第42回札幌市長杯宮の森サマージャンプ大会

佐藤慧一が宮の森初V 布施飛雄真は少年組初V 丸山希は僅差で競り勝つ

全日本スキー連盟A級公認
  • 2024年8月2日(金)
  • 札幌市 宮の森ジャンプ競技場
  • HS100/K90

女子組

1  丸山 希(北野建設SC) 215.0pt
2  葛西 春香(早稲田大学) 214.1pt
3  伊藤 有希(土屋ホームスキー部) 212.7pt

リザルト

少年組

1  布施 飛雄真(日大山形高校) 154.4pt
2  森 大耀(札幌福井野中学校) 147.7pt
3  三上 託摩(余市紅志高校) 136.7pt

リザルト

成年組

1  佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) 243.5pt
2  二階堂 蓮(日本ビールスキー部) 223.7pt
3  内藤 智文(山形県スポーツ協会) 222.5pt

リザルト 男子総合


2017年以降、恒例となった真夏の札幌三連戦。
今年は大きく様相が異なり、男女ともに夏のグランプリ前半戦(4試合)の派遣が懸かる選考試合となった。
7月25日に一部の派遣選手が発表されているが、男女ともに2枠ずつが、この3連戦の結果に委ねられている。

男子 グランプリ前半戦の選考基準

男子においては、①と②の基準により3名の派遣選手が発表されている。
①には、本来であれば小林陵侑と二階堂蓮の名前があるはずだが、おそらく辞退をしたのであろう。繰り上がって小林潤志郎と中村直幹が選ばれた。
②の基準では、小林朔太郎が選ばれている。
③の基準により、残り2名がこの3連戦で競われることになる。

なお、この3連戦の成績は、男子においては冬のワールドカップ開幕メンバー選考にも影響してくる。

女子 グランプリ前半戦の選考基準

女子においても、①と②の基準により4名の派遣選手が発表されている。
①の基準では、該当している伊藤有希、丸山希、勢藤優花が辞退をしたようで、高梨沙羅だけが選考された。
②の基準では、岩佐明香、一戸くる実、宮嶋林湖が選ばれている。
③の基準により、残り2名がこの3連戦で競われることになる。

今回辞退した選手たちは、男女ともにGP後半戦から登場することになるだろう。
いずれにしても、ここから先のGP及びWCの成績は、2026年ミラノ・コルティナ五輪の選考に直接的に影響してくる。

そこを目指す選手たちにとって極めて重要な3連戦。
その初戦は、K点付近は時折涼しい向かい風が吹くが、特に2本目においてはWF(ウィンドファクター)の数値は一応マイナスではあるものの基本は一桁。上の方では、厳しい追い風が吹いていたものと思われる

初戦にして早くも風雲急を告げる展開。

女子組

1 丸山 希(北野建設SC)
2 葛西 春香(早稲田大学)
3 伊藤 有希(土屋ホームスキー部)
4 勢藤 優花(オカモトグループ)
5 葛西 優奈(早稲田大学)
6 一戸 くる実(CHINTAIスキークラブ)

女子組は、夏の開幕戦となった名寄はエントリーしていなかった丸山希が優勝。
2位に名寄4位の葛西春香。3位は名寄からの連勝とはならなかった伊藤有希。
3位までが2.3ptに収まる大接戦だった。

少年組は、日大山形高校2年生の布施飛雄真が少年組で初優勝。
中学時は目立った成績はなかったが、今年2月のインターハイで5位、続く全高選抜で3位と瞬く間に力をつけ、今季は強化指定Dにも名前を連ねた。
本人の努力はもちろんのこと、良い指導者にも恵まれたのだろう。

2位は中学生のコンバインダー森大耀。東海大に進んだ兄の恢晟に続く逸材。
3位は余市紅志高校に進学した表彰台の常連である三上託摩。

少年組

1 布施 飛雄真(日大山形高校)
2 森 大耀(札幌福井野中学校)
3 三上 託摩(余市紅志高校)
4 西澤 希陸(白馬高校)
5 佐々木 星語(札幌日大高校)
6 岡部 凛大郎(下川商業高校)

成年組

1 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部)
2 二階堂 蓮(日本ビールスキー部)
3 内藤 智文(山形県スポーツ協会)
4 小林 朔太郎(雪印メグミルクスキー部)
5 小林 潤志郎(Wynn.)
6 竹花 大松(土屋ホームスキー部)

熾烈を極めた男子組。
追風上等とばかりに果敢に挑んだが、やはり条件は厳しかったか2本の順位に大きな乖離が見られる選手が目立つ。

そんな中で1本目でトップ、2本目で2位と安定した成績を見せた佐藤慧一が優勝。宮の森では少年組も含めて初優勝なのだそう。
二階堂蓮は1本目のコーチリクエストが填まらず12位と出遅れたが、2本目で10人捲って2位。
3位の内藤智文は、2本目でK点付近でさえも追い風になってしまったが、耐えに耐えて5位から表彰台をゲット。

選考争いの渦中にいるのは、前出の「選考対象者の条件」により、佐藤慧一、内藤智文、竹内択、葛西紀明、佐藤幸椰といった選手たち。

「総合ジャンプポイント」が何を指すのかが今ひとつわかりにくいが、これは順位に対して与えられるポイントではなく、各試合の得点の合計を指すものと思われる。
よって、順位もさることながら、0.1ptでも多くポイントを積み上げていくことが重要となる。

表彰式

女子組

ちゃんと撮れや下手くそ! と、怒られそうだが…
ジャンプ台を背景に表彰台を設置する最近の宮の森にあって、表彰式の写真を獲るのは至難の業。
金網と報道陣と役員の間の僅かな隙間をついて狙うしかなく、事実上運任せ。
丸山選手には大変申し訳ないが、これが精いっぱい。ごめんなさい。

少年組
成年組

7月2日に発表されている『2024/25 国際主要大会参戦基準
特筆すべきは、昨年までと違って冬シーズンも含めて最終戦までがすべて網羅されているという点。

今までは、先ずは夏の基準だけが示されていたので、そこでの成績がどのように冬に繋がるのかが不透明だった。ともすれば、夏の成績を見てから冬の開幕メンバーを当て書きしているようにも見えたので、そこが解消される。
賛否はあるだろうが、個人的にはこの方がより明快で公平であるように思える。

この試合に勝てばどうなるのか? 何位までに入れば次にどんなステップが待っているのか?
選手サイドにとって重要であることはもちろん、応援する側にとっても非常に大事なこと。
実はこれを表したものが『選考基準』だ
以前、そのことについて書いているので興味のある方はどうぞ。

2024夏季・秋季 国内戦の表彰台(女子)

大会 優勝 2位 3位
サンピラー記念 伊藤 有希 一戸 くる実 葛西 優奈
札幌市長杯NH 丸山 希 葛西 春香 伊藤 有希
札幌市長杯LH      
チャレンジカップ      
サマー蔵王      
塩沢      
白馬記録会      
白馬サマー      
妙高サマー      
鹿角サマー      
全日本選手権NH      
全日本選手権LH      
UHB杯      
NHK杯      

2024夏季・秋季 国内戦の表彰台(男子)

大会 優勝 2位 3位
サンピラー記念 佐藤 幸椰 佐藤 慧一 坂野 旭飛
札幌市長杯NH 佐藤 慧一 二階堂 蓮 内藤 智文
札幌市長杯LH      
チャレンジカップ      
サマー蔵王      
塩沢      
白馬記録会      
白馬サマー      
妙高サマー      
鹿角サマー      
全日本選手権NH      
全日本選手権LH      
UHB杯      
NHK杯      
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