高梨沙羅 「自分の形」で通算60勝目
2021年2月19日(金)ルシュノフ(ROU)HS97/K90
10th World Cup Competition
1 | 高梨 沙羅(クラレ) | 239.2pt |
2 | シリエ・オプセット(NOR) | 232.9pt |
3 | ニカ・クリジュナル(SLO) | 238.6pt |
14 | 丸山 希(明治大学) | 198.5pt |
23 | 伊藤 有希(土屋ホーム) | 186.6pt |
35 | 岩渕 香里(北野建設) | 83.2pt |
勢藤 優花(北海道ハイテクAC) | スーツ失格 |
ヒンツェンバッハで2連勝を遂げたときに思い切って書いた次のことに、確信が得られたように思える。
イラシュコをしてアンドロイドと言わしめたかつての沙羅の姿、いや、むしろそれ以上の姿がそこにあるといっても褒めすぎではないようにさえ思える。
2020/21 FISスキージャンプワールドカップ女子個人第7戦ヒンツェンバッハ
高梨沙羅が完璧な勝利を挙げた。
圧巻は2本目。一人だけ違う高さで飛び出したかと思うと素早くフォームを決め、条件の良さも手伝って直線的な飛行曲線で99.0m迄飛距離を伸ばして見せた。
平昌五輪前から始まった試行錯誤は、素人意見ながら私にはやりすぎのように思えてならなかった。
そこからは迷いの境地に入ってしまい、成績的には3シーズンを棒に振ってしまい、平昌五輪のシーズンは2勝、その後の2シーズンは1勝ずつしか勝てていない。正直、沙羅はもう勝てないのではないかとさえ思った。
2020/21 FISスキージャンプワールドカップ女子個人第7戦ヒンツェンバッハ
でも、こうしてまた沙羅はトップレベルに戻ってきた。
うれしいと思う気持ちがあるのはもちろん、疑ってごめんねという気持ちもある。
いずれにしても、悲願の世界選手権金メダルへの準備は整いつつあることは間違いないだろう。
試合後のインタビューで「自分のスタイルを作り直してきて、ようやく自分の形ができたかな」と語った沙羅。
記念すべき60勝には、スクラップ・アンド・ビルドを成し遂げた充実感が漂う。
今季3勝目。
クラマーがこの2試合をコロナ陽性の疑いで欠場してる間に、そのクラマーの勝利数に並んだ。
そして、前戦で総合首位に立っていたクリジュナルに5pt差まで詰め寄り、4季ぶりのワールドカップ総合優勝が見えてきた。
25日には世界選手権ノーマルヒルが控える。
3月3日には世界選手権としては初のラージヒルもある。
その眼には、悲願の世界選手権金メダルがはっきりと見えているはず。