2019/20 FISスキージャンプワールドカップ女子個人第3戦クリンゲンタール

ヘルツル WC初優勝 クリネツ 復活の表彰台 

2019年12月14日(土)クリンゲンタール(GER)HS140/K125

3rd World Cup Competition

1  キアラ・ヘルツル(AUT)  124.6pt
2  エマ・クリネツ(SLO)  118.9pt
3  カタリナ・アルトハウス(GER)  118.6pt
 
4  高梨 沙羅(クラレ)  114.7pt
8  伊藤 有希(土屋ホームスキー部)  95.5pt
22  勢藤 優花(北海道ハイテクAC)  76.6pt
29  岩渕 香里(北野建設スキークラブ)  64.7pt
31  丸山 希(明治大学) 61.9pt

オフィシャル リザルト


 

開幕戦3位、第2戦で自己最高位2位タイとキャリア最高の状態で開幕ダッシュを図り、打倒ルンビの最右翼にあったキアラ・ヘルツルがWC初優勝。
まだ22才だけれど、2012/13シーズンから参戦しておりそこそこのキャリアを持つヘルツル。その実力からすると遅すぎる初勝利だったかもしれない。

 

女子WC初開催となるクリンゲンタール。
定刻に始まった試合は3人飛んだ時点で風が強く中断。2時間半後にジュリー会議を開きその15分後に試合を再開するとのこと。
その通りに当初の開始時間の2時間45分後に仕切り直しでビブ1から飛び直し。
選手にとっても観客にとっても長丁場の試合となってしまった。

 

さらに困ったことに、この日は同会場で男子団体戦も組まれている。
女子1本目が終了した時点で既に男子の試技開始時間を過ぎており、そのせいもあってか女子2本目はキャンセルとなった。

 

2本飛んだらヘルツルの勝利はなかったかもしれない。
でも、それを言うのは野暮というもの。小林陵侑の初優勝だって1本勝負だった。
ヘルツルは、この日5位に終わったルンビに総合で5pt差に肉薄した。
シーズン序盤の主役の座をルンビと二分したかにみえるが、個人的にはこの3試合でのヘルツルの鋭いジャンプにより感銘を受けた。

 

昨季は怪我でシーズンの大半を棒に振ったクリネツは、復帰後初の表彰台にして自身3度目の2位。
昨季総合2位のアルトハウスは、今季初の表彰台。
丸山がポイントをとれなかったのは昨季リュブノ以来12戦ぶり。

 

この後の男子の試合は無事に開催されたが、そこには楽しそうに観戦する日本女子チームの姿が見られた。
女子WCは、この日の試合で年内の日程を終了。次戦は1月11日の札幌大会だが、その間に国内A級公認試合もないので、日本女子チームは丸々1ヵ月近く試合から離れることになる。
じっくりと休養と調整の時間が取れる一方で試合勘的にはどうなのか?

 

ところで、男子の試合は無事に2本飛ぶことができた。
ってことは、女子の2本目もやろうと思えばできたはず。
キャンセルした理由は、ひとえに後に男子の試合が控えていたためだろう。

男女同時開催の場合は、今回のように共倒れになるデメリットがあるね。
リスク分散として、開催地は別にした方がいいかも。

2018/19 FISスキージャンプワールドカップ女子個人第4戦ティティゼーーノイシュタット

このときは天候不良により男女共倒れとなった。
今回はあちらを立たせるためにこちらを倒さざるを得なかった。
同一会場での男女同日開催は難しい。