2015/16 FISスキージャンプワールドカップ女子個人第14戦リュブノ

イラシュコ‐シュトルツ今季2勝目 高梨沙羅は表彰台を逃す

2016年2月14日(日) リュブノ(SLO)HS95/K85

① ダニエラ・イラシュコ-シュトルツ(AUT) 264.0pt(91.0m 95.0m)
② マヤ・ブティッツ(SLO) 260.3pt(92.5m 95.5m)
③ キアラ・ヘルツル(AUT) 259.0pt(94.5m 94.0m)

4 高梨 沙羅(クラレ) 255.9pt(93.0m 92.5m)
15 勢藤 優花(北海道メディカルスポーツ専門学校) 233.0pt(86.0m 87.0m)

32 岩渕 香里(松本大学) 105.4pt(84.0m)

失格 伊藤 有希(土屋ホームスキー部)

 


 

1本目4位のイラシュコがヒルレコードタイとなる95.0m。
しかも19点台のテレマークを入れて見せた。
昨日は13位とこの台の攻略に手を焼いたが同じ失敗は繰り返さない。

 

続く昨日の覇者ブティッツも負けじと95.5mでヒルレコードを更新。
しかし一足ランディングとなってしまい飛型点の差が響いてイラシュコを上回れない。

 

次のヘルツルはコーチリクエストに打って出た。
昨日の2本目と今日の1本目で誰よりも遠くに飛んでいたが、腰を大きく落としたランディングで飛型点を失っていたことから選んだある意味セオリー通りの戦略。
飛距離も十分、ゲートポイントも得た。
しかしやはりテレマークが決まらずブティッツに逆転を許す。

 

そしてラストは高梨沙羅―
踏切りのタイミングがやはりちょっと狂ったか、飛び出しと同時に右の板が大きく揺れた。
そこで勝負は決まってしまったように思う。
前の3人すべてに飛距離で劣り、2.5m遠くに飛んだイラシュコには飛型点で4.0pt離された。
コーチリクエストでゲートを下げて、タイミングを合わせやすくした方が良かったのでは? という意見もあろうが、沙羅は2本とも助走スピードが最下位レベル。
なので、これ以上助走スピードを下げてしまうという戦略は取りにくかったんじゃないかな。
しかも、直前にヘルツルのゲート戦略が失敗に終わったのを目の当たりにしちゃったしね。

 

沙羅は1本目のトップから今季初めて表彰台を逃し、伊藤有希はスキーの長さ違反で失格となり、岩渕香里は2本目に進めなかった。
けれど、最後まで誰が勝つかわからないスリリングな好ゲームで、個人的には今季一番面白い試合だったように思う。