ジャンプ週間開幕 ドメン・プレヴツがオーストリアとドイツの包囲網を蹴散らす 小林陵侑は6位発進

Official Results
| 1 | ドメン・プレヴツ(SLO) | 316.7pt | ノウシアイネン |
| 2 | ダニエル・チョフェニック(AUT) | 299.2pt | コウデルカ |
| 3 | フェリックス・ホフマン(GER) | 297.3pt | ヴェリンガー |
| 6 | 小林 陵侑(TEAM ROY) | 295.0pt | シュミット |
| 13 | 二階堂 蓮(日本ビールスキー部) | 281.1pt | スンダル |
| 15 | 中村 直幹(Flying Laboratory SC) | 278.7pt | ビックナー |
| 35 | 内藤 智文(山形市役所) | 122.4pt | ストッフ |
| 37 | 小林 朔太郎(雪印メグミルクスキー部) | 116.8pt | シュスター |
| 41 | 小林 潤志郎(Wynn.) | 111.5pt | ライムント |
さすがはジャンプ週間。
万余の大観衆の中、ラスト10人の争いのなんと面白かったことか。
火をつけたのは10位で2本目を迎えた小林陵侑。
渾身のガッツポーズが出るほどのパフォーマンスは2本目3位の得点で、カレントリーダーに。
続くは、今季ここまでは猫をかぶってい事を知らしめるが如く1本目で5人がトップ10に入ったオーストリア。
しかし、オルトナーとクラフトは悪い風に抗えず伸ばせない。
対して宿敵ドイツは、ライムントがカレントリーダーとなり自国の大歓声を浴びると、続くホフマンがそれを上回り場内を熱狂の渦に。
この時点で、ドイツがワンツー。ガイガーが予選落ち、ヴェリンガーとパシュケも1本目でカットされたなか、新Wエースがドイツの希望をつないだ。
しかし、この希望はすぐにザイツによって打ち砕かれる。
続くチョフェニックは、なんと同点でザイツに並ぶ。
開幕戦で優勝したことが遠い昔のことになってしまっていたチョフェニックこそ、本当に猫をかぶっていたと思わざるを得ない。
ラスト3人。
通算3度目の表彰台が見えていたオルトナーがトップ10にも踏みとどまることができず、続くヘールも表彰台に踏みとどまることはできなかった。
ラストはドメン・プレヴツ。
ザイツとチョフェニックが描いた緑のラインを軽々と越えていき届いた先は1本目の141.5mに迫る140.0m。いやはや脱帽だ。
プレヴツは今季6勝目。
前戦で小林陵侑により連勝は止められたが、何事もなかったような圧巻の勝ちっぷり。
なお、これはスロベニアの選手にとってジャンプ週間オーベルストドルフでの初めての勝利なのだとか。
スロベニアvsドイツvsオーストリアの三つ巴の戦いとなったジャンプ週間初戦。
が、チョフェニックと同点2位だったザイツが試合後にスーツ違反で失格となってしまった。
結果として、三つ巴の構図はプレヴツvsドイツvsオーストリアと言った方が正しいだろうか。
小林陵侑が6位となった日本も、何とかこの争いの中に喰い付いていきたい。
プレヴツが頭一つ抜けてはいるが、2位以下はまだまだ全然僅差だ。
4Hillsトーナメント暫定順位
| 1 | ドメン・プレヴツ(SLO) | 316.7pt |
| 2 | ダニエル・チョフェニック(AUT) | -17.5 |
| 3 | フェリックス・ホフマン(GER) | -19.4 |
| 4 | ヤン・ヘール(AUT) | -19.6 |
| 5 | フィリップ・ライムント(GER) | -21.1 |
| 6 | 小林 陵侑(JPN) | -21.7 |
さて、日本チーム。
前回の記事に書いた、ジャンプ週間とザコパネの派遣メンバーに関する私の解釈は誤りだったようだ。
全面的に誤っていたわけではないが、最も言わんとしていたことが、「途中でメンバーを入れ替えることがあらかじめ予定されているわけではない」ということ」だったので、そこは間違い。
実際は、ジャンプ週間第2戦以降は、調子などを見て試合ごとに選手を選ぶという方針のようだ。
よって、前回の記事に書いた、佐藤幸椰はザコパネまでWCメンバーから外れる(COCで追加枠を取ることを除けば)と解釈したことと、遠征メンバーが7名となっていることについての私なりの解釈は、どちらも間違いだったということになる。
ジャンプ週間第2戦以降は試合ごとに選手を選ぶとはいえ、その対象からは小林陵侑、二階堂蓮、中村直幹は外れているもよう。
そして、おそらく小林朔太郎も外れる。理由は今まで何度か書いてきた通り五輪枠の確保のため。
つまり、対象となるのは、内藤智文、小林潤志郎、佐藤幸椰の3名ということになる。
佐藤幸椰は命拾いしたとも取れるので、それは良かったと思う。
一方で、COCルカで追加枠を獲りWCチームに加わった小林潤志郎にしてみれば、ジャンプ週間全4試合ともエントリーされると思っていたのに話が違うという心境ではないだろうか。
五輪出場枠の確保と選手選考を同時進行でやらなければならないので仕方がないとはいえ、選手の心情を思うと少しやるせない。
特に、五輪枠確保の命運を託されてしまっている小林朔太郎は気の毒に思う。ぜひとも自分のために戦って欲しい。
WCエンゲルベルク終了後に佐藤幸椰はチームを離れCOCエンゲルベルクに参戦。
この2試合で1つのピリオドを形成しているが、幸椰は第1戦で5位、第2戦は3位で、見事に追加枠を獲得。
12/27
FISコンチネンタルカップ第3戦エンゲルベルク(SUI)
| 5 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部) |
| 18 | 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) |
| 20 | 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) |
| 36 | 渡部 陸太(東京美装グループスキー部) |
12/28
FISコンチネンタルカップ第4戦エンゲルベルク(SUI)
| 3 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルクスキー部) |
| 21 | 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) |
| 22 | 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) |
| 37 | 渡部 陸太(東京美装グループスキー部) |
これにより、日本チームはザコパネと札幌も6枠となる。
開幕から札幌までの3ピリオドに渡って6枠を継続中。これはすごいことだ。
当初、スキップするのではと言われていたザコパネにも参戦するようだ。
ザコパネでの個人戦は1試合だけだが、五輪枠確保と選手選考にとっては貴重な1試合となる。
なお、ザコパネには小林陵侑と二階堂蓮は参戦しないらしいので、成績にかかわらず小林潤志郎もザコパネに残ることになるのではないか。
それでもまだ1枠残っているので、そこはどうなるだろう。

