ノルウェー3連覇 コーチリクエストでドイツを下す
2020年12月13日(日)プラニツァ(SLO)HS240/K200
Flying Hill Team
金 | ノルウェー | 1727.7pt | ||
タンデ、フォルファン、ヨハンソン、グランネル | ||||
銀 | ドイツ | 1708.5pt | ||
シュミット、パシュケ、アイゼンビヒラー、ガイガー | ||||
銅 | ポーランド | 1665.5pt | ||
ジワ、ステカラ、ストッフ、クバツキ | ||||
4 | スロベニア | 1609.9pt | ||
5 | 日本 | 1483.5pt | ||
佐藤慧一、中村直幹、小林陵侑、佐藤幸椰 | ||||
6 | オーストリア | 1422.1pt | ||
7 | ロシア | 1356.3pt | ||
8 | フィンランド | 1284.8pt |
コーチリクエストの応酬の末、ノルウェーがドイツを逆転。
フライング世界選手権団体で2016クルム、2018オーベルストドルフに続く3連覇を果たした。
ドイツがノルウェーを14.6ptのリードで迎えた最終局面。
勝敗の行方は、前日の個人戦で銀メダルのグランネルと金メダルのガイガーの一騎打ちに委ねられた。
ここでノルウェーのヘッドコーチ:シュトックルが動く。
逆転に向けてコーチリクエストを発動。思い切って10番ゲートまで2つ下げた。1段下げるとGFとして約9.2pt加点される。2段なら18.3ptだ。
コーチリクエストによる加点を得るにはHS(240.0m)の95%(228.0m)を飛ばなくてはならない。
だが、1本目でもグランネルはリクエストで11番ゲートから235.0mを飛んでいる。さらに、この時点でほぼ2位以上を確保していた。いけると踏んだのだろう。
そしてグランネルはこれに見事に応えた。
234.5m。飛型点は4人が19.5ptを付けた。17.0ptに終わった昨日の轍は踏まない。
これに対してドイツ首脳陣は明らかに混乱した。
ガイガーは1本目でリクエストの11番から238.0mを飛んでいる。それもあってか、ホルンガッハー・ヘッドコーチはここでも11番をリクエストしていた。
しかし、グランネルの10番からのスーパージャンプを見て急遽同じ10番に変更。
結果的に、これが裏目に出た。
ガイガーは228.0mの加点ラインより3.5m手前に着地。
加点を得られず、単に飛距離点を失った。
ガイガーはゲートに着くのに少し待たされた。
当初のリクエストの11番にゲートを移動した後に、急遽10番にまた下げられたからだ。
ガイガーはこの間に冷静さを欠いたらしい。名将ホルンガッハーも同様に見えた。
かくして勝敗は決した。
3連覇を果たしたノルウェー。
対してドイツは、2004年大会から始まった団体戦で3度目の銀。初優勝は、またもお預けとなった。
ポーランドは3大会連続の銅。新鋭ステカラが目覚ましい働きを見せたのに対して、”エース”クバツキが精彩を欠いた。
フライング世界選手権としては、2012ヴィケルスン以来の団体戦出場となる日本。
上3チームが抜けていたため、現実的な目標は4位だったかもしれない。
しかし、残念ながらそこにも届かなかった。
個人戦・団体戦ともに非常に見ごたえのある名勝負となったフライング世界選手権プラニツァ大会。
バーチャル観客、リモート応援映像、安全性を考慮しながらもセンスのある表彰式・・・
ザイツのコーチ批判によりドタバタがあったことはホスト国として少し残念ではあったけど、スロベニア・プラニツァは、コロナ禍にあって難しい運営を強いられた中で随所に大会を盛り上げようとする心意気を感じさせてくれた。
心より拍手を送りたい。