小林陵侑 圧勝で11勝目 ヴィリンゲン5総合優勝も手中に
2019年2月17日(日) ヴィリンゲン(GER)HS145/K130
28th World Cup Competition
1 | 小林 陵侑(土屋ホーム) | 274.4pt | 146.0m | 144.0m |
2 | マルクス・アイゼンビヒラー(GER) | 252.8pt | 140.0m | 141.5m |
3 | ピオトル・ジワ(POL) | 250.0pt | 142.0m | 137.5m |
18 | 小林 潤志郎(雪印メグミルク) | 225.8pt | 135.5m | 137.0m |
27 | 伊東 大貴(雪印メグミルク) | 210.6pt | 135.0m | 127.0m |
35 | 佐藤 幸椰(雪印メグミルク) | 88.0pt | 127.5m | |
36 | 葛西 紀明(土屋ホーム) | 87.3pt | 128.0m |
アイゼンビヒラーは2本とも空中で左腕を引くような動きを見せた。同時に右のスキーが揺れているようにも見えた。
スキーが揺れたので腕を引いてバランスを取ろうとしたのか。腕のバランスが崩れたためにスキーが揺れたのか。飛型点にはそれほど影響しなかったようだけどロスは大きかったと思われる。
1本目の8位から最後はザイツ、ヨハンソン、フォルファン、クバツキ、ストッフ、ジワを捲った。そしてそのたびごとにリーダーボードの前で咆哮した。
しかし、1本目終了時点でトップの小林陵侑とは17.5ptの差があり、さすがにその差を捲ることは難しいことは本人もわかっていたであろうとは思う。
結果は今季4度目の2位。
いずれも小林陵侑に自身初優勝を阻止されているが、これまでの3戦が0.4pt、1.9pt、0.5ptと僅差であったのに対し、この日は21.6ptにまで突き放された。
それでも個人的にはこの日の主役はアイゼンビヒラーだったように思う。
陵侑に敗れそれでも満面の笑顔で祝福し、そして最後にカメラに向かってもう一度咆哮する。そこまで含めて全てがアイザイ劇場。これほど人を引き付ける選手もいない。
アイゼンビヒラー同様に3位のジワも空中で何度か乱れた。いや、その二人だけではない。数値以上に意地悪な風が吹いていたのか全体的に1本目と2本目の順位に差がありすぎる。
よくあることではあるけれど、ここまで差がある事も珍しい。
1本目の順位 | 2本目の順位 | |
アイゼンビヒラー | 8位 | 2位 |
ジワ | 2位 | 7位 |
フライターク | 12位 | 3位 |
ガイガー | 11位 | 4位 |
ストッフ | 3位 | 14位 |
フォルファン | 5位 | 12位 |
クラフト | 14位 | 5位 |
ヨハンソン | 6位 | 25位 |
そんな中、小林陵侑が2本の飛躍をいずれもトップスコアで揃えたことは傑出している。
前戦の記事で空中で板がばらつく場面が目につくことが多く心配だと書いたけれど、この日はほとんどそうした乱れは見られず、一人だけ違う状況下で試合をしているようにさえ見えてくる。
数字以上の圧勝感があり、ジャンプ週間の頃のような無敵感漂う会心のパフォーマンスに久々に圧倒された。
シーズン11勝目。表彰台は今季16度目となり船木和喜の15回を抜き同一シーズンにおける日本人最高記録。
ジャンプ週間に続くタイトルとしてヴィリンゲン5の総合優勝も手に入れた。
そして、この日ストッフが7位に沈んだことで、総合ポイントを一気に64pt広げることとなった。さらに、3位のクラフト以下にはこの日の結果により総合優勝の可能性が消えた。
残り6戦。2位ストッフとの差は475pt。仮にストッフが全勝したとしても、陵侑はこの6戦で125pt積み上げればいいだけ。6戦すべて12位だったとしてもタイトルは獲れる。
Willingen 5 総合順位 | |||
1 | 小林 陵侑 | JPN | 737.5 |
2 | ピオトル・ジワ | POL | 708.6 |
3 | カール・ガイガー | GER | 708.0 |
4 | カミル・ストッフ | POL | 697.4 |
5 | ダヴィド・クバツキ | POL | 685.7 |
16 | 小林 潤志郎 | JPN | 628.6 |
20 | 伊東 大貴 | JPN | 607.9 |
32 | 佐藤 幸椰 | JPN | 448.1 |
39 | 葛西 紀明 | JPN | 320.4 |
53 | 中村 直幹 | JPN | 98.3 |
WCスタンディング 2月17日時点
前戦の記事でブーツ違反の話に触れたけど、Jスポで元康氏もその件に触れてたね。
やはりブーツの外側をわざと縦長に作ってビンディングの取り付け位置(規定ではスキーの長さに対して前方から●%以内とか決っている)をズラすというようなことが行われているのではないかと話していた。
スキーの前後のバランスを変えることができることとなり、例えば前方向に長くすることで空中で風を受けやすくするなんてことを企んでいるのではないかと。