クラマー圧勝 高梨は今季最高4位 岩佐明香が予選突破
2021年12月11日(土) クリンゲンタール(GER)HS140/K125
6th World Cup Competition
1 | マリタ・クラマー(AUT) | 260.3pt |
2 | シリエ・オプセット(NOR) | 239.0pt |
3 | カタリナ・アルトハウス(GER) | 236.5pt |
4 | 高梨 沙羅(クラレ) | 230.4pt |
10 | 勢藤 優花(北海道ハイテクAC) | 188.5pt |
25 | 岩佐 明香(大林組スキー部) | 149.7pt |
37 | 岩渕 香里(北野建設) | 57.2pt |
45 | 伊藤 有希(土屋ホームスキー部) | 予選落ち |
クラマーが2位オプセットに21.3ptの大差をつけて圧勝した。
これで3連勝。でも前の二つの勝利とはクラマーの表情はずいぶんと異なる。
アルトハウスに詰め寄られた第4戦。オプセットを僅差でかわした第5戦。いずれも勝ちはしたものの、首をかしげ明らかに不満げだった。
開幕戦での異次元の勝ちっぷりのイメージが自身の中に残っているのだろう。その再現ができないことへの苛立ちが見て取れた。
しかし、この日はどうか。
開幕戦程ではなかったものの、ある程度の格の違いを見せることはできたと本人も思ったのだろう。
前2試合に比べて見違えるほど表情は明るい。インタビューに答える声も弾んだ。
これで6戦4勝。大本命がいよいよ勢いづいてきた。
今季最高の4位だった高梨沙羅。
2本目では条件の良さも手伝って久々に胸のすく大ジャンプを見せた。
フェンスの向こうで拍手を送るチームメートたちに応える形であったのかもしれないけれど、珍しく両手を挙げて喜びを表した。
3位アルトハウスとの差は6.1pt。テレマークさえ入れば埋められそうな差ではある。でもクラマーとの差はあまりにも大きい。
前戦では5年10ヵ月ぶりの自己最高位タイ6位だった岩渕香里は2本目に進めず。
また、前戦1本目で9位となり復調の兆しが見えた伊藤有希は、開幕戦以来今季2度目の予選落ち。
一方で、勢藤優花が2019/20リュブノでの9位以来2シーズンぶりのトップ10入り。
そして、岩佐明香が今季6戦目にしてようやく予選を突破した。さらに見事にポイントをゲット。
2018/19シーズン以来3季ぶりの海外WC派遣。しかも開幕メンバー入りは初めて。
日本開催のWCでは2017/18札幌での15位など7試合でポイントを獲得しているが、海外WCでは初。
これで一皮むけることができただろう。おめでとう!
さて、11日に全日本スキー連盟と国際スキー連盟から2022年1月の札幌と蔵王でのワールドカップ7試合の中止が発表された。
この舞台を目指していた国内の選手たちの無念は察するに余りある。
特に、女子の五輪代表選考は札幌と蔵王までのWCの成績上位者とされており、開催国枠で出場する国内組の選手たちにも可能性が残されていた。
仕方がないこととはいえ、ここに懸けていた選手たちがあまりにも気の毒だ。