2017 FISグランプリジャンプ女子個人第2戦フレンシュタート

伊藤有希GP初優勝 高梨沙羅失格

2017年8月18日(金) フレンシュタート(CZE)HS106/K95 

2nd Grand Prix Competition 

① 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 222.7pt(95.5m 93.0m)
② ルシール・モラ(FRA) 217.9pt(91.0m 94.5m)
③ マーレン・ルンビ(NOR) 213.9pt(93.0m 92.0m)

 

6 勢藤 優花(北海道ハイテクアスリートクラブ) 204.4pt(89.5m 89.5m)
17 岩渕 香里(北野建設スキークラブ) 178.3pt(85.0m 85.0m)

予選失格 高梨 沙羅(クラレ) スキー長

 

オフィシャル リザルト

 


 

伊藤有希がGP初優勝。
「全員出ていれば、もうちょっとうれしかったかも」とのこと。
開幕戦と同じくオーストリア勢不在、さらに前戦優勝のアルトハウスも不在の中での勝利。
でも、何よりも有希ちゃんが言いたかったのは、”沙羅が不在の中での勝利では・・・” ということだったのでは?

 

その高梨沙羅は、予選でスキーの長さに違反があり失格。
予想以上の暑さで脱水したため、使用したスキーに対して必要な体重に達していなかったためとのこと。

 

使用できる板の長さを身長と体重から割り出し制限するBMIルールは、2004/2005シーズンから導入されたが、スキージャンプファンでなくても、このルールで最初に思い浮かぶのは2006年トリノ五輪の原田雅彦ではなかろうか。
原田はこの大会唯一の出場となった個人NHで、使用したスキーの長さに対して体重が200g不足していた為に失格。
コーチやスタッフの怠慢か、原田自身の過失かなど、当時いろいろの議論があったのを覚えているが、いずれにしても”あってはならないこと”だったとは思う。

 

ここ5年程を調べてみただけでも同様のケースはいくつかある。

中でも、5位に終わったジュニア世界選手権女子団体は、失格がなければ銀か銅だっただけに、やはりこれも”あってはならないこと”ではあった。

 

ここ数年、空中でのコントロール性を重視して、浮力や助走スピードを犠牲にしてでも短いスキーを使う選手が増えてきている。
伊藤有希もそのうちの一人のはずだが、高梨沙羅もこの遠征に出る前に「ギリギリを攻めていく努力が自分に足りないと思った」「技術、精神だけでなく道具をいろいろ試したい」として、マテリアルの試行を示唆していた。

 

この予選でも、”ギリギリを攻めた”ことは想像されるが、いずれにしてもそれはルールの範囲内でなされるべきこと。
GPでもあるし大騒ぎするほどのことではないとはいえ、褒められたことでもないし決してNo problemでもない。
事実、この失格を振り返って沙羅は「あってはならないこと」とコメントしたらしい。

 

2014/2015エンゲルベルクでの作山憲斗の失格の際に、解説の竹内元康氏は「体重コントロールがなってない!」とかなりご立腹の様子だったが、今回の沙羅の失格を元康さんはどう見たのか、聞いてみたい。