葛西紀明 新設大会でV 小林諭果と岩佐勇研は逆転V
2017年8月6日(日) 札幌市 大倉山ジャンプ競技場 HS120/K134
女子組(ゲート1本目27、2本目27)
① 小林 諭果(CHINTAIスキークラブ) 173.9pt(104.5m 111.0m)
② 茂野 美咲(CHINTAIスキークラブ) 169.0pt(109.5m 103.0m)
③ 丸山 希(明治大学) 168.0pt(101.5m 111.0m)
少年組(ゲート1本目12、2本目13)
① 岩佐 勇研(札幌日本大学高校) 164.5pt(103.5m 106.5m)
② 竹花 大松(東海大学付属札幌高校) 144.5pt(109.0m 91.0m)
③ 藤田 慎之介(東海大学付属札幌高校) 134.6pt(97.5m 97.0m)
4 西森 海翔(下川商業高校) 123.7pt(99.0m 90.0m)
5 二階堂 蓮(下川商業高校) 120.7pt(97.5m 91.5m)
6 斉藤 祐輝(東海大学付属札幌高校) 116.9pt(87.0m 98.5m)
成年組(ゲート1本目12、2本目13)
① 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) 264.2pt(131.0m 128.0m)
② 竹内 択(北野建設スキー部) 259.6pt(130.0m 127.0m)
③ 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部) 247.8pt(120.5m 130.5m)
4 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) 243.6pt(116.0m 133.5m)
5 伊藤 将充(土屋ホームスキー部) 220.8pt(122.5m 116.0m)
6 古賀 極(東海大学) 199.9pt(114.5m 113.5m)
茂野美咲は、表彰台で一瞬たりとも笑顔を見せなかった。
今季6戦目にして初の表彰台。
いつもの茂野であれば、満面の笑みで自ら盛り上げ役を買って出たはず。
高梨沙羅、伊藤有希、勢藤優花、岩渕香里がGP遠征の為出場しないこの試合は、勝利をものにする絶好のチャンスだった。
事実、優勝候補は茂野美咲か岩佐明香と目されていた。
しかし、それを逃した。
でも、それだけでここまで表情がこわばるとも思えない。
これは想像に過ぎないのだけれど、チームメートに先を越されたことが余程悔しかったのではなかろうか?
早稲田大学を卒業し、この春からCHINTAIスキークラブ所属となった小林諭果は、開幕からつまずいた。初戦の全日本朝日は14位、以降、朝日レディース17位、名寄23位、宮の森17位と散々な結果。
一方茂野は、全日本朝日4位、以降、朝日レディース4位、名寄6位、宮の森8位と常に表彰台に近いところにいた。
それが、土曜の大倉山で茂野12位に対し小林9位と形勢が逆転し、翌日曜についに表彰台をゲットしたと思ったら、その上には今まで不調をかこっていたチームメートがいた。
今年31歳となる茂野にとって、悲願の五輪出場への挑戦の機会はもうそう多くはないはず。
平昌の地に立つためには、高梨、伊藤、勢藤、岩渕の中に割って入らなければならない。
そのためには、この4人が不在の試合では頂点に立っていないとお話にならない。
その絶好のチャンスを逃した。しかも阻んだのはチームメート・・・
・・・って、別に二人の間に確執があるとかそういうドロドロしたものを想像しているということではないんだけれどね。
でも、それぐらい驚かされたわけ。あの茂野の表情には。
なお、高梨沙羅、伊藤有希、勢藤優花、岩渕香里は先述の通りGP遠征の為参戦していない。
また、伊藤謙司郎、原田侑武、小林潤志郎、佐藤幸椰、作山憲斗、中村直幹も同じくGP遠征の為参戦していない。
女子組
① 小林 諭果(CHINTAIスキークラブ)
② 茂野 美咲(CHINTAIスキークラブ)
③ 丸山 希(明治大学)
4 鴨田 鮎華(下川商業高校)
5 松橋 亜希(東海大学札幌スキークラブ)
6 勢藤 理桜(下川商業高校)
少年組
① 岩佐 勇研(札幌日本大学高校) 男子総合14位
② 竹花 大松(東海大学付属札幌高校) 男子総合21位
③ 藤田 慎之介(東海大学付属札幌高校) 男子総合24位
4 西森 海翔(下川商業高校) 男子総合25位
5 二階堂 蓮(下川商業高校) 男子総合30位
6 斉藤 祐輝(東海大学付属札幌高校) 男子総合33位
成年組
① 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) 男子総合1位
② 竹内 択(北野建設スキー部) 男子総合2位
③ 伊東 大貴(雪印メグミルクスキー部) 男子総合3位
4 小林 陵侑(土屋ホームスキー部) 男子総合4位
5 伊藤 将充(土屋ホームスキー部) 男子総合5位
6 古賀 極(東海大学) 男子総合6位
表彰式
女子組 茂野、小林、丸山
女子組最長不倒賞 小林 諭果、丸山 希(111.0m)
少年組 竹花、岩佐、藤田
西森、二階堂、斉藤
少年組最長不倒賞 竹花 大松(109.0m)
成年組 竹内、葛西、伊東
小林、伊藤、古賀
男子組最長不倒賞 小林 陵侑(133.5m)
画像をご覧になってお気づきだろうか? 岩佐勇研が、手のひらを下に向けて飛んでいることに。
通常は手のひらを上にして飛んでいるが、この日は試技と1本目で下向きにしていた。
私の知る限りでは、今まで見たことがなかったこと。
いろいろと試しているということか?
