象が残り、1本目ではブレーキング中に頭を抱えるようなしぐさも見せていることからも、風による影響というよりは技術的な問題のように思える。
正確無比だったパフォーマンスに狂いが生じているのか?

 

幸いだったのは総合2位のクラフトは6位、総合3位のストッフは5位に終わった為、スタンディングにおいてクラフトには22点、ストッフには27点しか差を詰められなかったこと。
ただ、陵侑のパフォーマンスに狂いが生じているのだとすると、特にクラフトが好調なだけにうかうかしてはいられなくなる。

 

見事修正を図れるか? それとも狂った歯車は簡単には戻らないのか?
オーベルストドルフでの第2戦が、総合優勝に向けて最も重要な試合になるような気がしてならない。