佐藤幸椰 逆転優勝 大倉山に8季ぶりに響く君が代
2020年2月1日(土)札幌(JPN)HS137/K123
21st World Cup Competition
1 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルク) | 244.3pt |
2 | シュテファン・クラフト(AUT) | 234.1pt |
3 | ダヴィド・クバツキ(POL) | 229.5pt |
15 | 小林 陵侑(土屋ホーム) | 208.0pt |
20 | 竹内 択(team taku) | 194.4pt |
24 | 佐藤 慧一(雪印メグミルク) | 180.5pt |
28 | 岩佐 勇研(東京美装グループ) | 144.4pt |
31 | 栃本 翔平(雪印メグミルク) | 81.9pt |
35 | 二階堂 蓮(下川商業高校) | 76.2pt |
37 | 中村 直幹(東海大学札幌SC) | 73.5pt |
42 | 小林 潤志郎(雪印メグミルク) | 62.1pt |
55 | 葛西 紀明(土屋ホーム) | 予選落ち |
伊東 大貴(雪印メグミルク) | 予選失格 | |
渡部 弘晃(東京美装グループ) | 予選失格 |
1本目でこの日の最長不倒である141.5mを飛んでトップに立った小林陵侑が最終ジャンパーとしてゲートに収まる。
リーダーボードには佐藤幸椰。2本目でこの日2番目の飛距離である138.5mを飛び、1本目6位から爆上げしてきた。
どちらが上に立つにしても日本人ワンツー。それがここ大倉山で見られる。観客の誰もが信じて疑わなかったことだろう。
しかし、陵侑はK点のはるか手前110.0mにパタリと落ちた。
大倉山の風は、この日もいつも通り何度かの悪さを働いたけれど、それがこの場面で出るなんて…
「風を何も感じなかった」とのことだけれど、ただし、宮平コーチによると踏切りのタイミングも少し早かったらしい。
ワンツーは夢に終わったけれど、佐藤幸椰の成し遂げたことにはもちろん一点の曇りもない。
1本目6位からの大逆転となったが、これは幸椰の勝ちパターン。今季ニジニ・タギルでのWC初優勝も1本目7位からの逆転だった。
条件が味方したことは間違いない。だからと言って簡単にHSオーバーを2本揃えられるわけではないだろう。
1本目と2本目の順位に乖離の見られる選手も多くアタリハズレのある試合ではあったけれど、表彰台にはクラフト、クバツキという優勝候補筆頭の二人が上がっことからも、幸運だけではなくしっかりと実力が反映された結果であると思う。
幸椰は今季・通算ともに2勝目。
総合では14位から一気にジャンプアップして9位に浮上。
今季ここまで複数勝利を収めたのは、クバツキ、陵侑、ガイガー、リンビーク、ストッフ、タンデと幸椰の6名のみ。
トップ10 & チームJAPAN
1 佐藤 幸椰(雪印メグミルク)
2 シュテファン・クラフト(AUT)
3 ダヴィド・クバツキ(POL)
4 ドメン・プレヴツ(SLO)
5 シュテファン・ライエ(GER)
6 ロマン・コウデルカ(CZE)
7 ぺテル・プレヴツ(SLO)
8 ピオトル・ジワ(POL)
9 ダニエル-アンドレ・タンデ(NOR)
10 ピウス・パシュケ(GER)
15 小林 陵侑(土屋ホーム)
20 竹内 択(team taku)
24 佐藤 慧一(雪印メグミルク)
28 岩佐 勇研(東京美装グループ)
31 栃本 翔平(雪印メグミルク)
35 二階堂 蓮(下川商業高校)
37 中村 直幹(東海大学札幌SC)
42 小林 潤志郎(雪印メグミルク)
昨年ここで2連勝を遂げたクラフトは今季7度目となる2位。
なかなか勝たせてもらえない試合が続くが、ガイガーが11位に沈んだことで今季初めてのイエロービブ奪取に成功。
3位のクバツキは10戦連続の表彰台。
ドメン・プレヴツは今季最高位となる4位。
そして何よりも、ここで勝ったことのあるコウデルカが今季最高位の6位となったことがうれしい。
表彰式
前日の予選で葛西紀明は最下位。
飛距離はわずか84.5m。
58人のエントリーで失格者が3人いたにもかかわらずのこの結果。さすがに厳しい。
その失格者3人のうちの二人が日本勢。
伊東大貴と渡部弘晃がスーツの違反で失格となった。
今回の札幌大会の日本人選手の中で、個人的に一番楽しみにしていたのがこの二人だっただけにとても残念。
岩佐勇研が、エンゲルベルクでの2戦に続いてしっかりとポイントをゲット。
下川商業高校の二階堂蓮は、金曜の予選を38位で通過し見事にWC初出場となった。
2週間前のユースオリンピックで金メダルに輝いた名前の読めない17歳のオーストリア人WOERGOETTER。
とりあえずヴォエルゲッターと表記しておくが、てっきり先週のCOCでここで勝ったライトナーでも使ってくるのかと思いきや、フェルダーはこの新鋭をデビューさせた。
そして堂々の22位。
そんなマルコ・ヴォエルゲッターをはじめとして、遠い遠いSapporoまで遥々やってきてくれた海外選手たちに敬意を表し、下手な写真ではあるが例によって何人かをピックアップしてみた。
11 カール・ガイガー(GER)
12 コンスタンティン・シュミット(GER)
14 ロベルト・ヨハンソン(NOR)
17 アンツェ・ラニセク(SLO)
19 セネ・プレヴツ(SLO)
21 カミル・ストッフ(POL)
=22 マリウス・リンビーク(NOR)
=22 マルコ・ヴォエルゲッター(AUT)
26 マルクス・アイゼンビヒラー(GER)
33 グレゴア・シュリーレンツァウアー(AUT)
シュリーリが大倉山を飛ぶのは2009年大会以来なのだそう。
私がWC札幌大会を見始めたのは2010年だから生シュリーリを見るのはこれが初めて。
…と思いきや、2007年世界選手権札幌大会に出場しているとのことなので、その時に一度生シュリーリを見ていることになる。
もっとも、全然覚えていないけれど。
というか、生シュリーリっておいしそう。
WC札幌大会での日本人選手の優勝は2011/12の伊東大貴の2連勝(土曜と日曜)以来8年ぶり。
この日、君が代が流れ日の丸が掲揚される様にウルウルときたけれど、そういえば大貴の時も自分でも驚くほどに感極まってしまったことが思い出された。
その時もそしてこの日も、自然と君が代を口ずさんだし、周りからも聞こえてきてはいた。
でも、自国の選手が自国で優勝を遂げたという状況に立ちあえた割には…
こんな時に、観客みんなで声高らかに大合唱して選手の栄誉を称えるような国民性が欲しいと強く思った。
だって、やってみたいじゃない。
カミル・ストッフを称えるザコパネの観客の大合唱みたいにさ。