追記(2017.08.13)
過去の画像を見てみたところ、勇研が手のひらを下にして飛んでいる試合がいくつか見つかった。
風の状況などによって使い分けているのだろうか?
いずれにしても、知ったかぶって「今まで見たことがなかった」とか書いて恥ずかしい・・・
そして、もう一つお気づきだろうか?
内藤智文の連続入賞が途絶えてしまった。
惜しくも7位。
ところで、この大会は今年新設の大会だ。
大倉山ジャンプ競技場の管理運営を行っている株式会社札幌振興公社の設立60周年を記念して開催された。
ちゃんとA級公認を受けており、今年だけの単発の大会ではなく、来年以降も継続的に開催されるようだが、今年出た賞金が来年以降も出るのかどうかは疑わしい。
前日までの札幌市長杯と同様に全くと言っていいほど宣伝されていないので、悲しいくらいに観客はまばら。
・・・と思ったら、日差しを避けてミュージアムの軒先で観戦する方が多数。
ちなみに、ミュージアムの屋上に普段はないテントが見えるが、試合後にここで関係者による60周年の祝賀会が開催された模様。
そして、1本目終了後のインターバルでは、YOSAKOIチームの踊りが披露された。
道民以外にはピンと来ないかもしれないが、北海道ではこういう時の賑やかしと言えばYOSAKOIソーランと相場が決まっている。
さて、これにて2017年夏のサマージャンプ北海道シリーズは終了。
次に、北海道にジャンプ大会が戻ってくるのは11月になる。
- 11/03(金)第96回全日本スキー選手権大会NH(宮の森)
- 11/04(土)第11回伊藤杯大倉山サマージャンプ大会(大倉山)
- 11/05(日)第96回全日本スキー選手権大会LH 兼 第59回NHK杯ジャンプ大会(大倉山)
アイストラックを飛んで、翌日にサマートラックを飛んで、そのまた翌日にアイストラックを飛ぶ。
選手は感覚狂ったりしないものなのだろうか?
コメント
laziole27さん、どーもです。
Supiと申します。
久しぶりにコメントさせていただきます。
いつも各大会の情報を詳細に伝えていただき、ありがとうございます。
結果のデータシートでは見えてこない現地の状況まで良く分かり、とても助かります。
当方、今年のYOSAKOIソーラン祭りを観に行きましたが、
恥ずかしながら、今回初めて宮の森と大倉山の両ジャンプ場に行ってきました。
行ったのは両方とも土曜日の午前中、小雨の中でしたが、
宮の森では10名程度のジャンパーが練習されていました。
その中には、茂野さんもいらっしゃいました。
とにかく、必死さがにじみ出ているようで、
こちらも思わず力が入ってしまうほどでした。
(声をおかけしたら、気さくに返してくださいましたよ。)
「表彰台で笑顔なし」と書かれていますが、
これは必死さの裏返しなのかと。
ともかく、また笑顔の茂野さんのお姿が見たいです。
それにしても…。
宮の森の現地の状況、実際に行ってみて良くわかりました。
(トイレが壊れてて、少し焦りました。(^ ^;)
そこから歩いて大倉山に行きました。
リフトに乗って展望台にも行ってみましたが、
ランディングバーンの急傾斜、
スタート台から見える風景には言葉を失い…。
あらためてスキージャンパーの「勇気」には脱帽、です。
それでは、今後も楽しい記事をお願いいたします!
Supiさん、お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
2年ほど前に茂野さんと話をした時の印象は”すごくしっかりとした社会人”
おチャラけキャラで有名でしたが、その印象が良い意味でガラリと変わったことをよく覚えています。
それ以来、陰ながら応援させていただいてます。
今季、トレードマークだった濃いめのメークをやめたのも、期するものがあるからなのではと推察します。