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2014/15 FISスキージャンプワールドカップ男子個人最終戦プラニツァ

ドイツのフロイントが総合優勝 プレヴツは同点ながら勝利数で涙を呑む

2015年3月22日(日)プラニツァ(SLO)HS225/K200

① ユーリ・テペシュ(SLO) 436.4pt(230.5m 244.0m)
② ぺテル・プレヴツ(SLO) 433.6pt(236.5m 233.5m)
③ ルネ・ベルタ(NOR) 418.2pt(230.5m 226.5m)

8 葛西 紀明(土屋ホーム) 405.5pt(223.5m 229.0m)
12 伊東 大貴(雪印メグミルク) 378.4pt(207.5m 217.5m)
28 竹内 択(北野建設) 321.2pt(194.5m 192.5m)

 



長いシーズンの果てにまさかこんなドラマが待っていたとは!

 

この試合で仮にプレヴツが優勝してもフロイントは3位に入ればトップを守れる点差だった。
でも前戦のフロイントは4位。
最終戦での逆転はあり得ない話では全然ない。

 

1本目。
プレヴツはフロイントの目前で236.5mのビッグジャンプ。
少しテレマークが崩れたように見えたけれど飛型点は58.5ptの高得点でカレントリーダーに。
これにプレッシャーを受けたか、続くフロイントは222.5mでまさかの7位に天を仰いだ
総合優勝へはあと4つ順位を上げなければならないが、そこにはクラフト、シュリー、テペシュ、ベルタ、ストッフら失敗しない者たちが立ちはだかる。
絶望的な状況。

 

2本目。
フロイントは4人が20.0ptを付ける渾身のテレマークを見せたが、いかんせん飛距離が伸びない。
1本目同様にテレマーク後に天を仰ぎ、スキーを脱いでバックヤードのベンチに座ってもう一度天を仰いだ。
この時点で2位。
万事休すか・・・

 

しかし、ここからドラマが動き出す。
バイプレーヤーとなったのはシュリーレンツァウアー。そしてテペシュ。
1本目5位だったシュリーは飛距離を伸ばせず後退。
結果論だけど、フロイントが7位で終わるか8位で終わるかでは天国と地獄の差になっていた。
目立たないけどとてつもなく大きな勝負の綾。
続いて1本目4位のテペシュがこの試合最長不倒となる244.0m。
しかも、飛型点はオール20.0pt。
このスーパージャンプでカレントリーダーに。

 

そして運命のプレヴツ2本目。
4人が20.0ptを付ける全身全霊のジャンプを見せた。
しかし、テペシュには追いつけず結果は2位。

 

フロイントは7位で36ptを加算。2位プレヴツは80ptを加算。
試合前にあった二人のポイント差は44pt。
31試合を戦い抜いた先に待っていたのは、なんと同ポイント!
こんなことが起こるなんて!

 

同ポイントの場合は、勝利数の多いものが総合優勝というルールゆえに、3勝のプレヴツではなく9勝のフロイントが総合王者に輝いた。
まぁ、9勝してチャンピオンになれなかったら、それはそれで物議を醸しそうなのでこれでよかったんじゃないかな。
世界選手権LHも獲り、ここにWC総合を獲った。
2011年札幌大会(こちら)での初優勝を目の当たりにした者の一人として、彼がここまで上り詰めたことにはひときわ感慨深いものがある。 (この時はホントはマリシュに勝ってほしかったから悔しかったけどね)
おめでとう、セヴィ!

 

セヴェリン・フロイント

2011札幌大会のフラワーセレモニー 中央がフロイント、左はモルギー、右はマリシュ

 

テペシュは2013年プラニツァ以来の通算2勝目。
うれしい勝利が皮肉にもチームメートの総合優勝を阻止する結果となってしまったけど、こればっかりはしょうがないよね。
恨むべきは2本で合計8つの20.0ptを付けた飛型審判たちかな。
でも、それが無かったとしても順位は変わっていたかどうか・・・
それにしても、テペシュの2本目の時に満面の笑顔で拍手する葛西を映したのは97-98シーズンのことを暗に言おうとしてたから?

 

その葛西は優勝1回、登壇6回、トップ10内23回で、総合6位。
オフシーズンにほとんどトレーニングできないままのシーズンインでここまでやれるとは驚きの一言に尽きる。
大貴が最終戦で「らしさ」を見せてくれて安心したし、作山がシーズンを通して戦えてたのも印象深い。
クラフト、ファンネメル、ハイベック、コウデルカ、ベルタ、アマン・・・彼らもホントにシーズンを盛り上げてくれたよね。

 

世代交代が進み、新旧入り乱れての大混戦の1年。
最後の最後の瞬間までチャンピオン争いがもつれた歴史的なシーズンとして記憶に残るだろうね。

 

 

