ミラノ・コルティナ オリンピック2026 女子個人ノーマルヒル

丸山希が銅 日本女子ジャンプに2大会ぶり2個目のメダルをもたらす ストロームが金、プレヴツが銀

Normal Hill Individual
  • 2026年2月7日(土)
  • ブレダッツォ ジャンプ競技場
  • HS107/K98

Official Results

 アンナ-オディヌ・ストローム(NOR) 267.3pt
 ニカ・プレヴツ(SLO) 266.2pt
 丸山 希(北野建設SC) 261.8pt
 
4  リサ・エダー(AUT) 257.3pt
5  エイリン‐マリア・クバンダル(NOR) 254.9pt
6  ハイディ-ディレ・トゥルーセル(NOR) 248.6pt
7  セリーナ・フライターク(GER) 244.7pt
8  ニカ・ヴォダン(SLO) 242.5pt
13  高梨 沙羅(クラレ) 238.9pt
14  勢藤 優花(オカモトグループ) 237.8pt
17  伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 228.6pt

リザルト


アンナ-オディヌ・ストロームが、ただ一人100mジャンプを2本揃えて金メダルを獲得。
金メダルの最有力候補だったニカ・プレヴツが1.1ptの僅差で銀メダル。
そして、丸山希が銅メダル。

前回の北京大会。丸山希は代表入りが確実視される状況で大怪我を負ってしまい夢を絶たれた。
そこから再起を図り再びワールドカップ(WC)代表に定着。そして今季、その能力を余すところなく発揮して勝利を重ね、現在WC総合2位につけている。

こうして臨んだ初の夢の舞台。
メダルの有力候補の一人としてその期待に見事に応え、女子種目としては2018平昌五輪での高梨沙羅の銅メダル以来2大会ぶり2個目となるメダルを日本にもたらした。

今季の丸山は、たとえ良い順位とならなくても常にポジティブな面を見つけての発言が目立った。初のオリンピックも「楽しみたい」と。
こうした前向きな姿勢がメダルに結びついたのだと思う。
技術と共にメンタルも大きく進化し、いつの間にかとてつもないアスリートになっていた。
心から祝福したい。

オリンピックの為に改装されたプレダッツォ・ジャンピング・スタジアム。
そのこけら落としでありオリンピックのプレ大会でもあった昨年夏のグランプリでエバ・ピンケルニッヒ、アレクサンドリア・ルティト、複合の葛西春香が転倒により大怪我を負ってしまったことで、カンテの角度を0.5度下げ、ヒルサイズも2.0m短くなった。

元々追い風の強い台。選手にとってはフライトの終盤で叩き落されるような感覚があるというが、加えてカンテの角度が下げられたことで高さが出ない。
追い風だったこの日も、多くの選手がK点付近に吸い込まれるように着地していく。ここをいかに我慢できるかが勝負の分かれ目。ノーマルヒルらしいスリリングなゲーム展開となった。

1本目が終わった時点で、トップにストローム、2位にプレヴツ、3位に丸山が位置していたが、3者は僅か1.2pt差の中にひしめき合った。
結局この順位のままメダルが確定したが、金のストロームと銀のプレヴツの差は僅かに1.1pt。結果論ではあるが、プレヴツは1本目の飛型点が悔やまれる。

ストロームは今季のWCで1勝を含む6度の表彰台があり総合4位に位置している。
メダル候補の一人ではあったとは思うが、金メダルとは正直予想できなかった。
100m台を揃えた2本はいずれも素晴らしく、また身長を活かしたテレマークも有利に働き高得点につながったのかもしれない。

ノルウェー女子としては、2018平昌でのマーレン・ルンビに続く2人目の金メダル。
こうして金メダリストの名前を見ると、大本命で金を獲得したのはルンビだけ。
やはり、五輪は魔物が住んでいるのか。

女子個人ノーマルヒル歴代メダリスト

 
2014 C.フォークト(GER) D.イラシュコ・シュトルツ(AUT) C.マテル(FRA)
2018 M.ルンビ(NOR) K.アルトハウス(GER) 高梨沙羅(JPN)
2022 U.ボガタイ(SLO) K.アルトハウス(GER) N.クリジュナル(SLO)
2026 A-O.ストローム(NOR) N.プレヴツ(SLO) 丸山希(JPN)

歓喜のストロームとは対照的に、魔物にやられてしまったかのように表情を失ったニカ・プレヴツ。
ストロームとの抱擁も、他の選手たちとの握手も表情は凍り付いたまま。表彰式ではようやく笑顔が見られたけど、その前には悔し涙も見られた。

WCでは2023/242024/25の2シーズン連続総合優勝。今季も13勝を挙げ断トツのトップを走る。
絶対的な存在として臨んだ初のオリンピック。やはり、緊張もあっただろうか。それが1本目のパフォーマンスに見て取れたように思う。

2014年ソチ大会で五輪種目となった女子スキージャンプ。当初は個人ノーマルヒルの一種目だけ。不本意な結果に終わっても、リベンジには4年待たなければならなかった。

しかし、前回の北京から混合団体が、そして今大会から個人ラージヒルが実施されるようになった。よって、今日の失意は、この大会のうちに取り返すチャンスがまだ残っている。

プレヴツにとっても、高梨沙羅、勢藤優花、伊藤有希にとっても、そして、他の全ての選手にとっても。