熾烈な争いの末に葛西紀明、佐藤慧一、小林朔太郎がWC札幌大会の代表入りを確実にする
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コンチネンタルカップ 第13戦
1 | フェリックス・ホッフマン(GER) | 260.3pt |
2 | ロビン・ペデルセン(NOR) | 257.4pt |
3 | ダニエル・フーバー(AUT) | 254.3pt |
15 | 佐藤 慧一(雪印メグミルクスキー部) | 216.4pt |
17 | 小林 朔太郎(草津スキークラブ) | 207.4pt |
18 | 内藤 智文(山形県スポーツ協会) | 204.3pt |
21 | 葛西 紀明(土屋ホームスキー部) | 196.5pt |
STVカップ兼COC札幌第2戦の終了後、14時から実施されたCOC札幌第3戦。
日本勢では、COC札幌第2戦終了時点のCOCスタンディング上位4名がエントリー。
このうち3名が、2月に開催されるワールドカップ札幌大会の代表に選ばれることになる。
まさに最終決戦となったわけだが、最上位は佐藤慧一の15位。
17位に小林朔太郎、18位に内藤智文。
第1戦と第2戦で日本勢最高位だった葛西紀明は21位。
この結果、この4名のCOCスタンディングは次のとおり。
上位3名の葛西紀明、佐藤慧一、小林朔太郎がWC札幌大会の代表入りに内定した。
- 葛西紀明 63pt
- 佐藤慧一 58pt
- 小林朔太郎 43pt
- 内藤智文 38pt
Top6 & Team Japan
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小林朔太郎と内藤智文は4ptという僅差でこの試合を迎えていた。
おそらくは両者ともに極限の緊張状態にあったのではないだろうか。
ふたりとも本来の力を出し尽くしたとは言い難いが、それぐらい特異な状況に置かれていた。
見ているこちらも胃がヒリヒリとするような戦いだった。
何故だか涙が溢れ出しそうになり、抑えるのに必死だった。
伊東大貴が大倉山で初優勝を挙げたとき、伊藤有希が宮の森で初優勝を挙げたとき。その時に堪えた感涙とはまるで違う。複雑な感情で何とも説明し難い。
それにしても、戦いは時に非情だ。
表彰式
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優勝はドイツのフェリックス・ホッフマン。
WCには9試合出場し最高位は27位。
COC通算4勝目。今季は初優勝で総合4位につけている。
札幌ではお馴染みの選手で、COC札幌の出場は2018年の初出場から数えて12試合目。
この日の午前の試合で札幌では初めてとなるシングル4位。そして午後に優勝を果たした。
2位は午前中の勝者でイエロービブのペデルセン。
3位は札幌大会3戦すべてで表彰台に上がることとなったフーバー。
土曜日にオーストリアが表彰台を独占したことで、この日の2試合もオーストリアの独壇場になるかとも思われたが、終わってみれば3試合で優勝者の国籍はAUT、NOR、GERと全て違った。
ただ、やはり全体としてみればオーストリアの強さが際立っていただろうか。
複雑な感情になった理由はもう一つある。
海外勢の強さの前に、日本勢は相当な苦戦を強いられた。
トップ10に入ったのは初戦の葛西紀明の9位だけ。初戦の1本目を6位で折り返した内藤智文には表彰台の期待感を持てたが、それ以外は表彰台があまりに遠かった。
世界の壁の高さを改めて見せつけられた2日間。
なんだか、打ちひしがれて家路につくことになってしまった。
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前述の通り、葛西紀明、佐藤慧一、小林朔太郎の3名が『選考基準』の③によりWC札幌大会の代表入りを確実なものとした。
また、①により坂野旭飛も当確と言ってよいだろう。
まだ正式に発表されたわけではないが、『選考基準』通りであれば確実視できるものなので、まずは「おめでとう」の言葉を伝えたい。
さて、札幌大会のエントリー枠は9名。
よって残りの5名は②と④の基準により選考されることになる。
なお、①~④の番号は選考の優先順位を表す。
②の「WCスタンディング」に名前が載っている選手は現時点で4名。
今季のWCでポイントを獲得した小林陵侑、二階堂蓮、小林潤志郎、竹内択がそれだ。
「上位」が具体的に何を表すかは明確ではないが、WCスタンディングに名前が載っている選手、つまり今季のWCでポイントを獲得した選手とみて間違いはないだろう。
いつの時点かという点も明確ではない。
④には「2月5日時点」とあるので、②も同じ期限かなという気もする。
だとすればヴィリンゲンまでとなるが、札幌大会の前週のレークプラシッドまでなのかもしれない。
ヴィリンゲンまでだとして2試合、レークプラシッドまでだとして4試合。
そこで中村直幹がポイントを獲れば②に該当して当確となり9名の枠が埋まる。
一方、もし中村直幹がポイントを獲れなければ、④の条件によりWRLで中村直幹を上回る内藤智文が当確となる。
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中村直幹が自力で代表権をつかみ獲ることが可能なのに対して、内藤智文は待つしかない。
胃がヒリヒリとする時間は、まだしばらく続く。