個人総合順位 
セヴェリン・フロイント(GER)17299勝
ぺテル・プレヴツ(SLO)17293勝
シュテファン・クラフト(AUT)15783勝
アンデシュ・ファンネメル(NOR)11612勝
ミハエル・ハイベック(AUT)11571勝
葛西 紀明(土屋ホーム)11371勝
ロマン・コウデルカ(CZE)11134勝
ルネ・ベルタ(NOR)848最高位2位
カミル・ストッフ(POL)8202勝
10グレゴア・シュリーレンツァウアー(AUT)7391勝
11シモン・アマン(SUI)6462勝
12リヒャルト・フライターク(GER)6222勝
13ユーリ・テペシュ(SLO)5541勝
16伊東 大貴(雪印メグミルク)513最高位2位
17アンデシュ・ヤコブセン(NOR)5111勝
20竹内 択(北野建設)363最高位5位
44小林 潤志郎(雪印メグミルク)95最高位13位
46栃本 翔平(雪印メグミルク)79最高位11位
49作山 憲斗(北野建設)62最高位18位
82伊藤 謙司郎(雪印メグミルク)2最高位29位

 

個人戦 大会別優勝者
2014.11.23クリンゲンタールロマン・コウデルカ(CZE)
2014.11.28ルカシモン・アマン(SUI)
2014.11.29ルカシモン・アマン(SUI)
葛西 紀明(土屋ホーム)
2014.12.06リレハンメルグレゴア・シュリーレンツァウアー(AUT)
2014.12.07リレハンメルロマン・コウデルカ(CZE)
2014.12.13ニジニ・タギルアンデシュ・ファンネメル(NOR)
2014.12.14ニジニ・タギルセヴェリン・フロイント(GER)
2014.12.20エンゲルベルクリヒャルト・フライターク(GER)
2014.12.21エンゲルベルクロマン・コウデルカ(CZE)
2014.12.28オーベルストドルフシュテファン・クラフト(AUT)
2015.01.01ガルミッシュ
パルテンキルヘン
アンデシュ・ヤコブセン(NOR)
2015.01.04インスブルックリヒャルト・フライターク(GER)
2015.01.06ビショフスホーフェンミハエル・ハイベック(AUT)
2015.01.10タウプリッツ/
バートミッテルンドルフ
セヴェリン・フロイント(GER)
2015.01.11タウプリッツ/
バートミッテルンドルフ
開催中止
2015.01.15 ヴィスワ シュテファン・クラフト(AUT) 
2015.01.18ザコパネカミル・ストッフ(POL)
2015.01.24札幌ぺテル・プレヴツ(SLO)
2015.01.25札幌ロマン・コウデルカ(CZE)
2015.01.30ヴィリンゲンカミル・ストッフ(POL)
2015.02.01ヴィリンゲンセヴェリン・フロイント(GER)
2015.02.07ティティゼー
ノイシュタット
セヴェリン・フロイント(GER)
2015.02.08ティティゼー
ノイシュタット
アンデシュ・ファンネメル(NOR)
2015.02.14ビケルスンぺテル・プレヴツ(SLO)
2015.02.15ビケルスンセヴェリン・フロイント(GER)
2015.03.08ラハティシュテファン・クラフト(AUT)
2015.03.10 クオピオセヴェリン・フロイント(GER)
2015.03.12 トロンハイムセヴェリン・フロイント(GER)
2015.03.14 オスロセヴェリン・フロイント(GER)
2015.03.15 オスロセヴェリン・フロイント(GER)
2015.03.20 プラニツァぺテル・プレヴツ(SLO)
2015.03.22 プラニツァユーリ・テペシュ(SLO)

 

ジャンプ週間総合順位 
シュテファン・クラフト(AUT)1106.71位-6位-2位-3位
ミハエル・ハイベック(AUT)1100.72位-7位-6位-1位
ぺテル・プレヴツ(SLO)1077.23位-3位-11位-4位
葛西 紀明(土屋ホーム)1074.88位-8位-3位-2位
アンデシュ・ヤコブセン(NOR)1060.114位-1位-9位-5位
24竹内 択(北野建設)713.020位-1位-×-16位
32伊東 大貴(雪印メグミルク)604.59位-26位-34位-×
38小林 潤志郎(雪印メグミルク)492.341位-2位-41位-47位
41作山 憲斗(北野建設)424.436位-32位-39位-36位
63清水 礼留飛(雪印メグミルク)89.5×-×-×-49位

 

フライング総合順位 
ぺテル・プレヴツ(SLO)3454位-1位-16位-1位-2位
セヴェリン・フロイント(GER)3361位-4位-1位-4位-7位
ユーリ・テペシュ(SLO)2873位-14位-9位-2位-1位
葛西 紀明(土屋ホーム)2275位-3位-5位-5位-8位
ルネ・ベルタ(NOR)2006位-21位-4位-6位-3位
10伊東 大貴(雪印メグミルク)9922位-8位-11位-19位-12位
17竹内 択(北野建設)6817位-9位-19位-21位-28位
31小林 潤志郎(雪印メグミルク)2618位-0位-24位-25位-×
34栃本 翔平(雪印メグミルク)20×-31位-13位-0位-×
45作山 憲斗(北野建設)90位-28位-25位-0位-×

 

団体戦 大会別優勝国
2014.11.22クリンゲンタールドイツ日本2位
2015.01.17ザコパネドイツ日本6位
2015.01.31ヴィリンゲンスロベニア日本4位
2015.03.07ラハティノルウェー日本3位
2015.03.21プラニツァスロベニア日本5位

 

ネイションズカップ 
ドイツ5533
ノルウェー5496
オーストリア5193
スロベニア4994
日本3501
ポーランド2282
チェコ1839
スイス950
フィンランド760
10ロシア487